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【帰国日記】田舎の屋敷群 は田と綿とサトウキビの名残


帰国して3週間が経った頃、

やっと両親と出かけることになりました。



ぃゃ、それまでに親戚のパーティーや

食事会は何度かやりましたし、

朝ごはんもほぼ毎日一緒に食べていましたょ。

(ってなんの言い訳にもならないけれど…)


毎日バタバタと出たり入ったりする娘を、

もう、そんなものだとして見ていたんだと思います。


それがやっと、親との時間です。

なんだか、幼い頃に戻ったような感覚。


ふたりは案内したいところがあるようで、

全て計画し、鼻息荒く出発しました。

高松から西に車を約1時間半走らせます。

香川にいくつもあるおむすび山。
ほっこりしたので思わず撮りました。


これまで、何度となく通った道でしたが、

大きなお屋敷があちらこちらに群生しています。

住んでいた頃は、ただの田舎の住宅地だと思っていたのに、

この時は、その立派な家々が気になるのです。


両親にそんな話をすると、「そう言えばそうだね。」

とふたりも改めて感じた様子。



両親の記憶から調べてみると、戦後以降は

綿やサトウキビを栽培していたようです。

今は田んぼしかありませんが、相当な収入があり、

近所や地域で競い合うように財を成したんだと伺えます。

あと、幹線道路を作るための立ち退きで建てたであろう

家も地にの両側にあります。



この辺りには、マンションなんてなく、

大家族が住んでいそうな大きな日本家屋ばかり。

銀色に輝く瓦が眩しく、庭木も綺麗に手入れされ、

先祖の想いを受け継いでいるのでしょう。

どこも立派な家屋だから、より、原風景のようで

懐かしい。映画でも撮れそうな状態です。


この写真の中央にある山に「こんぴらさん」があります。

像が鼻を伸ばしているように見えることから

「像頭山 (ぞうずざん)」と呼ばれ、

香川の民謡で、座敷唄でお馴染みの

「金毘羅船船」の歌の中にも出てきます。

金毘羅船船 追風に帆かけて 
シュラシュシュシュ
周れば四国は 讃州那珂の郡
象頭山 金毘羅大権現
一度 まわれば

イタリアに住んでいて、まず思い浮かばない唄。

5年ぶりに脳内で再生しました。

さて、写真の山麓にはこんぴらさんの

門前町なので高い建物もありますが、

手前はというと、田んぼが広がっています。

写真を撮っている道路の反対側も、

田んぼと家の連続です。



しかし、これらの大きな家を眺めながら、

将来どうなっていくのだろう…と

少しの不安と興味を抱きました。

少子化により、県は一極集中を企てて高松市内に

ボコボコとマンションを建てています。

土地や家の面倒を見切れなくなった孫世代は

それらを手放し市内へ出てくる。

もしくは、来させようとしているのでしょう。

思惑通りになるかどうかはさておき、

そうすると、町はいつしか消えていきます。



流行で激変する様に、文化も土地柄も変わって当然。

ですが、これらが空き家になると思うと、切なくなります。

ここにお墓までもが加わるから、

多くを持っていることは豊かだけれども、

その分、子孫に負担も多くかかることになる。

それぞれの家系でどのように相続していくのか

とても注目度が高い問題です。

過疎が進んだ地域はどうしているのでしょう。

Iターンの誘致や外国人の受け入れを行うのでしょうか。

彼らが皆それを背負うとは考えられない。

豊かな土地をどう守るべきか…


なんて、イタリアから想像しています。



あれ、道中の話だけで長くなりました。

両親とのお出かけで食べたものは、

次回お届けします。

ちなみに行き先の町は「財田: さいた」。

やっぱり、田んぼが財になった町。

では。

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