エンジニアによるSlaw RX Viper V2 ラダーペダル バトルロイヤル Crosswind, ACE, TPR, T-Rudderとの比較

(本レビューは、Jay氏(CMDR名Aurelius氏)が自身のサイト、Jay the Skeptical Enginnerにて以下のアドレスにて公開していたレビューの日本語訳である。
https://jaytheskepticalengineer.com/fathering-and-hobbies/flight-simming/flight-sim-gear-reviews/an-engineers-look-at-high-end-flight-sim-pedals-and-the-slaw-rx-viper-version-2s/
現在は別のサイトでレビューをまとめて掲載するため、上記リンクからは閲覧できない。画像については転載していないため、一部文章は内容がつながらない箇所がある)

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(わーぉ、なんてタイトル...)

(このレビューは2020年10月1日に公開し、正確さのため4回の小修整をしている)

本稿ではSlaw Device RX Viper Version 2(以降、RXV2と記載)のレビューを行う。これらは全て仮想の航空機や宇宙船のヨー(ラダー)(Z)軸を制御するためのフライトシム用ペダルで、3つの軸について動作を行うものである。Slaw Deviceのホームページは以下:

https://slawdevice.com/en/3-products

Viperについて詳細に記述するだけではなく、同様に市場に出回っている他の主要なハイエンドフライトシム用ペダルについても本バトルロイヤルの対象とするつもりだ。つまりMFG Crosswind(以降CWと記載)、Virpil ACE Collectionシリーズ(同ACE)、Thrustmaster のPendular Rudder(同TPR)そしてVKBのT-Rudder Mark IV(同MK4)である。


はじめに

初めて私がフライトシムを始めたとき、ラダーペダルにさらに130ドル以上を費やすべきかどうか迷ったこともあり、私は古き良きSaitek X-52 HOTASを購入した。X-52ジョイスティックを使えば、グリップをひねることでヨー(Z)軸を制御することができるので、ラダーペダルは不要ともいえる。

最初の数か月、X-52は私にとって満足いく性能を発揮したが、同時に重要な問題を提起した。そもそもフライトシムのプレイヤーがラダーペダルを購入したいと思うのはなぜなのか?


ケーブルとポテンシャルメーター

もちろん、フライトシム愛好家のほとんどが、現実世界の飛行機で使われているペダルを模倣するため、と言うだろう。愛好家たちは自分の家の中でその体験を再現したいと考えている。しかし、模倣を第一義に考えるべきなのだろうか?ラダーペダルを購入する前に調べるべき、もっと慎重な側面はないのだろうか?この疑問には後でまた回帰するが、より良く理解するために、これまでこの世界で一体なにがあったのかを手短に見ていく必要がある。

初期のフライトシムには、ジョイスティックのための用意さえなかったし、ラダーペダルももちろんなかった。ラダーペダルの代わりはしばしば"0"と"Enter"キーであった。

次第にフライトシムが進化し、さまざまな入力デバイスを認識できるようになると、趣味人は自作のペダルを作るようになる。1990年代にはケーブルや安価なポテンショメーター(ポット)、さらには安価なスプリングを使用して、独自のラダーペダルを作成した。これらはかなりシンプルなものだった。

この分野の関心の高まりをうけて、いくつかの企業が家庭向けのラダーペダルを発売し始めた。Thrustmasterは大量生産品としては初のラダーペダルであるRudder Control System(RCS)をリリースした。

CH Productsもその後に続き、USB接続で堅実に機能するラダーペダルを大量生産した。

その後まもなく、Simpedはこの分野初の「ブティック(専門店な)」ラダーペダルをリリースした。

そこからさらに数年後、Saitekはホームファン向けに信頼性の高いラダーペダルのシリーズのリリースを開始した。

CH Pro PedalsとSaitel Pro Flightモデルは数十年にわたって市場の大半を独占していたが、これは平均的な精度と大量のプラスチックを使ったエントリーレベル(130ドルから200ドル)の製品として大量に生産されていた。時がたつにつれ、ポケットにお金を持つ愛好家たちは、より忠実、より調整可能で、より剛性感の高い製品を切望し始めた。


東欧からの勢力

そこに登場したのが、ベラルーシの機械エンジニアで、現在はポーランドのSimilowoに住むWiaczeslaw Oziablo(通称"Slaw"、以降WOと記載する)である。彼は2009年のころ、市場にあるペダルの選択肢の少なさに不満を持った結果、分解されたSaitekのジョイスティックを利用し、主にスチールを材料として使用したラダーペダルを製作することにした。これは友人や他のフライトシム愛好家の興味を呼び、WOは金属製を特徴とし、非接触センサでアップグレードした彼自身のハイエンドペダルであるSlawラダーペダルを販売し始めた。最初の製品の一つは、第二次大戦時ドイツのBf-109スタイル(ヒールイン)のフットプレートを特徴とするペダルセットだった。

そして、2016年にはRX Viper Version 1ラダーペダルが開発され、2018年には最新モデルであるRX Viper Version 2が開発された。

ところで、過去10年の間にハイエンド市場に参入したイノベーターたちはWiaczeslawだけではない。MFG CrosswindはMilian Simundza(クロアチア)が、VirpilではBRDシリーズをRoman Dorokhov(通称"Baur"または"BRD"、こちらもベラルーシ人)が設計し、より経験豊富なフライトシム・スペースシムプレイヤーを誘惑する見目麗しいデザインの商品を発表している。

結果、この市場は10年前よりに比べはるかに賑やかな顔ぶれになった。ローエンド帯では、CH Pro Pedals(130ドル)、より最近ではThrustmaster TFRP(90ドル)から選択でき、さらにこれらの上にはハイエンド帯としてMFG Crosswinds(332ドル)、Virpil ACEシリーズ(3モデルあり、最上位のCollectionでは411ドル)、Thrustmaster TPR(570ドル)、VKB T-Rudder Mark.IV(220ドル)がある。RXV2の価格は現在のところ607ドル(RXV2は511ドルだが、アメリカに出荷するのにさらに96ドルがかかる)で、シリアスな愛好家たちを対象としているため、このレビューでは主にハイエンド帯の製品と比較することとする。

