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小論文これをやったらダメでしょ 落とされるには理由があります 小論文 よくある50のまちがい

小論文これをやったらダメでしょ
落とされるには理由があります 小論文 よくある50のまちがい


☆その1 ○設問の条件を満たしていない


数学で条件が与えられているときに、条件を無視した解答では点がもらえません。
それと同様、小論文でも条件を無視した答案は論外です。
「〜を述べた上で、あなたの考えを述べよ」と言われたら、そのようにしましょう。

☆その2 ○問いに答えない


聞かれていることに答えるのが小論文です。
「本文を要約せよ」と言われたら、本文を要約します。
自分の意見を述べてはいけません。
「〜についてあなたの考えを述べよ」と言われたら、「〜について、私は〜であると考える」とのべるべきです。
なにを書いているのかわからない答案では、どんなに立派なことを述べても不合格です。

☆その3 ○指定文字数に従わない


小論文には指定文字数があることがほとんどです。
「800文字以内で」と言われたら、800文字を1文字でも超えてはいけません。
最後のマスに文末の文字といっしょに句読点を書くのも不合格です。
指定文字数の95%以上できるだけ指定字数ぎりぎりを目指しましょう。
「8割以上で良い」
「9割以上が良い」
などというのは、昔の基準です。

☆その4 ○敬体と常体の混合


小論文では敬体(です・ます調)と常体(だ・である調)を混ぜてはいけません。
これを混ぜて書くのは、高等技術です。
下手に混ぜると、小学生並みの国語力とみなされます。
「だ・である」で述べていて、いきなり「です・ます」で弱気になるのはもってのほかです。
小論文はもちろん、作文でも常体で書くのが無難です。

☆その5 ○「僕」「あたし」「自分」の使用


小論文では自分のことは「私」と呼ぶのが原則です。
「僕」「自分」は避けましょう。
「ボク」「俺」「俺様」「朕」「あたい」「あちき」「うち」「拙者」「あっし」は論外です。
自分の考えを筋道立てて述べるのが小論文なのですから、「私は」「私は」という「私」の安売りも避けましょう。
小論文では「私」はここで自分をアピール! というときに使うのがいいでしょう。

☆その6 ○長すぎる文


述語(結び)を早めに述べない答案は、読んでいる採点者をいらいらさせます。
述語が最後にくる日本語の特徴からしても、短い文を心掛けることが読み手への配慮となります。
接続助詞が二つ以上あるような長すぎる文は避けましょう。
小論文では一文が60字を越すときは要注意です。
長い文章では、主語・述語の関係もあいまいになりがちです。
小論文では短く、簡潔な文章を心掛けましょう。
「長すぎる文」は自分の考えが整理されていない証拠だと自覚しましょう。

☆その7 ○読点「、」がない


「、」がないと読み手に「息継ぎ」をさせないことになります。
これでは読んでいて窒息してしまいます。
小論文で採点者を窒息させてはいけないよね。
長い主部のあとや、接続助詞のあとには読点を打つというような、読点を打つべき一応の基準はありますが、自分が普段文章を読むときに注意していれば身につくものです。

☆その8 ○問いを立てて答えない


「ではないか」
「なぜ~か」
といった「問い」を立てたのならば、それにしっかりと「答える」ことが小論文では大切です。
そしてその筋道、「根拠」を示すのが「論理」というものです。
小論文では疑問の終助詞「か」の連続した文はよほどのことがない限り「何も考えていない答案」と見なされます。

☆その9 ○思い付き、気分で書く


「……のような気がする」
「……と感じる」
「……と思われる」
これだけでは「感想文」といわれても仕方がありません。
受験生の気分につきあっている暇は採点者には、ありません。
「思う」の連発も同様に何も考えていない証拠とみなされます。
「感じたこと」から始めて、「なぜ自分はそう感じたのか」その原因を追及するという「考えたこと」まで述べて、はじめて小論文と言えます。

☆その10 ○根拠を述べない


小論文で自分の意見を述べるのはよいのですが、その根拠・理由・そう述べるに到った原因を述べてこそ、論理的な文章となります。
根拠なく言い放った意見は読んでいて確実に採点者を不快にさせます。

☆その11 ○根拠もなしに決めつける


「……であるに決まっている」
「……であるはずがない」
「……必ず~なるにちがいない」
「……絶対~」
「……まったく~ない」
「……当然である」
「……あたりまえだ。」
これらは最悪です。
自分で勝手に決めつけています。
決まっているものや絶対なこと当然のことこそ「絶対にない」はずだ(ということを考えてみましょう)。まったく何も考えていない証拠です。

