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電流源は「電流の源」!?

物事は大前提を知らずに教わると、誤った理解をしてしまいます。
電流源とか電圧源などはその良い例です。
これらは、どの説明を見てもその大前提が書かれていません。

話は逸れますが、その昔、大前提を知らずに「食器洗い洗剤は油汚れに強い」と、思っていました。CMでそれを強調した製品が多くあったからです。でも本当は油汚れに弱いのです。固形石鹸と比べてみてください。比較になりません。

では、なぜ油汚れに強いと言っているのか、それは食器用洗剤にしてはよく落ちますよ、という意味なのです。何事も大前提を知らないと間違った思い込みをしてしまいます。

話を戻します。
まず電流源は「電流を発生する装置」の事ではありません。
電圧源だって電流を発生させているのですから。
「電流を発生する装置」と「電圧を発生する装置」が、それぞれ存在するわけではないのです。電流源も電圧源も同じ物です。電圧を発生して、その結果として負荷に電流が流れる原理には変わりありませんから。

では、電流源とはなんでしょうか。電圧源と何が違うのでしょう? 
それはどっちに着目するかだけの違いです。
電圧に着目すれば電圧源。電流に着目すれば電流源。それだけの話です。

そこらにある電源を持ってきて(電圧源でも電流源でもいいです)、
電圧計で電圧をモニタしながら調整ツマミを回せば電圧源。
電流計で電流をモニタしながら調整ツマミを回せば電流源。

製品レベルの電源は、これを自動で行うよう設計されているだけです。
設定した電圧/電流を維持するようフィードバック制御しているのです。

電源の内部抵抗の説明は更に誤解を招くものですので、注意が必要です。


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