懲りない国・ニッポン


 国会や政権の状況を見ていると、「懲りない」という言葉しか出てこない。日本は本当に愚かで醜い国である。

 現在あるシステムは実は第二次大戦時に出来ている。所得税の源泉徴収など、戦費調達のために作られた税制である。高度経済成長の原動力と言われる傾斜生産方式という特定業種のみに資金を注入する経済政策も、戦時中の武器・戦闘機器を最優先に作るために考え出されたモノだ。

 これは当時の通産官僚たちが考えた「強い者だけが生き残り、弱い者には死んでもらおう」という、ナチスの優性保護政策にも通じる選民思想に基づいている。

 前にも書いたが第二次世界大戦は中国に負けた戦争である。あの広大な大陸の国に侵攻などすれば、消耗戦を強いられるのは目に見えていた。
 陸軍のバカどもが「満州を植民地として確保すれば、国内の貧民を食わせられる」と考えたのだが浅はかであった。滅亡寸前の清王朝を脅しすかして、国民党と共産党の内戦も利用したが、所詮は中国大陸を経営する能力などニッポンには無い。

 相手は3千年の歴史において、つねに殺し合いを通じて国家運営をしてきた弱肉強食のツワモノである。「大日本帝国」を名乗ったのも、小さな島国という劣等感の裏返しに過ぎない。スケールも歴史も人材力も圧倒的に劣っていた。

 そんなところに踏み出せば、延々と奥地に引きずり込まれる。その結果、国力は衰退し、竹やりで戦う以外に方法も資金も無くなってしまう。
 日本軍兵士のほとんどは病死と餓死で無駄死にさせられている。軍部の上層部は民間人を見捨てて内地に戻り、戦犯パージが解除されると、平然と国内の要職に復帰している。

 日本国民は、それを黙認して許した。大敗戦を「終戦」と言い換え、天皇の戦争責任も曖昧にした。「一億総ざんげ」という論理ゼロの言葉で、誰ひとり責任など取らなかった。戦犯追及の証拠となる文書は、8月15日の前にすべて焼き尽くした。
 それが現在のヘイト右翼(もどき)の、南京虐殺は無かったとか、731石井部隊は中国の医療に貢献したなどという荒唐無稽な論旨の背景となっている。

 いまの公文書改ざんや、「サクラを見る会」の招待者名簿の廃棄処分など、敗戦直前の軍隊官僚の自己保身の見苦しい行為の焼き直しである。

 戦時中の官僚組織は軍の暴走を止めるどころか、そこに取り入って甘い汁を吸おうとした。国民には困窮を強いながら、上級国民として特権階級を形成した。

 こんな戦前・戦中のロクでもないシステムと人間が、そのまま戦後に移植されている。

 なんの反省も改革も行わなかったので当然の帰結であった。大失敗をしておきながら、なんのオトシマエもつけていない。

 安倍内閣は、あの東条内閣よりヒドイ。全員が私利私欲のみを追求し、それらが白日の下に晒されても、平然と居直っている。顔つきも、発言も、振る舞いも、すべてが下品である。

 「バカに権力を持たせると、どうなるか」を70年前に思い知ったはずである。
 2020年は1945年から75年後にあたる。本気でオトシマエをつけないと、火事場ドロボーをさらに肥え太らせることになる。

 安倍晋三など、終身禁固刑にして「漢字書き取り30年の刑」を課すべきである。

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