KATOが作る本気の木
わたしがポスター写真を見てびっくりしたのは、丸太の年輪側の部分(以後端面)の凸凹です。
日本形Nゲージの丸太の始祖(笑)はトミーのチ1でしょうか。
これまた名作です。
木の表面、手彫りで金型に彫刻したものでしょう。
端面にパーティングラインが見られますが味があります。
それと裏側?に2か所の抜きピン跡がありますが、積んでしまえば分かりません。
3本とも表面の模様は同一ながら、1本だけ微妙に異なる部分があり、実際は何個取りだったのでしょうか。
さてレーティッシュの丸太に戻ります。
「これどうやって作っているんですか?」
2月のカトー販売店説明会。
たまたま設計、生産に携わっている方が並んで座っていらっしゃったので、部屋の扉を開けて挨拶もそこそこに開口一番(笑)
と云うのも積荷などを作る場合、経済性もあってか金型の多くはたい焼きみたいな感じの金型(2枚合わせ)で、作られる事がほとんど。
それでは写真のような端面の凸凹は表現できないからです。
何か魔法でも使ったのか(笑)
そんな訳もなく、種を明かせば、
やはり、車両のボディと同じようにスライド金型を使っているそうで、本気度にのけぞって仕舞いました。
2枚合わせだと、3個取りや6個取りにすると、1回にたくさん成形できますが、
スライドは1回に1個です。
それ以前に金型も大がかりになりますし・・・
色も一筋縄では
こちらは現行のTOMIX チ1です。
この丸太は下3本と上2本の分割式で、濃いめの成形色で出来ています。
トミーの丸太は端面に筆か何かでチョンと年輪部分を表現していましたが(ばらつきがまた良い味を出していた)
現行は省略されています(違和感はない)
もし、このように端面が揃っていたら、印刷なども可能でしょう。
しかし凸凹しているので六づかしそうです。
ここは塗装しかありません
成形色のままでは表現しきれないので、ここは塗装を行うことに。
しかし端面は凸凹していて色が回らないのが目に見えているので、端面を塗るのではなく、端面の年輪の部分を成形色とし
側面を塗る方が効率も良さそうです。
とは言っても端面にマスキングは必要で、これまた車両のボディ並みです!
そもそも何で凸凹している?
日本国内の林鉄の写真を検索してみると、丸太の長さが割と揃っているものが多く、長物車に積んでも端面がほぼ平な感じ(「猫山森林鉄道」の運材車のイメージ)
しかし「レーティッシュ鉄道 木材を運ぶ」で画像を検索すると、日本とは違って長さがまちまちで、おのずと端面が凸凹になることが見てとれます。
まとめ
ほんとは、この長物車のカッコよさについてお伝えするべきなのかもしれませんが、積荷の方もまた出来が素晴らしくて。
このシリーズを大切に育てているんだなぁと云う想いが丸太一つからも伝わってきたので、今回は丸太について書きたくなって仕舞いました(笑)
そんな性格の私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
イケモトモケイ 池本達也でした。
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