(余談だが、このレビューにおける価格のリストアップはCOVID-19の大流行前に行ったものなので、現在は製造やサプライチェーンの制約によって価格が大幅に上昇している場合がある。この状況が正常に戻れば、価格も正常に戻るのではないかと私は思っている。)

この競争の激しい市場で、Slaw RX Viper Version 2はどのように比較されうるものなのだろうか?これ以上無駄口はたたかず、確認してみよう。


梱包

最初に注文をした時には、完成したアメリカに届くまで最大9週間かかるといわれた。注文から2週間後、Wiaczeslawから発送完了の連絡があり、カリフォルニアで受け取るまでは注文から合計22日かかった。地球の裏側から届いたほとんどオーダーメイドな商品にしては、届くまでにかかった時間は素晴らしく速いと思う。

RXV2は発泡スチロールで保護された8.6kg(19ポンド)の箱に入っていた。

梱包は安心してコンクリートの階段に投げ捨てることができるほど安心感があるものではないが、不慮の落下や、FedEX/DHSの配達員がひどい目にあったとしても大丈夫といえるものであった。梱包に不満はない。


書類

RXV2のパッケージには紙の説明書は付属していなかったが、WOはペダルを組み立てを解説するビデオのリンクをメールで送付してくれた。ダンパーを取り付けるためのリングや微調整のための部品も付属している。普通なら、最低限の基本的な文章がないということで減点する私だが、この時、Wiaczeslawはワンマンオペレーションだったので仕方がないとおもう。組み立てのビデオは十分すぎるくらいで、今はウェブサイトもオープンしたのでそこにもアップロードされるだろう。


外観

フライトシム向け周辺機器の外観について、よくエンジニアリングされていて機能性が高い限り、あまり触れないことにしている。私は、最近多くのハードウェアメーカーがパソコン周辺機器に搭載しているRGBの点滅ライトのファンではない。私にとって、点滅するライトが必要だった最後の機会はおもちゃのロボットで、それは私が4歳のときの話だ。結局のところ、私にとって究極の興味は「厳しい戦闘において、その機器はどの程度機能するのか」ということだ。とはいえ、RXV2は特筆に値する。以下の写真は、多くの人が美しいと思う車の例である。


そして次の写真は、ダンパーを取り付けた以前のSlaw RX Viper Version 1の写真だ。


このペダルもランボルギーニ製だと信じても、仕方がないことだろう。レーザーカットされたフットプレートから研磨されたベアリングまで、RXV2はスタイルと洗練さを兼ね備えている。WOは誰も見ないようなペダルプレートの裏側までレーザーカットを施している。

旧バージョンであるVersion 1の外観とスタイルについての短いビデオは以下でみることができる。

https://youtu.be/IoE3FdE8rKo

ほかのフライトシムペダルには、「まばゆさ」という点で類するものはない。RXV2は市場にある中で最高のルックスを持つペダルであり、他とは一線を画すものだ。


ハードウェア

平行四辺形構造

RXV2の基本的な設計は、カムを用いて(ユーザーの脚による)直線運動を回転運動に変換する制振水平四節リンク機構(平行四辺形)に基づいている。リンケージのアセンブリは全体が高品質のスチール製である。

カムは、カムベアリングリンクに固定されたカム荷重ベアリングに対して回転し、リンクが左下側のスプリングを引っ張る構造である。中央のゴム製のストッパーにより、4本のバーが過剰に変形することを防いでいる。

WOは、RXV2に2つの異なるカムを同梱させている。1つはセンターのないカムで、もう片方は明確なセンターがあるカムである。残念ながら、スプリングの強度は1種類しかない(予備のスプリングが付属しているが、ばね強度はまったく同じものである)。非常に弱いスプリングから、非常に強いスプリングまで3つ程度のスプリングを同梱してくれることを希望する。この問題を解決するために、私はばねの長さと線形を測定することで、米国のMcMaster-Carr社から少し弱いスプリングを注文することにした。

https://www.mcmaster.com/springs/extension-springs-with-hook-ends-7/

RXV2のメインアセンブリの設計は非常に気に入っている。4つのバーリンクというものは、設計や加工が正しく行われていない場合、4つもピボットがあることから不安定な状態に陥りやすい気まぐれな特性がある。
RXV2ではスチール、高い精度の公差、高品質のベアリング(後に詳しく説明する)が使用されているため、そのような挙動はみられない。変な音を立てることなく、完全になめらかなに動作する。

RXV2は、メインスプリングの六角ボルトを回すことで、主ヨー軸のスプリング張力やスプリングそのものの変更をすることができる。六角ボルトでまったく問題はないが、WOには将来的に小さなノブに変更してほしい。
ユーザーは2つあるスプリング取り付け箇所のうちいずれかを使うことで、より広い抵抗レンジを利用可能である。

平行四辺形のアセンブリでは、ヨー軸の中心線を基準にして、わずかにペダルが内側・外側に動くことにも留意してほしい。

ペダルの動きをよく理解するために、以下の短いビデオを参考にしてほしい。

https://youtu.be/VuRDVp5hMiM

使用しているスプリングに応じて、RXV2のベースには滑ろうとする力が発生する。これはカーペットの上で使えるペダルではないが、フローリングの上では使用できる。ベース部分が鋼鉄製で、取り付けのための穴があらかじめあけられているのは好みだが、WOは大きいラバーパッドを取り付ける必要から広いベースとしたようだ。私はまた、WOにRXV2を壁に押し付けることできるスライディングウォールマウントを追加してほしい。

