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004 イライラするほど世話好きなPavelくん その1
2022年前半。ロシアとウクライナが大変なことになった。年末になっても止むことはなさそうだ。地方に住む貧しい若者を徴兵して戦地に送るという話も伝わってくる。ボクが出会った彼らはどうしてるんだろう。
人には積極的に話しかける方ではない。ましてやロシア語はほとんど学ばずに出発した。「こんにちは」「さようなら」以外は英語で話すボクでも、何人かが声をかけてくれて友達になれた。
中でも印象的だったのは世話好きなPavelくんである。モスクワまでの道中、ほぼ中間地点のノボシビルスクに住む彼は、手前のイルクーツクの宿で一緒だった男性に紹介された。「ノボシビルスクに行くなら彼のところに行けばいい。すごく親切だ。」
日本に一時帰国の予定が決まっていたので、フライトするには位置的にベストな町だった。1ヶ月で中間地点にたどり着いていれば上出来。安心して帰国できる。楽器を積んだ車も預けなければならない。路上駐車はしたくない。これは頼りになる。ぜひ行ってみよう。それが彼との出会いだった。
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立派な駅舎のわりに駅前は殺風景。
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勤務先まで来るようにとの指示で住所地まで行ったが無い!近くを探しても無い!またか。
旅の出発地、ウラジオストクを出て最初の宿がそうだった。出発が遅くなったため、次の街、ハバロフスクには着けそうになかった。やむなく途中の何もない街で一件だけあった宿を予約した。なんか悪い予感。
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暗くなり始めた夕方に目的地にたどり着いたら空き地。意を決して電話をしたが案の定言葉は通じない。全く、、、キャンセルの言葉が通じたかどうかはわからないが、前金は返金されて一安心。
結局Googleマップで見つけた唯一のモーテルに飛び込みで宿泊できた。Google翻訳で「一晩泊めてください。」指一本出して。モーテルだから、なんとなくわかってくれるよね。
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それ以来、予約した宿にたどり着くまでいつもドキドキしていた。ろくに看板もない宿があったり、微妙に場所がずれていたり。ちなみにロシア以外ではこんな目にあったことはない。「This is Russia!」彼らはことあるごとに、うれしそうな顔をして叫ぶ。そう。この国は他とはちょっと違う。
地図に印をつけたメールを送ってくれて、やっと彼に会うことができた。場所は1kmぐらいはズレていた。兄弟が経営している小さな釣具店で店番をしている。そこで閉店までコーヒーをいただきながら待つことになった。
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彼はカウチサーフィンというホームステイのマッチングアプリで人を泊めて世話をするのが大好きだった。いつしか自分自身が旅をして泊まり歩くのが夢らしい。その夢は後に私を道連れに叶うことになる。
続く、、、
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右の彼は翌年(2020年)には徴兵で軍に行くって言ってた。
軍服が似合いそう。
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