人生で一番痛くて怖かったお産〈後編〉
前編からだいぶ時が経ってしまいました。
我が子の顔を見るたびに「生まれてきてくれてありがとう」と本気で思っているため
正直、お産のあの悲惨さは忘れかけています。
が、頑張って思い出しながら書いてみますね。
想定より早く産めそう！？
分娩室の隣の部屋で悲しくなりながら痛みに耐えること2時間くらい？
17時ごろだったと思う。
助産師さんが「子宮口チェックしてみましょうか〜」と現れ
本来ホッとするところだけど、恨めしい気持ちが込み上げる。
まだ十分ではなさそうな雰囲気だったけど、私が部屋に戻りたくないオーラを全身から放っていたためか、いよいよ分娩台に上がれることに。
「ご主人にはご飯食べてお風呂も済ませて20時ごろ来てって伝えて」と言われ、そのように連絡してあったが
分娩台に上がってからもまだですかオーラを放ち続ける私に、見かねた助産師さんが「もうご主人呼んじゃおっか、電話していいよ」と。
しかし20時までゆっくりできると思ったのか、夫は「寝てた」「ご飯も風呂もまだ」と。
お産舐めとんのかーーーー！！！！！！！
いや、その予定とは言ったけどよ。
何が起こるかわからないから全部済ませておけって意味だろーが！！
妻が何時間も前から一睡もできずに強く速くなり続ける陣痛と闘ってるというのに、テメェは呑気に寝てただぁ？？？
こちとら危機感のないバカが一番嫌いなんだよ、ぁああん！？！？
なんて、言える体力も気力もほとんどなく。
（今は元気なので思い出したら冷静に腹が立ってきた）
とにかく来てくれと。
やっぱり、夫が現れた時は心強かったです。
（情緒不安定）
それからはイキみ逃しってやつを延々やりながら本番待ち。
陣痛の波が一番強くなる時に、痛みのあまり下半身に力が入ってしまうのを深呼吸で逃す。
夫は助産師さんの指示に合わせて、腰をさすったりお尻の辺りを押さえたりしてくれる。
深呼吸と言っても、痛みに耐えながらなので「ふぅ〜😌」とはならない。
実に、蚊の鳴くような声が出ます。
いざ、立ち会い出産。出てきたのは・・・
いよいよお産が始まりました。
足元が汚れないようにカバーを履かされたり、人工的に完全破水させたりしたような記憶があるがもうその辺りはぼんやり。
夫は分娩台の頭側に移動し、手を握ってくれた。
助産師さんが指示をしてくれるタイミングに合わせて、思いっきりイキむ！
のだが、それがもう絶望的にド下手で。
ちょっとお下品な話。
違う場所から違うものが出そうになるんですよ・・・
そう。私のお産が辛かった最大の原因は
便秘してたこと（たぶん）
絶対出しておいた方がいいよな、と思っていたので
最後の子宮口チェックのあと、痛みに耐えながらトイレにも行かせてもらったのだが
全然出ない・・・
陣痛の痛みが強かったのも、便秘の腹痛との相乗効果だったように思う。
イキみは、物理的に考えればわかるが
子宮の中にいる赤ちゃんを出口の方へ押し出したいのだから、力がお腹からお股に向かって抜けていかなければならない。
しかし、もう赤ちゃんより先に出たがっているソレを無視することができない私は、叫ぶしかなかった。
「⚫︎ンチが出ちゃいます😭」
羞恥心とかはもう無い。もはや自分が赤ちゃん。
助産師さんも慣れているようで、大丈夫よ〜と答えたきり、出たとも言わず処理してくれた。
（夫はその事実にすら気づいてなかった、ありがたや）
私はド下手なりに頑張ってイキみ続けたが、どうも赤ちゃんが非協力的で全然出て来ない。
前編でも少し触れたのですが、赤ちゃんは自ら回旋しながら出口へ降りてきます。
その赤ちゃんとママの協力プレイによって、感動の出産が成功するわけです。
うちの場合、赤ちゃんが想定より成長していたことやうまく降りてこられなかったこと、
母体の体力とイキみセンスがなかったことなどが重なって
陣痛間隔や子宮口の開き云々ではなく、スムーズに産むことが難しかった。
赤ちゃんの向きを変えるために私自身が右を向き左を向き、四つん這いになり、また仰向けに戻り
全ての体位wを試したが、全然ダメ。
そこで強硬手段。
助産師さんが2名追加され（もともとメインとアシスタント2名だった）腹の上に乗っかり、
イキみに合わせて胃の辺りから下腹部に向かって押してくれる。
しかし、頑なに我が子は出て来ず。
お腹に乗られるとか、もうこの時点では怖くなくて
そんなことより、陣痛に耐えながらイキむ時間を早く終わらせたかった。
とにかく無事にお産が終わるなら、なんでもして欲しいと思っていた。
イキみ待ちは拷問
陣痛MAXの状態でイキむタイミング（陣痛MAXのMAX）を待つ。
これが、根性無しの私には相当キツかった。
もうMAXです！！MAXです！！！！
って感じなのに
助産師：まだよ！まだ吐いて〜
吐いて〜
吐いて〜
もう一回吐いて〜
（・・・もう吐けない！⚫︎ぬ！！😂）