全体として、RXV2は私がこれまでに使用したラダーペダルの中でもっともしっかりとしたリンケージを持っている。Mk.4についてもほとんどたわみがなく、バターのようになめらかな感触である。CWとACEは両方ともわずかにたわみを感じることがあり、得にACEに関しては、長いスイングアームリンクが長いレバーとして機能するため、非常に小さいながら知覚可能なねじれモーメントを感じる。これらについて最初はほとんどわからないが、飛行時間が長くなるにつれてだんだんとわかってくる。


ペダル

ラダーペダルは通常、2つの種類のいずれかである;足をペダルプレートに完全に乗せた状態で使用するもの("ヒールイン”。Bf109スタイルとも呼ばれる)。...またはかかとは床につけたままペダルプレートを踏むもの(”ヒールオンザフロア”。コンバットスタイルやF-16スタイルとも呼ばれる)のいずれかである。

ヒールインタイプのフルペダルプレートを使用するラダーペダルは通常、以下の2つの短所がある。

1.ペダルアセンブリは、足と下脚部の重量を支える必要があり、ベアリングにかかる負荷が増加する。
2.ヨーイング中にペダルプレートを誤って押してしまうことで、ブレーキを作動させてしまいやすくなる(ただし、これはスプリングを固いものにするか、予備荷重を大きめにしておくことで緩和することができる)。

これはヒールインタイプのラダーペダルがよくないということを意味するのではなく、単にこれらの短所を設計プロセスで考慮しなければならないということを意味する。民間機や戦闘機を実際に操縦したことのある人なら、実機のラダーペダルのほとんどはコンバットスタイルで、油圧が実際に動作する前に押し込む必要があることを知っているはずである。よって私はコンバットスタイルのラダーペダルを好み、WOがRXV2で採用していてくれて非常に嬉しい。

RXV2のペダルプレートは40°、50°、または60°のいずれかの角度で取り付けることができる。理想的にはこの範囲は30°から70°まであるとよりよかったのだが。主ヨーアッセンブリと同様に、各ペダルプレートも4バーアッセンブリのリンク機構を持つ。

ペダルプレートの抵抗力は、最大2本のスプリングに対応するノッチ付きレバーによって与えられる。

ペダルプレートごとに1つまたは2つの異なるスプリングを使用することができ、WOはラダーペダルに等級の異なる2つのスプリングを同梱している。付属のスプリングが気に入らない場合、インターネットからどのようなスプリングでも購入できるだろう。

審美的な観点から見ると、4つのバープレートによるリンクはすこしごちゃごちゃして見えてしまう。4バーのリンケージはCWのメインペダル軸のものほど洗練されてはいない。

とはいえ、RXV2は私が所有しているラダーの中で最高のペダルプレートの動作をしてくれる。その一部は様々なスプリングが使用できることによる恩恵であり、CWではできないことだ。WOがもう少しすっきりデザインしてくれれば最高なのだが、大きな問題ではない。

同様に取るに足らないことだが、RXV2もCWもACEも、主ヨー軸の動きに際して、床面からのペダルの高さは変化しない。

TPR、そして実際の航空機の多くでは、ペダルは弧を描いて回転し、地面からの高さが変化する。

実際の航空機では、コックピットのラダーペダルの弧に合わせて、その下の床面も弧を描くように調整されていることがある。TPRの場合、99.9%のユーザーは平らな床の上に置くだろう。とはいえ、このペダルの高さの変化は1cm以下であり、たいしたことではない。

フライトシミュレーターの愛好家は、ペダルを内側と外側に動かす方式(RXV2, CW, ACEなど)がよいか、それとも上下に動かす方式(TPR)がよいかについて延々と議論を続けている。実際に使用してみるとどちらのデザインでもその効果はほとんど感じられないので、あるデザインが優れている宣伝している営業部のBSに騙されないように。


実際の航空機のペダル力

実際の航空機では、航空エンジニアが一定の力の範囲で動くようラダーペダルを設計する(ペダル踏力はポンドまたはキログラムで表されることが多いが、実際にはニュートン(kg・m/sec^2)で表されるだろう。実際に意味するのはペダルまたはトープレート上のG(1Gは9.806 m/sec^2)当たりの力(F)であり、よってキログラムまたはポンドで表示される)。多くの航空機では、ペダル踏力は(わずかに指数関数的に)徐々に増加するようになっている。つまり、ペダルを限界まで踏み込むにはより多くの力が必要になるようになっている。これはRXV2のペダルとフットプレートの動作と同様だ。ペダルをディテントまで押し込むのに必要な力は、行程にわたって増加する。旧式のフライバイワイヤでない航空機では、ペダル踏力とは多くの場合ラダーを風力にたいして動かすのに必要な力であった。今日の近代的なフライバイワイヤ式の航空機(例えば、F-18など)では、ペダル踏力には操縦翼面に何が起こっているかをパイロットに体感させより正確な感触を得ることができるようになっている。このようなシミュレート力は、風力に対して舵を押したり引いたすることができる人間などいないような大型の旅客機や輸送機で使用されている。

NACA(現在のNASA)とUSNTPSは、第二次大戦前から最適なペダル踏力の研究を続けている。主ヨー軸に9kg以上、ペダルプレート軸に4.6kg以上のペダル力を設定すると、長時間の飛行でパイロットに疲労をもたらすことが判明している。したがって、実際の航空機は通常3.6kgから9kgの範囲を適切なペダル力として設定する。例えばF-18ホーネットには調整可能だが、通常は6.8kgに設定されている。一方、セスナ172は通常6.2kgに設定されている。

RXV2では、ユーザーが選ぶスプリングによって、ほとんど力の加わらない0.1kgから20kg以上の範囲で設定することができる。カスタムのスプリングを用意すれば、違和感がある硬さまで設定することも可能だ。また、ヘリコプターにのるフライトシマーはスプリングを完全に取り外し、強いセンターをもつカムを取り付けることもできる。全体としてRXV2の抵抗力の設定範囲には非常に満足しているし、DCSでホーネットを飛ばすなら、Slawは本物そっくりに設定することが可能だ。


