「もの忘れ」ということ

 スーパーに買い物に行った。レジ袋が溜まるのはイヤなので買い物袋を持って行く。そこで薬味のための細ネギを買って忘れてきた。
 ひとつだけ細長くて弱い商品なので、最後に入れようと袋の向こう側に転がしていた。そのあと総菜屋でコロッケを買う予定だったので、袋にちょうど入る事に喜んで、ネギなど置き忘れて帰って来た。

 家で冷蔵庫に入れようとして、「無い」ことに気が付いた。慌ててレシートを持ってスーパーに戻り、「ネギの忘れ物は届いていませんか?」と尋ねると、「はい届いています」と即座に別のネギを取りに行って渡してくれた。一応レシートを見せながらお礼を言った。

 最近この手の事が増えてきた気がする。コンビニのレジのセルフレジ化が進み、コチラの操作が多くなった。釣銭を受け取るのに集中して、商品を置き去りにしたりする。よくある出来事らしく店員が声を掛けてくれるから良いが、まあ恥ずかしい。

 カラダは異常に鍛えているが、アタマはほとんど鍛えていない。「小説を書く」などという浮世離れしたことには使っているが、「買ったモノを忘れない」という単純記憶が弱っている。
 元々が「興味の無いことは、存在しないも同じ」という思考パターンなので、ドーデもイイことは覚える努力すらしない。

 こんな風に痴呆というのは進むのだろうか?

 もうこうなったら、悪女に惚れ込んで恋の駆け引きに明け暮れないと、痴呆化が止められない。


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