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【詩集】

「こがらし」
こがれて こがれて
こいで こいで
こけて ころげて
こがらしに こう
こうあれと こう

「ナキガラ」
制服と校庭
校舎の亡骸
廊下の亡骸
教室の亡骸
机の亡骸
ソコにミゾ

「ていねいな暮らし」
猫のいる暮らし
昼寝
犬のいる暮らし
散歩
君のいる暮らし
休日
起き抜けにクランチ
ブランチ
昼寝 散歩 休日
そんな暮らし

「記憶」
私が死んだら忘れてね
でも少しは泣いてほしいな
少し泣いたら忘れてね
死んだあとには生きたくないから
私が死んだら忘れてね

「逆立ち」
逆立つ髪 その目は赤?
それとも
逆立つ髪 その目は青?
それとも
逆立つ髪 その目は白?
それとも
雨?

「じこく」
遠くの時刻 時差十四刻
こっちの遅刻 あっちの尚早
あっちの昼食 こっちの夕食
こっちの安穏 あっちの波乱
あっちの時刻 差はごく僅か

「ち」
上手とか下手とか
綺麗とか汚いとか
有意義とかコスパとか
名誉とか恥とか
知らない頃にもし戻れたら
苦しいだけの時を戻そう
楽しいだけの時に戻そう
その尊さと引き換えにして

「冬の詩」
冬には冬の詩があって
夏には夏の詩があって
春には春の詩があって
秋には秋の詩があるの

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