転がる球に苔は生えない

どのようなラダーペダルにおいても、使用されているベアリングの種類と等級は重要な要素の一つである。個々のベアリングは多くの異なるグレード(北米では、ボールベアリングは3(最高)から2000(最低)までグレード分けされているが、ISOではISO3290で仕様が定められている)があり、シールドベアリング(複数のボールベアリングが内部にある)も多くの異なる公差と密封規格に基づいて製造されている。

私が数えたところでは、主に35個の単列二重シールクロム鋼製ベアリングを使用しており、多くはグレード10のボールを使用している(内いくつかは6000RS, 6001RS, 628RS, 626ZZ, 693ZZ, F6801もある)。一例として、いくつかの箇所で静的ラジアル荷重1970N、動的ラジアル荷重4550Nに耐える6000RSベアリングが使用されている。典型的なフライトシマーが2時間の間で7000回のばらつきのある部分回転をさせると考えても、6000RSは毎分22,500rpmに耐えることができる...通年の間である!6000RSは人間が絶対に加えることができないラジアル荷重とアキシアル荷重にも対応できる。

何かが見つかる期待はしていなかったが、いくつかのベアリングのシールを割って中を見たところ、すべての適切に潤滑されていた。
目安としては年一回、必要に応じてベアリングを再潤滑を行う。

RXV2はほぼすべての回転軸でベアリングを使用している。WOはペダルプレートの4つのバーリンクにもGE6ESベアリングを使用している。繰り返しになるが...これは細部と品質へのワークマンシップの注意の現れといえる。

一方、CW, ACE, MK4もRXV2ほどではないが、一部の場所で高品質のベアリングを使用しています。残念ながら、TPRはベアリングを全く使用しておらず、代わりにブッシュを使用しているが、これは安っぽい動きをもたらす。私のTPRは、ある一つのブッシュが、まるで樹皮の首輪を使うことを拒否した犬を飼っている隣人のように、私に対して甲高い音を立てたので潤滑せざるを得なかった。全体として、RXV2ほどのレベルのベアリングを使用しているペダルはほかにはない。


センサーと人間の限界

RXV2は測定した電圧差から半導体近傍の磁界の方向を測定するデジタルコマロフセンサーを使用している。

センサーは180度で13bitの分解能(8192ステップ)で、これは360度で15bitの解像度に相当する(座っている人間の脚は45度程度、足首は55度程度までしか稼働しないので、ペダルに360度は必要がない)
これはすなわち、回転角度ごとに45.5ステップがあるということなので、すなわち1ステップ当たり0.022度の分解能があるということである。

比較として、VKB MK.4は比較対象の中で最も優れた真の15bit分解能を持つデジタル磁気抵抗ユニットセンサを持っている。ThrustmasterとVirpilも15ビット(32,768ステップ)/360度のセンサーを持っており、これは各ステップあたり0.011度に等しい。ThrustmasterとVirpilは、同社のセンサーが16bit(0.006度)であると主張しているが、処理能力の限界(ここで述べるには時間がかかりすぎる電子工学の議論になるため割愛する)により、実際の忠実性は15bitであり、両者には真実でない広告を行うことをやめてほしいと願う。フライトシムのベテランであるSokolはThrustmasterがペダルに12bitのセンサーを使っていると報告している。最も解像度が低いセンサーを使っているのはCWで、主ヨー軸に4096ステップ(12bit)、ペダル軸に2048ステップ(11bit)を500Hzで用いている。

VKBやVirpil、ThrustmasterのセンサーがRXV2のセンサーの2倍の解像度を持つから心配する必要があるだろうか?。訓練された人間であっても、3Hzだと足で1度あたり3~5ステップ、脚で1度あたり3ステップ程度しか入力できないので、答えはノーである。いかなる人間の身体感覚皮質や前頭皮質も、1ステップあたり0.2度より細かい筋肉の動きは感知することができない。RXV2の感度はこれよりも10倍高いため、全く問題にはならない。これはちょうど、どこかのメーカーが100kHzを再生できる高齢者用の補聴器を開発したと喧伝するようなもので、人間は28kHzまでしか聞くことができないので、無駄なスペックといえる(さらに言えば、ほとんどの人は20kHzまで、高齢者は15kHzまでしか聞こえていない)。


調和振動と減衰

天井に接続されたばねに重り(質量)を取り付けて、それを落下させると、ばねは上下に伸び縮みして徐々に重りは静止する(これは重りとばねに蓄えられたポテンシャルエネルギー(1/2 ky^2)が振動を通じた運動エネルギー(1/2 mv^2)に変換されるためである)。

重りはずっと上下している(自由振動)わけではなく、徐々に静止するので、ニュートンの第二法則(F=ma)に相当する減衰調和振動をしているといえる(結局のところ、質量は加速度のもとに動いているに過ぎない)。

この二次微分方程式の解は、X-Yプロット上で理解しやすい減衰正弦波を示す。

このX-Yプロットから、時間の経過にしたがってばねの振動が徐々に弱まることがわかる。RXV2を左ディテントまで踏み込んで話すと、同じように減衰調和振動を示す。

ペダルに使用するスプリングによって、ラダーペダル(系)の自然減衰周波数が決定する。スプリング/構造の組み合わせがラダーペダルの残響と共振特性を決定するため、この固有振動数は非常に重要である。

Fw-190 DoraにP-51のピパーを合わせてリード射撃を行う場合、トラックを維持するためにヨーを足さなければならないことがある。付属するヨーのスプリングだけを使用している場合は、少しオーバーシュートするだけの入力をして修正するような動きになる可能性がある。この結果、正弦波のような鋭いのこぎり歯状の波形になる。

この場合、この小さなオーバーシュートをフィルターで減衰させ、正弦波を以下のようにすることが望まれる。

以上のように、ダンパーを使用すると、(制御された抵抗を得ることができるので)より正確にヨーをコントロールし、動目標を追尾することができる。
通常最もばね力が大きくなるヨー軸の終端では特に顕著である。このように、ペダルの精度を上げるため、ばね振動に対する減衰をバンパーによって適用するのである。