☆その12 ○「やはり」の使用


小論文ではいままでの文章の展開をこの直前でいったんうち切るため、結論を待っている採点者の期待をはぐらかした印象を与えてしまいます。
「やっぱ」「やっぱし」は論外です。
「やっぱ」は普段の会話の中にとどめておきましょう。

☆その13 ○「ともかく」「とにかく」の使用


小論文で論拠をあげる際につい使ってしまうのが、「ともかく」でしょう。
これは理屈抜きで意見を裏付けた気になってしまうので危険です。
独りよがり的な考え方とみなされてしまいます。
いままでの文章の展開をこの直前でいったんうち切るため、結論を待っている採点者の期待をはぐらかした印象を与えることにもなります。

☆その14 ○安易な一般化


小論文では自分の経験を他人の経験と同一視するのは危険です。
とくに教育問題(いじめの問題が典型)では自分の体験を安易に一般化しがちですが、これは危険です。
自分の体験は自分だけの特殊なものだと肝に銘じておきましょう。
安易に自分と他人を一緒にしないようにしましょう。
自分の経験と読み手の経験は「絶対にちがう」のです。
「……であるのは私だけではないはずだ。」と、そう考えるのは自分だけだと心得ましょう。

☆その15 ○口語的表現の使用


×っていうか→○というよりは、むしろ
×やっぱ→○やはり
×とか→○など・等
×けれど→○けれども・だが・しかし
×でも→○だが・けれども・しかし
×なんか→○など・等・なぜ
×こんな→○このような
×なので→○したがって・だから・ゆえに
×なんで→○なぜ・どうして
小論文では普段使っているコトバは書きコトバとは違うということをしっかりと認識しておくことが大切です。

☆その16 ○あいまいな接続助詞「が」の使用


「が」は順接と逆接の両方で使えます。
「が」でつながれた二つの内容が順接なのか逆接なのかの判断を読み手に委ねることになってしまいます。
小論文では自分の文章でこの「が」が出てきたら、自分の思考が整理されていない証拠だと心得ましょう。

☆その17 ○あいまいな「、」による接続


なによりも自分の思考が整理されていない証拠です。
だらだらと一文が長く続いてしまう元凶にもなります。
小論文ではいい加減に思いつくままに文章を書いても、説得性も論理性も何もない文章が生まれるだけです。
なぜここで「、」を打つのかにまで気を配ってこそ、読み手に配慮した、考え抜かれた答案となるでしょう。

☆その18 ○指示内容が不明瞭な指示語の使用


なにを指しているのかが明確でない指示語(「こそあど言葉」)は使わないようにしましょう。
また小論文では主張の際に指示語を使うのも避けたほうが無難です。
たとえば「これこそ現代社会に必要なことである。」とあると、採点者は「どれ?」と探すことになってしまいます。

☆その19 ○接続関係が不明瞭な接続詞の使用


接続関係をはっきりさせるために接続詞は使います。
とくに「て」と「そして」の使用には気を配りましょう。
小論文では曖昧な接続の「そして」は不要でしょう。

☆その20 ○「しかし」「だが」の連発


逆接が2つ以上あると、結局なんなのかがわからなくなります。
小論文ではそもそも逆接を2つ以上使ってしまっていること自体、自分の頭の中が整理されていないと考えるべきです。

☆その21 ○比喩の連発


比喩表現は世代や趣味などが共通しているときにうまくはまる表現技法です。
世代が異なる採点者には通じないと思っておいたほうがいいでしょう。
小論文ではそもそもうまく伝える必要はありません。
確実に伝えることが重要です。

☆その22 ○助詞の重複


「……が……が……」
「……を……を……する」
上のような助詞の重複は、自分が答案を読み直していない証拠となります。
そもそも提出前に自分の答案を読み直せば防げるミスです。

☆その23 ○「体言止め」の使用


「……である社会。」
「……してきた人間。」
名詞で文を終え、余韻を残す表現技法である体言止めです。
小論文では必要ありません。
述語を省略するのはやめましょう。