からの
はい思いっきり吸って、イキんで！！
って、イキむ時には感情ぐちゃぐちゃ。
痛いというより、もう恐怖。
声出すと上に力が抜けるからダメと言われるけど、声は出ちゃう。出ちゃうよ。
これいつまでやるの！？もう降りたい！！
ここから降ろしてくれるなら産み方はなんでもいい！！
今からでも麻酔とかなんか方法あるんじゃない！？ないの！？！？
そんなことを思ってたと思う。
「無理」って言葉だけは言わないように頑張ったけど、まぁ本音を言えばもう無理だと思ってた。
お腹切って出してくれって、本気で思った。
想定外の吸引分娩
お産開始から4時間くらいかけて、自力でやれることをやり尽くし
遂に助産師さんが先生を呼び出してくれた。
当日23時ごろ。
緑の術着の先生が自分の膝の向こうに見えた。
良かった、先生が助けてくれる・・・
助産師さんが「先生にお手伝いしてもらうからね、あと少しよ」って言ってくれて
なんだか目の前がパァーッと明るくなった。
のも束の間、再び恐怖が訪れた。
ご主人は一旦向こうに行って、と夫ははけさせられ
先生が「ちょっと熱いよ」と言ったと思ったら
ザクザクと音が聞こえ、お股のあたりが温かくなった。
ああ、絶対に会陰切開したくないからとオイルマッサージも頑張っていたのに。
怖がっていた痛みはもはやよくわからなかったけども。
メスの音が怖すぎてパニック状態に。
そして先生、間髪入れずに吸引開始。
助産師「せーのでイキんで」
・・えっ！？！？！？
パニック中に追いパニック。
もう先生が全部やってくれるものと思って油断していたが
地獄は続いていた・・・！！！！！
さすがにもうここまで来たら腹を括り、全ての力を振り絞った。
一回でもイキみ少なく終わらせたるわぁぁあああああーーー！！！！！！
視線は先生の顔に全集中。
吸引機を大縄跳びでも回すかのようにグルングルン引っ張る先生。
診察の時にスティッチのぬいぐるみを使って赤ちゃんの向きを教えてくれた時の、あのお茶目な先生はどこへ・・・
4回ほどイキんで、赤ちゃんはガコン、ガコン、ずるぅーんと出てきた。
（頭が出て、左右の肩が順に出て、それから全身が出てくる）
夫も戻ってきて、赤ちゃんはサッと血を洗ってから見せてもらえた。
私は大号泣。
生命の神秘に感動、とかではなく。
だいぶ前から痛すぎて怖すぎて泣いていたし、お産が終わったことに安堵してもっと泣きじゃくった。
それから防水シートを体の上に敷かれて、その上に臍の緒を切ったばかりの赤ちゃんを置かれ、親子3人の初めての記念撮影。
私は大泣きの後遺症により目がほとんど開いてなかったが、眉毛だけは元気なうちに描いておいたのがしっかり残っていた。
少ししてから胎盤もずるぅんと出てきて、助産師さんが「見る？」と言うので
「見たいです」と答えたものの、メガネをしていなかったので全然見えなかった。
もうそんなこともわからないくらい疲れ果てていた。
子宮の収縮を促すためにと、でかいアイスノンを腹の上に置かれて
先生がお股を縫ってくれてる間、急に震えが止まらなくなった。
冷静に考えれば、全身の筋肉が一気に弛緩したことと、お腹を冷やされているせいだろうが
感染症か何かの症状でこのまま死ぬのでは？という妄想に襲われた。
無事に全てが終わり、先生も助産師さんも分娩室から出て行き親子水入らずとなった。
赤ちゃんは産まれてすぐは泣いていたけど、部屋の隅のコットの中で丸まってじっとしていた。
私は分娩台から動けないので夫が写真を撮ってきてくれた。
たしかにデカい。
産まれたては浮腫んでるとは言え、3500g超級の赤ちゃんはやはりデカかった。
時折、赤ちゃんの小さな声が聞こえる静かな分娩室で1時間ほど過ごした。
出産が23時過ぎで、落ち着いて休むことができたのは深夜だった。
夫は、何かよく分からないけど赤ちゃんを見た瞬間に涙が出たと話してくれた。
それは感動したってことだと思うけど、そんな簡単な言葉で表せないくらいの感情が押し寄せたのだろう。嬉しかった。
私は、次があったら絶対に無痛分娩にすると宣言した。
ちなみに、吸引分娩だと入院手術扱いになるので県民共済からお金が出ました。
これはちょっと良かった。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
入院中のことも思い出しながら記録したいけど、また気まぐれ更新になると思います。
現在は9ヶ月になった我が子と全力で向き合っており、起業やらなんやらアイデアはあるのですが一旦落ち着きたいと思っています。
誰が読んでくれてるかも分からないながら、ただただ書くことが息抜きでもあります。
また記事を投稿した際は読んでいただけたら嬉しいです。
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