ダンパーはラダーペダルのリンケージアセンブリに対する負荷として機能し、系の固有振動数を低下させる。
ダンパーはほとんどのラダーペダルにおいて、減衰比を約0.02~0.05から0.2~0.35に変化させる(ダンパーの調整ネジによって付加されるプリロードの量によって異なる)。
数学的には、これはペダルがよく減衰する状態にあることを意味する(つまり、より早く振幅が0に収束する)。
愛好家にとって、これが意味するところは、ヨー応答曲線がより制御され、正確なものになり、細かい振動による不必要な影響を受けることがなくなるということである。
それはつまり、ピパーを適切なリードシュート角にスムースにヨーイングでき、ドーラをリードに正しく持っていくことができるということと言える。

(ちなみに、ダンパーは車のショックアブソーバーと同じものである。逆説的ではあるが、ショックアブソーバーは実際には衝撃を吸収しない(サスペンションのスプリングが衝撃を吸収する)。
車のバンパーは、スプリングに対して制御された抵抗を付加するための重要な要素である。オイルがダンパーを流れるという仕組みのため、通常、スプリングの圧縮に対しては抵抗は低く、スプリングの反発に対して抵抗は増加する。ラダーペダル用のダンパーはこれと同じように機能し、メインのヨースプリングを簡単に圧縮することができる一方、そのエネルギーをよりゆっくり解放させることができる。)

WOは、ダンパーに対応するよう設計された史上初のラダーペダルを設計したことで賞賛に値する。もちろん、RXV2を使用するうえでダンパーは必須ではないが、体験を向上させるものである。
作動と応答に影響を与えるだけではなく、射撃配向の精度にも影響がある。私はWOがRXV2に推奨する一般的なオートバイ用ステアリングダンパーのファンではないが、ほかのメーカーが今後数年でカスタムオプションをリリースすると思われる。

比較として、CWのペダルにはダンパーを取り付けることができる。ストック状態のTPRにはないが、ダンパーを取り付けるように改造することが可能である。ACEとMK4はダンパーの取り付けはできない。


システム統合

RXV2の全体的な製造レベルは非常に高いといえる。RXV2は手作業により組み立てられ、目を見張るような仕上がりで細部にまでこだわりに満ちた製品である。機械工学部門の友人から測定機器を借りることで、いくつかの公差についてテストすることができた。すべての可動部品が非常に高いレベル(最高0.004mm)で機械加工されていることは明らかであり、WOは、正確なフィッティングとするため、大量の手作業による仕上げと研磨を施していることを教えてくれた。

RXV2は全て高級鋼材、ステンレス鋼および高級アルミニウム材(6061グレードだと思われるが、後にテストしたいと思う)で構成されている。RXV2について私が最も気に入っている点は、アルミニウムが重要ではない領域でのみ使用されているという点である。メインリンケージを含む耐荷重性が必要なものは全て鋼で出来ている。非常に「科学的」な言葉で言えば...これはクソほど丈夫ということだ。
Slawのセンサーと電子機器も病院レベルの清潔さで正確に取り付けられている。

比較として、ACE Collectionも全体的にスチールで作られているが、RXV2のレベルには達していない。MK4とCWも優れた製造品質を持っている。MilanはCrosswindsでフェノール製高圧ラミネート材(熱硬化性材料)を使用しており、Slawほどの硬さはないが、その変形量は非常に小さい。すべてのハイエンドラダーペダルの中で、私が機械的に懸念しているのはTPRだけである。
Thrustmasterは、ペダルとスイングアームに安価なダイキャストアルミ合金を採用することを選択した。一部のフライトシマーで問題として報告されている箇所が2つある。

Thrustmasterが配線と電子機器をクリーンアップして搭載している点は気に入っている。Warthog HOTASのようなホットグルーはどこにも見当たらなかった。

結論として、RXV2の構造は、4つのバーリンケージの高い剛性と、非常になめらかな動作という最高の組み合わせである。これは踏面と脚の全体的な感触がよいということに他ならない。さて、およそ600ドルのRXV2は、100ドルのローエンドThrustmaster TFRPの6倍すぐれているのだろうか?いや、そうではない。しかし、著しく優れているといえる。価格について、私はWOが彼のペダルに採用した構造とシステム統合のレベルに対して非常に満足しているため、不満はない。


ソフトウェア

私のRXV2ペダルはすでにWOによって調整されており、USB2.0 Aタイプオスコネクタを使用したシンプルなプラグアンドプレイデバイスである。ペダルは、私が使用しているすべてのシミュレーター、ROF, IL2 1946、 IL2 BOS(およびGV)、DCS、X-Plane 11、MSFS2020において即座に認識され、問題はなかった。ペダルをさらに調整したいフライトシマーのために、こちらも同様にWiaczeslawという名前のMoldaviaのプログラマーによって作成された、シンプルなRudder.exeプログラムが含まれている。

Rudder.exeプログラムを使用すると、オーナーはデッドゾーンを正確に設定でき、軸の反転も行うことができる。このプログラムの素晴らしい点はそのシンプルさで、必要とすることを正確に行え、理解するのに時間がかからない。WOは英語における"Keep it simple, stupid"というフレーズをよく理解しているといえる。Rudder.exeは完璧に動作するため、少なくとも近い将来に変更されるべきではないだろう。

私は頭痛の種を持ちたくはない性分なので、SlawとMFGは最も使いやすいソフトウェアを備えているといえる。VirpilとVKBに関してはソフトウェアを少し作り直す必要があるとだけ言っておく。ThrustmasterのTARGETは適切だが、優れているとは言えない。


RX Viper Version 2をカスタマイズする

ペダルを受け取って私がまず最初に行ったことは、各リンケージの剛性とベアリングの潤滑がなされているかをチェックすることだった。全てが完璧に動作していることを確認したら、以下のWOによるビデオチュートリアルに従いペダルを取り付けた。

