「住居確保給付金」と、日本の福祉政策の問題点


 FBで「住居確保給付金」の話題がでていたので区役所に電話してみた。まず、代表電話では交換手(派遣社員)がどの部署に繋ぐかの話を聞く。上記の給付金の窓口に繋いでほしいと言うと、「暮らしナントカ係」に繋がった。

 まず制度の内容を質問し、イーズカなりにキビシイ事情も説明した。
 「そうですと、上記の給付金の対象にはなりません。あるとすれば社会福祉協議会で融資が受けられるかどうか程度です。」
 「制度の説明は良く分かった。ただ、わたしは現在は住居があるので失っている訳ではない。となると社協の融資しか無いことになりますか?」
 「そうです。」
 「いま国会でも議論になっているコロナ対策事業の緊急施策とは関係ない制度なのか?」
 「そうだと思います。」
 「よ~く分かった。しかし今、昨年10月の増税以来ずっと大不況に陥っていることは理解しているのか?」
 「それなりに。」
あまりに態度がデカく、上から目線のオンナだったので腹が立った。
 「オマエさんの話は、わたしが電話する前から知っていることばかりだ。日本の福祉政策は、この緊急事態に何の対応もしていない、ことが分かっただけだ。
 オマエは何のためにその椅子に座っている? 相談を拒絶するための盾の会か? オマエさんが担っている施策は現実には何の役にも立たない。その仕事は無意味だ。オマエの存在自体が、税金の無駄遣いだ。」
と、滾々と説教した。「困っている普通の人間を助けるから、福祉施策として意味がある。何とか乗り切って立ち上がる可能性がある。生活保護に陥った人間の給付など、死ぬまで払い続けるしかない。そこまで行ったら、もう自立は、ほぼ不可能だ。そんなバカげた基準を設定しているから、生活保護資金が3兆円を超えたのだ。もう、この金額は二度と減ることはない。日本国家が破綻するまで、払い続けるしかない金額だ。それが分かったうえで、そんなエラそうな説明をしているのか?
 オマエは税金ドロボーだ。」

と延々と説明しながら罵った。さすがに反論もできないし、そんなことを自分のアタマで考えたことも無いので、焦り出した。
 「はい、そうかもしれません。」を繰り返し、何回か電話を保留にして周囲に相談していた。

 「お問い合わせに対応できる窓口に繋ぎます。」と電話を切り替えた。
 出て来た部署は「生活保護担当」だった。

 その男性職員は低姿勢で丁寧に対応してくれた。だがイーズカの方から話を切り上げた。
 「わたしはアナタの部署の対象区民ではありません。では国会の論議が決着し、新年度予算が執行されない限り緊急対応策は実現しないのですね。」
 「はい、その通りです。」と苦笑いしていた。
 「よ~く分かりました。アナタに電話を押し付けたあのオンナには腹が立つが、アナタのお話には、十分に納得がいきました。」と互いに笑いながら電話を切った。

 イーズカは10年ほど前に「家賃補助制度」を利用したことがある。その当時、ビンボーだったこともあり、区内の福祉施策は全て利用してみた。まだ財政に余裕があったようで、それなりに使い勝手は良かった。
 ただ、その隣が「生活保護」担当だった。まあ次から次から、トンデモナイ奴がやってくる。毎月カネを貰っているのに、説教強盗のような連中だった。彼らが「不正受給」かどうかは分からないが、「人間のクズ」のような奴らばかりだった。中には「保護しなかったら、死ぬしかないな」と思える人もいたが、9割方は「死んでしまえ」と言いたくなるようなクズだった。

 それを見ているので、「保護舐めんなよ」とローマ字で書いた役所職員の気持ちも分かる。

 しかし、彼らはマジメに仕事をしているつもりだろうが、生活保護に落ちた人間など、ほぼ救いようがないのである。
 その前の予防措置段階でカネを使わないと、カネをドブに捨てることになる。

 特に現在は消費増税ショックにコロナ・ショックが加わった非常事態である。
 普段なら普通に暮らせる人々が転落寸前まで追い詰められている。
 これを未然に防がないと、東京中にホームレスが溢れるだろう。かれらはコロナ・ウィルスの良い寝床になってしまう。

 役人など、想像力が貧困なので、そんな危機的状況に思いがおよばない。
 予防措置なら10万円で済むものが、破綻後では1000万円掛かるのだ。そんなモノを背負ったら、ただでさえヤバい日本国は奈落の底に沈むだろう。

 その時は、役人など全員クビだ。

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