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行政評価の使い方

公務員となりますと、それぞれの分野において仕事の種類(事務事業)毎に予算を振り分けて
予実管理をしております。

行政評価のしくみ

その仕事が適正に実施されたのか評価するため、行政評価なるものが行われます。
当町の場合は、担当課で一次評価、
その中から選ばれた事業を役場内に設置した行政評価委員会で二次評価、
更に二次評価を実施した事業から選ばれた事業を町内の団体や個人等で組織される行財政改善推進委員会で三次評価。
担当→役場内→役場外と評価する側が変動し、
行政が効率的・効果的に行われているか判断されます。

行政評価は誰が得する?

行政評価で二次評価、三次評価と選ばれた事業の担当者からすると「無駄な仕事が増えたなー」と思い、
役場内の評価委員は「とりあえずこんな感じで文章書くから」と担当と調整し、
三次評価の委員は年に数度ですが夜に集まり、それほど詳しくなかったとしても、
役場の担当者から説明を受けて、「やった方がいい」とか、「やめたら?」と判断します。
本来であれば税金が適正に使われているのか判断し、事業の取捨選択を行うわけですが、
現実はなかなか想定通りには進んでおりません。

行政評価を活用する

私が担当する特用林産推進事務事業なるお仕事が以前、三次評価の対象となりました。
当町は北海道でも有数の木炭生産地ですが、木炭生産に関わる人が高齢化しており、担い手不足の解消につなげるため、
補助金を活用して炭やき伝承広場を整備しまして、3基の生産用炭窯、4基の体験用炭窯があります。
生産用炭窯は町内事業者に貸しており、体験用炭窯については担当者が直営で維持管理していましたが、共に利用は低位な状況でした。

↑体験用炭窯で維持整備の為に炭を製造しているところ。役場職員ですが、炭、作れます(笑)

行政評価の結果はこちら(33ページから36ページ)の通りですが、
担当課は「事業規模・内容の見直しを検討」するC評価(4段階評価の下から二番目)。
二次評価は「事業の抜本的見直しを検討」するD評価(最も下のランク)。
担当者としては、役場内では色んな所から評価されていない仕事だったので、低評価になる事は想定しておりました。
しかし、幼児対象の炭やき体験や空いてるスペースを活用した原木販売会・チェンソー技術講習会の開催など、
炭づくりだけではなく、丸太や木材の価値を高める場所としての整備を検討しており、
事業の廃止は待ってほしいと考えておりました。
また、町外からの来訪者を案内すると、多くは高評価で、お金を掛けずに民間の力も投入して上手に活用できれば可能性のある場所と考えていました。

そこで、三次評価では役場内の評価委員会では説明していなかった再整備の構想や他の事業との組み合わせで得られる可能性のあるメリットをプレゼン。
結果、何故か担当課の評価より高い「事業の進め方の改善により継続」するB評価を獲得。

三次評価に選ばれた事で、役場内では低評価だった事業を何とか継続に結びつかせる事が出来ました。
確かに今後、一層外部から注がれる視線は厳しいものがありますが、
緊張感とスピード感を持って仕事に臨む環境が出来たと考えれば、価値のある行政評価となりました。

行政評価については賛否両論様々ありますが、
外部の方からお墨付きをもらえる数少ない場なので、公務員としてはやり方によっては大変有意義なものになるのではないか?との考えに至った経験でした。

↑幼児対象の炭やき体験。

↑隣町の短大と協働した炭窯再整備計画

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