RXV2を使い始めて、次第にペダル踏面が自分が望むより高い位置にあることに気づき始めた。残念ながら、RXV2にはペダルの高さまたは幅を調整する機構は存在しない。これは数少ない欠点のひとつである。ペダルの回転軸は地面から82mm上にあり、かかとを床についたままだと、つま先でペダルを最後まで押し切ることが難しいことに気が付いた(私は身長188cmで足のサイズ27.3cmである)。これはペダル自体の欠点とも感じるかもしれないが、そうではない。コンバットスタイル(ヒールオンザフロア)のペダルはこう作られるべきであり、私個人の好みに合わせて製作されているべきではない。WOは、フライトシマーが必要なときにブレーキをタップできつつ、間違えてブレーキが動作しないよう意図して設計している。先に述べた通り、これがコンバットスタイルペダルのヒールイン(BF-109)スタイルのペダルに対する利点である。

私はどのみちペダルを設置する必要を感じていたので、一石二鳥の方法をとることにした。壁に対してペダルをしっかりと保持できるベースに、私の好みに合わせてかかとを持ち上げる機能も持たせることにした。その結果ができたのが私のカスタムMDFベースである。

82mmあった距離は、30mmだけになった。ほとんどの航空機で若干意図せずブレーキが動作してしまうことはあるものの、メインヨー軸が誤動作することはなく、私にとってはこちらの方がより快適である。この状態なら、コンバットスタイルペダルのすべての利点を保持しつつ、ヒールインスタイルのペダルプレート良さの多くも得ることができる。

大多数のWOの顧客と同様、彼が進める通り、30ドルのバイク用ステアリングダンパーを購入した。

ペダルを使用して数時間すると、私は車やマウンテンバイクでやっているように、減衰応答曲線を自分の好みに合わせて変更したくなった。そこで、Fox Factory Inc製のバイク・マウンテンバイク用カスタムショックアブソーバーについて調べたあと、自分で加工して作ることにした。CAD(Fusion360)を立ち上げ仕事にかかった。1週間の後、プロトタイプが完成した。

どうなったかって?正直なところ、見事に失敗した(写真を掲載しないのはそういうことだ)。負の予荷重を正しく設計することを失念していた。しかしこれこそ工学...最初のプロトタイプがよく動作することは極めてまれなのだ。第二のプロトタイプをテストできたらここにレビューを追加しようと思う。
もしかしたら、ヨーコントロールをよりよくできるカスタム調整されたエアダンパーが使用できるようになるかもしれないということに私はまだ期待している。

RXV2の改造に関して私が遊んでいるアイディアはほかにもいくつかあるが、全体としてRXV2は箱だしで非常によく機能する。幸いなことに、RXV2をより高い水準に引き上げるために変更する必要があるものはそれほど多くはない。


コンバットオペレーション

このレビューの最初に述べた通り、私がフライトシムを始めた当初はX-52 HOTASを使用しており、最初の数か月間、通常のところはそれで十分であると感じていた。時折、「そもそもフライトシムのプレイヤーがラダーペダルを購入したいと思うのはなぜなのか?特にジョイスティックのひねりでヨーをコントロールできる場合は...」という疑問はあった。この疑問は私がオンラインでドックファイトを行うようになるまで続いた。

「血が出るなら殺せるはずだ!」

(訳註・「プレデター」での主人公のセリフ)

さて、この質問に対する答えを出す時が来たようだ...

X-52でフライトした最初の数か月の後、私がより経験豊富な相手と対戦するようになると、スティックでヨーを入力する際、意図せずほんの少しのピッチまたはロール入力が入ってしまうことがあることに気が付いた。これが私のフライトシムにおける最初のアキシャルブリードの経験である。

アキシャルブリードとは、ある一つの自由度に対して入力を入れようとすると、意図せずほかの自由度にも入力が入ってしまうことである。この場合で言えば、小さなラダー入力が、同時に小さなピッチ入力を入れてしまっていたということである。これはエネルギー豊富なジェット戦闘機(例えば、F-14トムキャットとか)では感知不能なレベルかもしれないが、WWIのソッピース・キャメルでは非常にわかりやすい。当初私の技術は高くなかったので感知することができなかったのだが、次第にうまくなるにつれ、このアキシャルブリードを排除しなければならないことに気が付いたのだった。


FDRの回り道

アキシャルブリードを殺す簡単な方法は、ラダーペダルを買うか、HOTASの別の軸にラダーの機能を割り当てることである。これを試行するにあたって、私はFDRなる人物が77年前に同じことを発見していたことに気が付いた。

1921年、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(FDR)はポリノに罹患し(複数の医学研究者は、彼の症状はむしろギランバレー症候群によく類似していると言っているが)、彼の足の機能を失った。彼がアメリカ合衆国大統領として就任するころ、民衆へのイメージもあり、彼はほかの人間と同様、健常者としてふるまうことを望み、それは運転に関しても同様だった。結果としてFDR のために、ハンドレバーまたはハンドルの近くにブレーキ、アクセルおよびクラッチを移設したいくつかの特別な車が彼の4期にわたる任期中に用意された。

FDRはカスタムカーを気に入り、「今では病気になる前より上手にアクセルとブレーキを操作できていると思うよ」と語ったといわれているが、これは単なる誇張以上のものであることが判明した。

FDRの大統領任期の後、アメリカの自動車企業は障害を持つ人のための車両に対するリクエストをより多く受けるようになった。結果として、フォード、クライスラーおよびジェネラルモータースがハンドルの位置にペダルの機能を持たせた実験的な車を生産するようになった。このプロセスにおいて、ハンドル周りに配置したコントロールは、同じ機能を足でペダル操作するより正確に早く行うことができるということが判明したのである。

これはおそらく、アウストラロピテクス以来、人類の進化の歴史過去400万年にわたって、体性感覚皮質と手/腕の間に発生した正のフィードバックループによるものであり、また、約185kphの神経インパルスにとって、運動皮質から腕までの距離は脚までより短いということも含まれるだろう。

