年の暮れ

これまたパン屋のアルバイトのお話。2022年末。今日は作る方ではなく販売員。大好きなパンに囲まれるこの仕事には何の不満もない。けれどそんな私でもこの日はちょっと、いやかなりモチベーションが低かった。周りのみんなは帰省しているのに、どうして私はこんな年の暮れまで働いているのだろう。寒いし。（※もちろん年末年始も変わらず出勤している皆様には大変感謝しておりますし、お疲れ様ですの気持ちでいっぱいです）

そんなとき、一組の親子がやってきた。30代くらいのお父さんと4歳くらいの男の子。買ったのはハード系のおかずパンとふわふわの菓子パン。それにカフェオレを2本。私からパンを受け取ったお父さんは、何やらルンルンノリノリで歌いながら踊っているちっちゃい息子の手を握って微笑みかける。

「公園言行ったら食べよーねー」

その光景を見たら、何か自分でもわけわからないくらい幸せな気持ちになってしまって。ただそれだけのことなのだけど、私にはそれがすごくハートフルな瞬間で。手のひら返してとてもいい一日だった。

p.s.よく考えたらあの寒風吹きすさぶ中、公園でパン食べるのはなかなかの猛者。