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言語生成AI は人間を越せないと思う理由

チャットGPTやBARDのような自然言語処理(NLP)系のAIが、人間を越せないと思う理由について書きます。

「画像認識」や「囲碁・将棋」のAIは人間以上になっているのに、なぜNLP系AIはそうならないと思うか。 それはNLPは言葉だけのロジックであり、そこに人間以上という概念を想定できないからです。 人間と同等の言葉(文章)が書けた時が100点なのでそれ以上はないのです。

画像認識は、例えば色んな猫の画像を見せて学習させ、猫の姿を理解させます。
目標はどんな猫を見せても100%猫だと言い当てる事です。この時の目標値は「人間の能力と同等になる事」ではなく、「猫だと100%認識できる事」です。つまり人間以上の能力に目標を設定できるわけです。

囲碁・将棋も、初めの目標は人間に勝利する事ですが、そこまでの実力がついたら次はAI同士で対戦させる事によって更に実力が上がっていきます。
つまり、目標は人間を超えるところに設定できるわけです。

これらと同じ原理でNLPの学習目標を考えてみます。目標を人間以上にするにはどうすればいいでしょうか? 言葉において人間以上なんてありません。
ゴールは人間なのです。即ち人間を超す事はできません。(下図)

「人間を超す、越さない」で勘違いしている良い事例を紹介します。
チャットGPTに「少子化問題の解決方法について聞いてみた」という話です。これは全く意味のない事です。チャットGPTは考えるわけでなく、巷に転がっている情報(つまり人間が考えた情報)をうまくまとめて解答しているだけなのですから。
もし、GPTが巷の情報を分析して、その結果として少子化はこうして解決するのが良いでしょうと解答してくるなら意味があります。 そこを世の中の人は勘違いしています。

少子化問題をAIに聞くのであれば、NLPでなく別系統のAI(と言っても、どんなAIに頼むべきか分かりませんが)にかけて分析してもらわなければなりません。

以上をまとめます。
NLP(言語生成AI)が人間を越せないのは、最終目標が人間だからです
それに対し、他のAIは人間を超える目標値を設定できるので、人間を越せる可能性があります。また、NLPの解答内容はNLP自身が考察した結果ではなく、巷にある物を拾ってきた物にすぎないので、NLPの解答に革新性はないです。
NLPは二つの側面があり切り分けて考えます。一つは「言葉の受け答えの自然さ」
もう一つは、「解答の内容」です。いずれも上記の理由で人間を超える事はありません。


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