生化ー対面3

バイオマス資源の研究

バイオマス資源とは「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」(コピペ)である。

化石燃料は燃やしてエネルギーを得られるが環境に悪いため煙たがられる一方で、バイオマス資源はコストパフォーマンスは置いといて環境面では皆から歓迎される代物だ。

バイオマス資源は3つに分類できる

栽培作物系、未利用資源系、廃棄物系。さらにこれらは陸域系と水域系の二つに分けられる。

教授が研究対象にしたのはキチンという構造多糖だ(これはバイオマスの未利用の水域系に該当する)。カニ・エビの殻、イカの中骨、カブトムシ等昆虫の外皮ほか、とにかく硬いやつであり、糖質としてセルロースに次いで大量に存在する。

構造

n-アセチルグルコサミンがβー1,4グリコシド結合で繋がっている。略称はGlcNAc(グルクナック)変形関節炎予防、肌老化抑制に効果がある

GlcNAc含有ホモオリゴ糖はキチンオリゴ糖ともいいこれは製造が難しい

GlcNAc含有ヘテロオリゴ糖というものもあり、これはプレバイオティックスに貢献する

キチンからGlcNAcを取り出すことは容易ではなく主に発酵法・酵素反応を用いる

キチナーゼ生産性細菌(Vibrio属細菌、千葉の干潟で採取)は名前の通りキチンを分解する性質を持っている。これを用いるのだが、微生物も生物であるから分解した後普通に吸収してしまう。。

それを防ぐためにキチンオリゴ糖を食べない大腸菌に↑こいつの遺伝子と分泌シグナルを追加する。これでキチンを分解するけど自分はそれを食べない大腸菌が出来る。(この子はいつ死ぬの…??働かせてそれでお終い?みっともねえじゃねえか大腸菌、人間の思い通りにさせんじゃねえよ!!)

画像1

このnew大腸菌とイカの中骨を培地入り三角フラスコにいれると、イカの中骨2gあたり700mgGlcNAcが生成される。

結局できたGlcNAcはプレバイオティックオリゴ糖として利用される。

人は口腔→胃→小腸→大腸と、体内に入ってきた異物を体内に入れないように慎重に消化する。腸には3万種類、100兆個の腸内細菌がいて善玉菌、日和見菌(全体の7割)、悪玉菌に分かれる。普通の糖は小腸辺りで脱落するが機能性オリゴ糖は大腸まで残る。

これは善玉が分解し→低級脂肪酸が増え腸内のpHが低下し(酸性になる)→酸性に弱い悪玉菌が死ぬ→腸もイイ感じ!

というロジックになっている。(悪玉菌は本当に悪いだけの存在なのか…?)

あと他にはキチン・キトサンナノファイバーの獣医臨床病理へ応用されてキチンの軟膏が作れる。(結構傷が早く治るらしい、犬用だけど)

あと魚の鱗を蒸製処理して粉末化したのち草木の肥料にもできるらしい

東アジア型5Sテクノロジー(Small,Simple,Smart,Scattering分散性,on Site)はTが考えた資源再利用プログラム。あんまりこう上手くはいかなくなった没案だそうで…

とにかくバイオマス資源には多種多様な使い道があると。

ちな一般常識。DNAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略だと。知らなかった(汗)

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