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久々の精神病院よもやま話

少々スプラッターな実話です。
  
内容がアレなので苦手な方はスルーしてください。
  
30~40年前の昔々そのまた昔の精神病院で見てきたことですが、精神科関連疾患一般のことではなく、極めてレアなことですので誤解や偏見のないようお願いいたします。
  
作り話ではなく、昔々そのまた昔の精神病院の中で現実に見てきた出来事です。
  
作り話のようなホントの話です。
  
病院内で首を吊る人や、飛び降りる人もいましたが・・・
  
びっくりするようなことをやらかす人々がいました。
  
  
針を飲む人
どこから入手したのかわからないが、縫い針を何10本も飲んでしまい、他の病院に転医になりましたが、どうなったかは・・・?
  
  
箸を飲む人
昔の精神病院は畳の部屋で、各部屋には食卓テーブルがあり、その上に箸やお醤油などが置いてありました。
その箸を飲んだ人がいましたが、自殺するつもりで・・・とのことでした。
この方は転医し、手術で取り除いた後、戻ってきました。
  
  
醤油を飲む、整髪料を飲む、酒精綿を口に入れアルコールを摂取する・・・とかは珍しくない(^_^;)
  
外出をして買い物をしてくれば、傘袋にアルコールを入れズボンの中に隠して持ち込む、職人技のようにジュースや牛乳の紙パックの中身をアルコールに入れ替え、開けたことがわからないように張り直して持ち込む。
  
外出者に買わせたアルコールや持ち込み禁止のものを、窓から垂らした紐で吊り上げる。
その最中に通りかかった職員に見つかり、ちょっとした騒ぎになったり・・・。
  
  
残飯を食べる人
食事が終わり患者さん達は食べられなかったものを残飯桶に廃棄するのですが・・・、その残飯桶に廃棄された残飯しか食べない人もいました(´Д`)
  
  
目玉をくりぬいた人
病状が悪く他の患者さんと一緒にしておけない患者さんは保護室や隔離室と呼ばれる部屋で過ごしていただくことがありますが、極度の幻覚妄想状態のため、保護室で自分の目玉をくりぬいてしまった方がいました。
  
保護室内では、布団の綿を食べる人や、いわゆる禁断症状とか振戦せん妄状態で、自分の身体の中から次から次へと出てくる虫を払いのけたり、むしり取ったりして、結果自分の皮膚をむしり取ることになり全身血だらけになったアル中さんがいたり、こっそり持ち込んだライターで布団に火を付け自殺しようとして大火傷を負った人がいたりしました。
  
  
手を切り落とした人
幻覚妄想に影響され、自分の手をナタで切り落としてしまったことがきっかけで精神病院に入院することになった方がいました。
  
  
塀に突っ込んだ人
昔の精神病院の周辺は塀で囲まれていました。
何度も入退院を繰り返していた方が、何か気に入らないことがあったのか、病状が悪かったのか、その塀に車で突っ込んで塀も車も壊して、再び入院となりました。
  
  
エアライフル乱射事件
通院中の患者さんが、ある日エアライフルを持ってきて、事務所内に向けて乱射したことがあり、病院は110番通報し警察に連れて行ってもらいましたが、後日入院となりました。
  
  
勤務する職員の配偶者が刃物をもって病院に乱入、妻を出せ!出てこい!殺してやると喚きながら・・・。
結局、110番通報して連れて行っていただきました。
その後、無事に離婚なさったそうです( ̄▽ ̄;)
  
  
当時の精神病院には指のない人、背中に刺青ってな人がたくさんいまして・・・、彼らはたまに院内ぷち抗争を起こしたりしましたが、歯ブラシを削って作ったナイフでやり合ったりするんだね( ̄▽ ̄;)
  
歯ブラシは壁や床や、すでに作ってあるナイフのようなもので削って刃物にしたり、丸い玉を作ってソレを陰茎に挿れたり(真珠の代わりだそうです)していましたが、不潔なので炎症を起こして大変なことになってしまう人もいました( ゜o゜)
  
  
入院中に自分で腹を切り、腸を引きずり出した人がいて、すぐに救急搬送し一命はとりとめ、後日再び戻ってきました。
  
  
病院の前に棄てられていた人
まだ子どもの頃に精神病院の玄関前に棄てられ、名前もわからないまま精神病院で大人になり、その一生を精神病院で終えた方がいました。
  
  
獣のような人
いつも全裸で吠え、暴れ、手掴みで食事をし、糞尿は垂れ流し壁に塗りたくり投げてくる・・・、話は全く通じないので、いわゆる檻のような保護室から出られない方がいました。
  
  
裸を見せたがる女性
1日に何度も全裸でナースステーションにやってきては全裸を見せびらかしにくる・・・のみならず、窓から外に向かって全裸を見せびらかす人がいました。
私が女性病棟の夜勤でナースステーション奥で仮眠をしていて、ふと目が覚めたとき目の前にその患者さんが全裸で立っていた時にはビビりました。
  
  
脱走をはかる人
隙をみて何度も病院から逃げ出そうとする人がいまして、ある人はトイレの天井をはがし、天井裏をつたって脱走をしようと、天井裏に隠れたはいいけど動けなくなった方がいました。
病棟でその患者さんがいないことに気がつき、ちょっとした騒ぎになったわけですが、他の患者さんが教えてくれて、なんとか無事に戻ることができました。
  
他にも脱走を企る人は少なからずいて、いつも隙あらば・・・と機会をうかがっている人がいました。
  

精神病院でも亡くなる方はおられるわけですが、ある夜勤の夜、高齢の患者さんが亡くなられたので、エンゼルケア(死後の処置のこと)の後、霊安室へ運び病棟に戻ってくると・・・
亡くなられた方がいた部屋から看護師を呼ぶ声が・・・
確認すると、その声はすでに誰もいないベッドの方から・・・
なんてことも珍しくなくありました( ̄▽ ̄;)
  
  
精神病院というところは全く閉ざされていたわけですが、1960年代のロボトミー事件、1970年大熊一夫氏の「ルポ精神病棟」によって精神病院の内部事情がセンセーショナルに白日にさらされることとなり、1970年代後半から1980年代前半にかけて精神病院開放化運動が起こっていきました。
ところが、1983年あの宇都宮病院事件が起こり、それをきっかけに精神衛生法が精神保健法として生まれ変わり、改正を重ねて今の精神保健福祉法となり、関連する法律、制度が少しずつ充実されてきました。
しかし、未だに拘束の問題や暴力の問題、薬の問題、メディアによる煽るような偏向報道など、まだまだ課題は多いのです。
1950年代の精神病院乱立時代に建設された古く汚い精神病院のほとんどが、2010年くらいまでには新しく建て直されきれいになり、巷には精神科や心療内科のクリニックが溢れるほど増えたのですが・・・
  
なんだかなぁ~ってな感じですね( ̄▽ ̄;)(ーー;)(´Д`)

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