ページ送りのライフハック

Kindleの辞書機能は英語の書物を読むときにはとてつもなく便利で一度使うと手放せなくなります。最近は読みたい洋書はほぼ電子書籍で購入して、パソコン上で読むことにしています。

日本語の本も同じアプリで読むのですが、こういうとき少し不便なのは和書と洋書でページの送る向きが逆になることです。例えば和書を読んでいてページを送るつもりで矢印の「←」キーを押したときに、ページ送りの設定が洋書のままになっていると、意図に反してページが戻ってしまうことがあるのです。「あれ、この人またさっきと同じこと言ってるなぁ」なんて思いながらしばらく気づかずに読み進めてしまうこともしばしば。

もちろん送り向きを切り替える設定はあるのですが、いろんな本を並行して読むことも多い僕にとってはそのたびに設定を開いて切り替えをするのは地味に負担なのです。ところがこれを解決するちょっとした「ライフハック」を思いつきました。

アプリの設定を変える代わりに、自分の脳みその「認識」の設定を少し変えるのです。

洋書を読むときは通常どうり「→」ボタンでページ送りをします。これは自分の視線を動かしたい向きにボタンを押すという認識ですね。さて問題は和書を読むときなのですが、このときは「ぺージを送る」ときの動きの主体を「視線」ではなく「本のページをめくる手」の方にシフトしてみるのです。次のページに進むとき本のページをめくる手は「左から右」に動きますよね。それを強く連想するとあら不思議、「→」は和書における「ページ送り」のイメージときちんと合致します。この切り替えは実際にやってみれば全く難しくありません。今まで不自然に思えていたキー操作が急に自然に思えてしまう、この頭の中のスイッチがカチッと入れ替わる感覚がとても面白く感じます。

要は「カメラ(視点)を動かす」ととらえるか「見ている対称を動かす」ととらえるかということなのですが、FPS(一人称視点ゲーム)をプレイするときにこれと同じことがおきますね。「あれ、自分の操作したい向きとは逆の向きにキャラが動く」なんてときは自分の「認識」モードが逆になっているので、頭のスイッチをカチッと反転してあげる必要があります。ただ一旦固定された一方の認識を、もう一方の認識に移行するのはなかなか難しく、逆に一旦切り替わると何故先ほどあんなに苦しんでいたのか分からないほど操作が理にかなったものに感じ始める、この辺りがまるで「だまし絵」を見ているときのようでとても不思議なのです。

それにしても脳みそのモード次第で同じ動作が全く異なる「向き」に認識されるという事実は、万人にとって自然なインターフェイスを作ることがいかに困難かを物語っていると言えるかもしれませんね。



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