たばこについて思うこと8(長島スパーランドにて)

25年以上前のことです、誤解のないように。

名古屋在住の妻の妹夫婦のお宅に、女房の両親、我々家族4人でお邪魔した。そこから、長島スパーランドに一泊し、大いに楽しんだ。子供は、小学生で、ジェットコースター始め、遊戯施設で大いに楽しんだ。我々大人も、子供に還ったような時を過ごすことができた。ランドには、大きな演芸場があり、当日は「コロッケショー」が催された。物まねから、ロボットを真似たパントマイムは抱腹絶倒であった。
ここで、開演前の一悶着があった。何人位収容できるホールだろうか、ざっと見渡して1,000人は下らないように思えた。客席は、いくつかの通路で仕切られた板の間の席であった。あろうことか、大勢の中で唯一、直ぐ近くに座った30代後半だろうか中年女とその両親であろう高齢の夫婦の父親が煙草を喫いだした。残念なことに、ホールの柱などには、「開演中禁煙」と表示されていた。開演前は喫煙可能ということである。一方で、通路には、ホールから離れた喫煙所の案内表示もあり、「協力をお願いします」という掲示もあった。そうは言っても、1,000人以上収容の大きな会場で、よりによって、隣に座った輩が煙草を喫いだしたとなると、心中穏やかではない。「煙草、喫煙所で喫ってもらえませんか?」といったところ、父親は、直ぐに灰皿に使用していた空き缶で煙草を消して吸殻をすてたが、ふてぶてしい中年女は、一向に止めようとしない。それどころか、「開演中は禁煙と書いてある。止める必要はない。」と、まともな対応をした父親を制するような振る舞いであった。「喫煙所に行けば喫えるのだし、小さな子供も含め大勢の人が迷惑しているのだから、止めてくれ。」と言うと、「煙草を喫わない人よりも税金を払っているのだから、とやかく言われる筋合いはない。」と開き直るのであった。こちらとしても、喫い続けられることは我慢できず、周囲の人にも、「みなさんどうですか?近くで煙草を喫われて迷惑ではないですか?」と声をかけたが、明確な反応は見られなかった。妻から、これ以上口論するのはやめて欲しいと言われたこともあり、それ以上、言うことは差し控えた。
個々人が煙草を購入することで負担する税金など、微々たるものであることは承知していたものの、当時は、喫煙者と禁煙者との医療費の差など専門的知識もなく、ガンと言ってやれなかったのが残念であった。
救いは、当人以外、つまり父親は、再び喫うことはしなかったことである。そんなモラルの欠片もない娘を育ててしまったことは、いかにも残念ではあるが、人間として、中年娘よりも父親の方が遙かに優れていることは言うまでもない。

<後日>
当時は、世の中に、受動喫煙という概念も知識もなく、他人の煙草の煙の害など考えもしないというのが、普通だったのだろう。今であれば、到底許される行為ではない。煙草を喫う人は、年々肩身の狭い思いをしていることと思うが、この点だけは、世の中が格段に進歩したのだと思う。

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