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平成から令和へ in イタリア


イタリアも ほぼ大型連休中!



4月下旬から祝日が点在している。
復活祭(イースター)と翌日の月曜日、解放記念日と
5月1日のメーデーまで飛び飛びでやってくる。
週末と合わせることで最大で12日間の大型連休になる人もいる。
友人の子どもが通う保育園はこの最大タイプ。
親は仕事が通常通りなので、家族総出で子守をするとか。

私はというと、偶然にもこの時期に休暇を取ることになった。
恥ずかしながら、クローゼットに小指をぶつけて骨にヒビが入り、
仕事ができない状態から病欠扱いとなり急遽17日間の休みとなった。



さて、イタリアの4月30日は平日。
だけれども、祝日の前日ということもあって、
街は落ち着きつつも少しの浮かれがあるようにも感じる。


一方で日本では、平成最後の重大な日
イタリアでも、前夜である29日のTVニュースで報道されていた。
日本のエンペラーが替わることと新元号について伝えるのを見た。


日本の生中継がイタリアでも!



日本時間の午後5時に開始した「退位礼正殿の儀」は、
イタリア時間の午前10時にあたる。

朝起きてメールやメッセージのチェックと共に、
日本のセントラル・海外・ローカルニュースに目を通す。
ん!? 珍しいものが目に飛び込んできた。
それは、TBSテレビが報道特番をネットでも公開していたのだ。
海外でこのような生中継を見ることは滅多にできない!
とてもありがたい番組だと実感!さすがTBS!!
世界中で暮らしている日本人のどれだけが同じように思っただろう。


朝の予定を全て変更して、つきっきりで画面にしがみついた。
報道番組は、皇居の側で見守る観光客や、記念きっぷやお菓子の販売、
北海道のお花見などの幸せムードに包まれた。
一方で、押さえておくべきニュースも混ぜとても落ち着いた内容と言える。

綿密に組んだ計画通り物事が進んでいると伝わる。
皇太子と雅子さまや総理大臣が夫人と供に皇居へ向かう姿、
繰り返し使われるVTRや、ゲスト出演する天皇陛下と交流ある人、
皇室取材をしてきた人のコメントなどを見ていると、
イタリアにいながらにして日本全国の緊張感が伝わってきた。

そんな傍、実家の母に連絡してみた。
母は皇室ファンである。優雅な振る舞いや衣装の美しさ、
公務の内容など『皇室アルバム』をチェックする母を見て育った。
「今、正座でもして見ているの?」
「普通にテレビ見てる」とそっけない返信だった。
よくよく考えると、連休で孫たちが訪れているため、
集中できていないのかもしれない。
それもまた思い出の一つとなることだろう。

緊張感の続くまま「退位礼正殿の儀」を見た。
天皇陛下の最後のお言葉を聞いていると、
わずかな時間でありながらもじわりじわりと心に響き、
感慨深い想いに浸った。
最後の一礼までも神々しく天皇陛下としてのお姿に
熱いものがこみ上げてきた。


イタリアでの報道

TBSの特別報道番組を見終え、しばらく日本に思いを馳せていた。
すぐに切り替えることができずにいた。

イタリアではどのような報道をしているのか。
やっとテレビをつけたのが、儀式から約2時間が経つ頃。
各局で既に、「退位礼当日賢所大前の儀」の様子を映しながら、
Imperatore Akihitoという名前を何度となく耳にした。





その後、日本で迎えた5月1日へのカウントダウンの様子は、
日本のニュース動画サイトをいくつもチェック。
渋谷や大阪など各地の賑わいを感じることができた。

日本の零時を2時間すぎた イタリア時間午後8時の時点では、
令和に変わった瞬間の報道はまだ見ていない。
改元に対する重要度はそれほどないようだ。
そりゃそうだ。イタリア人たちにとって何の影響もないこと。
また、少し理解し難いものかもしれない。



日本が新元号に盛り上がっている最中、
イタリアではどのようなニュースが連なったかというと、

1、ベネズエラのクーデター発生
2、イタリアの失業に関する景気後退
3、ベルルスコーニ入院
4、暴行殺傷事件

どの局もトップニュースは、ベネズエラからの生中継。
武器を持って対立する物々しい風景があった。
そして、イタリアのニュースがいくつか続いた後で、
日本の話題になったが、時間はわずか5分ほどだった。



令和元年のニュース

イタリアでは穏やかに5月1日を迎えた。

新たに天皇陛下となられた徳仁さまの「即位後朝見の儀」の様子は、
イタリア時間朝には、儀式から4時間後とあり既に報道されていた。
次は、Nuovo Imperatore Naruhitoというお名前とともに
令和の意味を「調和、秩序、平和」と説明を交えた。
改めて、日本人が感じる「令和」のなす意味や、
イタリア語に置き換える単語の選択の仕方についても考えさせられた。




さて5月1日はメーデーであり祝日。
イタリアの大型連休の最終日となるのでおでかけ。
好天に恵まれたこともあり、屋外にはたくさんの人だった。


しかし夜の街は静か。ピザ屋もガランとしていて、
みんなピクニックに行って、夜は大人しくしているのかな。
私は、一日中イタリア人の友だちらと過ごしていたが、
令和に関する話題はなかった。


一人の男友達が なぜか、
「Shogun Mitsukuni Mito!」といきなり言いだし、驚いた。
アニメ『水戸黄門』を子どもの頃に見ていたとか。
さらにYouTubeでオープニングソングまで聴かされた。
しかも、日本語の歌にイタリア語で制作者の名前が連なる。

まさか、令和元年早々、水戸光圀公の話になるとは。
また、勉強の課題がみつかった。


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