アイララとワタシ
イーズカとアイララの出会いは20年ほど前にさかのぼる。20代の頃世話になった会社の社長から電話が入った。
「いま新宿のディスコにいるから、オマエも来い」との内容だった。
「新宿にディスコ? 今どき、そんなモノあったかなあ」と行ったのがアイララであった。
当時のアイララは現在のように、ベリーダンス・ショーを展開はしていなかった。まあブラジル人などの外人の多い、ダンス・バーという雰囲気だった。
音響は格別に良く、どうしたらこんな重厚な音をリズミカルに出せるのか、と圧倒された。
踊るのは好きなのですぐにハマった。
色々な人間との出会いがあった。NYに住むベリーダンサーの「ハリケーン・ヨーコ」とも出会ってしまった。ホントに「嵐のようなオンナ」である。
しかし特筆すべき2名がいる。現在は作家の「モクレン」と、現在はアイララのママとなった「みどりちゃん」である。
この二人が曜日替わりで店に出ている時期には毎日のように来ていた。
イーズカが大学の准教授となり、経済的に安定していたこともある。
この二人は対照的で、モクレンはカワイイが、インテリにありがちなイジワルさがある。大学教授の娘だけあって「歪んだ知性」のオンナである。
みどりちゃんは、とにかく美しい。アメリカにも留学していただけあって、ダンサーとして肉体を鍛えまくっている。このフィジカルな感じがイーズカとも共通する。
印象的だったのは、携帯の番号を尋ねたら「何で? 」と理由を聞かれてしまった。確かに携帯に電話する用件などなく、ほぼ毎晩来ていたので電話する必要も無い。
挨拶代わりに聞いたら、明確に拒絶された感じであった。そんな所が、みどりちゃんのオモシロいところである。
その後、大学を追われ58歳にして職を失った。まあ八方塞がりで出口が無かった。
カネも無いので、アイララにも来なくなった。しかし最も大きいのは、「ヤル気が無いので、派手で楽しい場所に行きたくなかった」のである。
約3年ほど不貞寝していて、一昨年くらいに復活した。それで「アイララは今、どんな具合か? 」と恐る恐る覗きに行った。
見つからないようにひっそりと行ったのだが、偶然にも店外に出て来たみどりちゃんに見つかってしまった。
偵察のつもりが、再登場の初日になった。イーズカは本人はひっそりのつもりでもメチャクチャに目立つ。身長など173センチしか無いが、態度がデカいので大きく見える、らしい。
それからは多少の波はありながら現在に続いている。
「アイララ50周年」は不貞寝していた時期だったので、観ていない。昨年の51周年から観ている。そして今年は52周年。
去年も今年も素晴らしいステージだった。東京でも、ここまでのクォリティの舞台はほとんど無い。
イーズカも37年間もエアロビクスを続けているので、あちこちで踊っているが、やはりアイララは「特別な空間」である。
踊り子たちにも愛され、それを追うカメラマンたちからも愛されている。
何よりも「客との関係」がスゴイ。名うての遊び人が勢揃いしている。こんなウルサイ客を飽きさせないのだから、その魅力は折り紙付きである。
昨夜のステージも素晴らしかった。そのみさんに感謝である。トリちゃん、メイコちゃん、シホちゃん、DJのチャッピー、マサキ、森田潤、そして76歳の現役DJのKUME氏にも拍手を送りたい。
死ぬまでアイララで踊り続ける覚悟です。はい。
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