「整理整頓魔」の地獄

 イーズカは整理整頓魔である。企画書制作を仕事にしていたので、書き始めると資料との戦いになる。整理しておかないと、資料を探すだけで2~3時間が平気で経ってしまう。
 ネット上の必要なページはすべてフォルダーに入れて、即座に検索できるようにしてある。コチラはパソコン上での作業で完結するので便利である。
 しかし、どうしてもプリントアウトしたいモノもある。それらはすべて単体でクリアファイルに入れて保管している。
 雑データとしか言いようのないモノは、このパターンで整理するのがラクである。
 ただ、直近に必要なモノと、その内に必要となるモノが混在しているので、とても記憶しきれない。
 昨夜23時過ぎに目覚めたので、そのクリアファイルから引っ張り出して、一冊のフォルダに再整理した。これだけで3時間かかった。結構な肉体労働でもある。
 この作業があるので、部屋には必ず「何も置かない」大テーブルを持っている。この広いスペースが無いと作業がはかどらない。コーヒーや日本茶を入れたり、料理の下調理にも使うので、水滴が残っていると紙が濡れる。
 これがキライなので、作業の前に全面を拭き取る。
 この作業をしていると、色々なモノが見つかる。しかし3時間もやったのに、レンタルバイクの料金表が見つからない。ネットのホームページを見れば分かるのだが、釈然としない。
 「ある筈のモノが無い」という不快感に襲われる。
 むかし母が健在だった頃、東京から電話して母に資料を探してもらい東京に送ってもらっていた。
 まず「電話の子機を持って、2階の部屋に上がってくれ。作り付けのキャビネットの右から3番目の扉を開けてくれ。左から5~6番目くらいに緑色のファイルブックがあるはずだ。それを東京に送ってくれ。」などとリモート・コントロールをやっていた。
 母は、掃除と整理整頓が苦手である。「ホントに面倒くさい」と文句を言いながら、2階に上がってくれる。
 そして指示した場所に、大体は言った通りのモノがある。
 「ホントに、オマエには呆れ返る」と言いながら資料を送ってくれる。
 置く場所のルールを決めているので、可能な芸当である。
 しかし、こんなことをしているので、整理しすぎて逆に見つからないモノも出てくる。
 前にも書いたが、自転車のタイヤの空気注入孔に「ムシ」と呼ばれる小さなゴムチューブがある。それを探していた。ゼッタイに仕舞ってあるはずだが見つからない。
 一週間ほど探して疲れ果てた。何かのルールで整理したはずなのに、そのルールが思い出せない。
 が、思いがけない所で見つかった。なんとコンドームの隣に転がっていた。
 自分でも爆笑してしまった。「ゴム製のチューブ状のモノ」という括りで整理したらしい。
 自分自身の几帳面さに、呆れ果てた。
 ここまで来ると、喜劇を通り越して「マンガ」である。整理整頓はやればやるほど、複雑で厳密になっていく。
 もう少し「あいまい検索」に移行しないと、モノを書く前に、資料整理と資料探しで疲れ果ててしまう。


 こんな事のためにカラダを鍛えている訳ではない。遊ぶために鍛えているのだ。

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