☆その24 ○「だから。」で一文を終える

「……なのだから。」は「というのは(なぜなら)……なのだからだ。」と略さずしっかりと書きましょう。

☆その25 ○記号の使用


小論文では「……」「――」「?」「!」などの使用は原則として避けましょう。

☆その26 ○推量・仮定から主張を導く


小論文では憶測でものを言わないことが大切です。
憶測だけが述べられていても説得性に欠けることになります。

☆その27 ○無責任な意見


小論文では自分が書いた内容には責任を持ちましょう。
小論文で問われている「適性」の中には「責任感」も含まれています。

☆その28 ○言い訳・弁解


「私には、そんなことを言う資格はないが……」
「よくわからないが、……」
「そんなことをこれまで一度も考えたことがないが……」などと書くべきではありません。
小論文では採点者は読んでいて頭にきています。
そんなことはわかっていて出題しているのです。

☆その29 ○感情論


小論文では怒ったり、嘆いたりせずに、冷静に背景などを論じましょう。

☆その30 ○抽象的な知識のひけらかし


小論文では抽象的なことを書いた後は、必ず具体的に説明しましょう。
知ったかぶりは一番いけません。
「周知のように……」
「あまり著名ではないが……の説では……」
こういうのを「『虎の威を借る狐』文」といいます。

☆その31 ○過激なことを書く、極論を力んで主張する


「世界全体が一つになって……すべきだ。」
「われわれ全体で……なければならない。」
それはムリと言うものです。
あたまがわるい証拠です。

☆その32 ○決めつけ


「絶対に……」
「必ず……」
世の中に絶対といえるものは絶対にありません。
ということを考えてみましょう。

☆その33 ○大げさ・極論


小論文では分かり切ったことを大げさに書くのは避けましょう。
ただし、だれにとっても大切なことがないわけではありません。
それを考えましょう。

☆その34 ○開き直り


小論文では「しょせん問題の解決は困難であるが、……」というように開き直ったままではいけません。
無理なのはわかっていても、それでも・・・・・・というように積極性を示すべきです。

☆その35 ○主語がない、人任せ


「教育していく必要がある。」
「社会全体が認識する必要がある。」
一体誰が教育するのでしょうか?
社会全体はそのことを認識できるのでしょうか?
一見、立派なことを述べているようですが、あたまのわるさが表れています。

☆その36 ○問題を社会のせいにする


だったら自分が政治家にでもなって社会を変えてみよといわれます。
その社会に問題が山積みなのです。

☆その37 ○問題を教育のせいにする


その教育が今問題になっています。

☆その38 ○問題を親や大人のせいにする


人のせいにしないで自分がどうするのかを述べましょう。

☆その39 ○問題を道徳のせいにする


思いやりを人に押し付ける。
だったら宗教の教祖にでもなればいいでしょう。
大学の教授には通じません。

☆その40 ○きれいごとに逃げる


自分だけよい子になる、きれいごとを述べる。
「私だけでも……していきたい。」
いわゆる優等生的な発言です。
小論文では「私は・・・・・・していきたい。」と述べましょう。

☆その41 ○説教調にする


読み手がだれかを考えて書けば、説教などしないはずです。

☆その42 ○本論とは関係ない余計なことを書く


「……のような問題もあるが、……」
800字程度の文章です。
小論文では余計なことを書いている余裕はないはずです。

☆その43 ○最後に努力目標を加える


努力は精神論です。
小論文では志や決意を最後に表明するのはありです。

☆その44 ○抽象的なことばかり書く


「努力が必要である。」
「優しさが必要である。」
「世界では人類が……」
抽象的なことばかり書いても伝わりません。
小論文では具体的なことをたった一つ書くだけで答案の印象が変わます。

☆その45 ○段落を設けない


意見を述べるときにはたった一つでも段落を設けるのが基本です。
小論文では冒頭の人マスを空けましょう。

☆その46 ○原稿用紙の使い方を無視


小論文の練習不足が表れています。

☆その47 ○後から付け足す


「{」や「〈」など「ふきだし」で付け足す。
時間がないのは仕方がないにしても、確実に読み手を不快にさせます。

☆その48 ○勝手に原稿マスを増やす


論外です。
自己中以外のなにものでもありません。

☆その49 ○欄外に言い訳を書く


「字が汚くてスミマセン」「最後がうまくまとまりませんでした」
言い訳は要りません。

☆その50 ○読みにくい文字


「る」と「ろ」がほとんど同じ、「。」が「、」や「6」に見えるなど、これも論外です。


もちろん、漢字のミスは論外です。


いかがでしたか。
何万枚も答案を添削してきて、ほんとうによくあるまちがいを紹介しました。

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