これはつまり、脚での速度と応答時間は改善できないということではない。タップダンスの訓練を受けている人は、手の反応から30ミリセカンド以内に足と脚を動かすことができる。

アキシャルブリードを亡き者にすると決めたとき、私はラダーの機能をX-52のスロットルに移した。テストプレイしたのち、オンライン対戦ではあまり効果的ではないことが分かったので、私は当時入手できる最高のフルHOTASであるCH Productsのスティック、スロットルそしてラダーペダルに投資することにした。しかし、私のラダーペダルは間違った地域に配送されてしまい、受け取るまで数週間余計にかかってしまった。到着を待つ間、私はCHスロットルのミニスティックX軸にラダーの機能を割り当てることにした。

一日かその程度で、X-52を使った時よりもはるかによくラダーを制御できるようになった。1週間もすると、困難な対戦相手を打ち負かし、スプリットSとシザースで効果的に舵をコントロールすることができるようになった。ラダーペダルがついに到着したとき、実際のパイロットとしての経験にも関わらず、私はすぐにラダーペダルがない場合ほどうまくいかないことに気が付いてしまった。誰もがラダーペダルを必要としているという仮説は私には当てはまらないようだった。Microsoft Flight Sim Xとバーチャルセスナでは問題がなったが、戦闘となるとミニスティックを使用し続けた。私は異端を犯してしまったのだろうか?

以来、私はこのレビューで説明しているすべてのラダーペダルを使用する機会に恵まれている(所有していないThrustmaster TFRPを除く)。私は通常使用しているVKB SCG Kosmosima / Gunfighter Mk.IIIベース フランケンポテトコンボ(訳注・自ら改造している)と、デュアルスティックセットアップ(今は2つのVirpil ALPHA Constellationを使用している)に対してそれらペダルを組み込んで使用している。Rise of FlightからDCS、Elite:Dangerousまで、様々なフライト・スペースシムでこれらをテストした。

もちろん、誰もが私と同様であるわけではない。私より足が器用なものもいると思うし、さすれば彼らの許容範囲は小さくなる。しかしそれでも疑問が残る。デュアルスティックがラダーペダルよりもうまく機能するのであれば、なぜセットを購入するのか?

これで最終的にこの質問により詳細に答えることができる。
1. ヨー軸を切り離したいが、スティックのひねり軸または左手に移したくない
2. ラダーペダルは単に実世界のコックピットを模倣するためである

結局のところ、ラダーペダルは必要なのか...?いや、必要ない。最小の応答時間が必要なら、デュアルスティックを試してみることだ。ラダーペダルが必要ないと思うのなら、なぜ私は主要なラダーペダル全てを比較する長大な記事を書いたのだろうか。

答えは二重性になる。ラダーペダルは、X-Plane11とMSFS2020で非常に役に立つ。私は実際の世界で飛行するのと同様にセスナをオンラインで飛ばすのが好きだ。また、トムキャットをステニスに着艦させるときは、リアリズムのためにペダルを使用する。しかし、Rise of Flightで優れた相手とオンラインでACMを行う際に使用することはない。その時は、キマったマカク猿のようにスティックをいたるところで引っ張って遊ぶのだ。


コンバット パートII

タイトなオンライン戦闘に関してはデュアルスティックを好む私であるが、どのハイエンドペダルが戦闘条件において最高のパフォーマンスを発揮するかというのは非常に重要な疑問である。
DCS F-18ホーネットに2500時間を費やしている引退した軍のパイロットと対峙するとき、MiG-29での小さなラダー入力のオーバーシュートはバーチャルでの死を意味する場合がある。私は決闘スペシャリスト(可能な時は)であり、オンラインで見つけることができる最高のマスターパイロットと1v1の決闘を行うことが好きだ。私にとって爆弾を落としたり地面を耕したりすることは非常にまれで、爆撃機には乗ったこともない。Pingが小さい優れたインターネット接続はもちろんだが、極度のストレス下でも高精度で動作できるペダルが必要だ。225kphでのバーチャルセスナクルージングはどのラダーペダルでも可能だが、ゼロ戦対ヘルキャットのナイフファイトを行うことができるのは精密な道具だけである。

また、非常にタイトな戦闘では、すべてのハイエンドペダルを超えた最小ヨーの閾値(120ミリセカンドのデルタ)があることも言及するべきだろう。ペダルXがペダルYを打ち負かしたというのは全く事実ではない。全てのペダルは主ヨー軸で優れた性能を発揮し、「感触」についても主観的な考慮のみが議論の対象である。

間違いなく、Elite:DangerousやStar Citizenほど迅速なヨー入力が必要となるシムは存在しないといえる。デュアルスティックとRXV2の間を行ったり来たりした後、脚をトレーニングすることで、手で行っていたスキルに近づけることができることが分かった(デルタは約80ミリセカンドだった)。RXV2は反応速度に関してはMk.4とタイであり、CWよりわずかに優れている(98%の人が気づかないほど小さな違いであると思うので、これは過度に気まぐれすぎる評価だと思ってくれてよい)。

突然の舵入力を大量に行う必要があるもう一つのシムとして、Rise of Flightがある。私はソッピース・キャメルを使用するが、ここでもRXV2、Mk.4、CWのデッドヒートであった。ACEラダーペダルは非常に速いラダーの動きで少々のねじれを生じ、TPRはハサミ設計のため、中心での厄介な「バンプ」を感じ、機械加工されたカムほどなめらかではない。

DCSではほとんどの戦闘においてRXV2およびCWが私のお気に入りであった。素晴らしい戦いを繰り広げることができるだけでなく、着陸時に左右独立のペダルブレーキ使用することができる。これはMk.4ではできないことである(ブレーキをボタンや他の軸にマッピングすることで可能にはなるが、全く同じ効果にはならない)。Mk.4にはペダルプレートがないため、RXV2と
CWには戦闘機をタキシングする際に利点がある。RXV2はほかのどのペダルよりも編隊飛行や、ドローグバスケットへの整列を正確に行うことを可能にする。
すべてのハイエンドペダルセットが、X-Plane11とMSFS2020で問題なく使用することができた。実機のラダーペダルが強力なセンター「バンプ」を備えている民間航空に主な興味をもつ場合、部分的なリアリズムのためにTPRを楽しむことができる。結局のところ、すべての点を考慮すると、RXV2は戦闘において、足元に最高の感触を与えてくれる。


耐久性

私はその製品を最低100時間使ってからレビューを書くようにしている。今私のRXV2はすでに数百時間使用しているが...ひとつの問題も発生していない。RXV2が主に高品質の鋼材とベアリングで構成されているため、何年もこのペダルを使用できると確信している。もしかしたら問題が発生するまで、数十年単位の時間がかかるかもしれない。故障するとしたらそれは、シールされたベアリングのうちどれかだと思う(ベアリングは永久に持つわけではない)。何度も摩擦が働くことで全てのリンケージがより緩くなり、私は数か月経過すれば4つのバーリンケージに少々の遊びが出るものと思っていた。すでにRXV2を使用して2年が経過しているものの、驚くべきことに遊びや弛みはまったく発生していない。

北米における平均的な男性は身長176cm(69.3インチ)、体重は89.7kg(197.8lbs)え、そのうち平均30kg(66.1lbs)が脚によるものである、ということは言及しておくべきだろう。
フライトシムのプレイヤーは通常着席しており、下肢はペダルに対して斜めになっているため、この重量のうち半分程度(残りの半分は椅子が支えている)が負荷としてかかる可能性がある。RXV2と同様のコンバットスタイルのペダルではかかとが床についており、ペダルで支える重量は非常に小さくなる。CWやACEシリーズ(選択による)などのヒールインスタイルのBf-109タイプのフットプレートを持つペダルでは、ペダルプレートに最大15kgの荷重がかかることになる(巨大な体躯を持つ男性の場合、負荷は30kg程度になるかもしれない)。これはヒールインスタイルのフットプレートがベアリングにより大きい軸方向荷重を与え、多くの摩耗をもたらすということを意味する。

驚いたことに、私が試したいくつかのジョイスティックと異なり、ハイエンドのラダーペダルはどれも深刻な問題を起こさなかった。ACEラダーペダルのねじれモーメントやTPRのペダル取付箇所が気に入らなかった私であるが、何も壊れることはなかった。今後もこのレビューを更新し、問題が発生した場合はリストアップしようと思う。


バトルロイヤル

RXV2の細部を確認し、ほかのハイエンドペダルのいくつかの側面について説明したので、今度はそれらをリングに入れて、1v1の殴り合いで生き残れるかを確認しようと思う。


ローエンド市場との比較

CH Pro ペダル、Saitek Proフライトコンバットペダル、Saitek/Logitech G ProフライトペダルおよびThrustmaster T-Flights(TFRP)は全てRXV2によって完全に打ち負かされる。Proフライトコンバットペダル(製造上の問題による)を除いて、初級または中級レベルのフライトシムプレイヤーにとってこれらは十分に機能する(私はTFRPを個人的にテストしてはいない)。特に、2016年のLogitech G Proフライトペダルはもともと170ドルで、優れた調整機能と、かなり正確なヨーアクションを備えており、ハイエンド市場のペダルの忠実性にかなり匹敵している。

ローエンド市場の耐久性チャンピオンはCH Proペダルである。これは数年(場合によっては数十年)持続するように設計された産業グレードのポテンショメーターを使用しているからである。

ローエンドペダルのパフォーマンスの主な理由は、その構造とセンサーによる。ハイエンドペダルはより多くの金属パーツ、優れたベアリング、正確なセンサーと電子機器を組み込んでいるため、より正確かつスムーズに動作する。

Thrustmaster TPRとの比較

(リリース時は500ドル、COVID-19前には大体570ドル)

TPRの主な魅力は、多くの実際の航空機のペダルと同様に、懸架されたペダルが振り子のように動くことである。このため、リアリズムを求める多くのフライトシムプレイヤーが、これこそ購入すべきラダーペダルであると考えている。私は、これらのペダルが実際の航空機のペダルをシミュレートしている、といった方がより正確だと思う。

背面のシザースプリング設計により、TPRはRXV2, CW, Mk.4, ACEのようなカムを使用していない。これはペダルのセンターが常に明確であり、排除できないということを意味している。カムを使用した設計(カムの機械加工方法によって異なる)により、センタリングを含まないプロファイルが可能になるため、完全にスムーズな動きで左から右にヨーを入力することができない。厳しい戦闘ではこれによってわずかに精度において影響を受ける可能性がある。これはF-14ではそれほど気にならないであろうが、フォッカー・アインデッカーではすぐに気がつくだろう。逆に、この機能はヘリを多く飛ばすパイロットにとっては恩恵になる。
また、リンケージアセンブリ(スイングアームの後方)は、実際の航空機で使用されている油圧装置を同じではないことにも注意が必要である。TPRのセンサーをアクティブにするためには、5つのブッシングを介して運動エネルギーを変換する必要があるが、RXV2では2つの頑丈なシールドベアリングである。私が持っているTPRにはベアリングがない..または、密閉されていて見えないところにあるのかもしれない。これによって、ペダルセット全体が明らかに安っぽい感触になってしまう。金属に金属が接触しているため、RXV2やCWに比べてペダルプレートの動作が荒く感じられる。これらピボットのいくつかについてブッシングの仕様は問題ないといえるが、特にペダルとスイングアームに高品質のシールドベアリングを追加するとよい感触が得られた。

TPRで最悪の点は、ペダルプレート用センサーとスプリングを含むブラックボックスだろう。スプリングを内部にとりつけているというのは愚直な取り付け方法といえ、故障した場合TMに新しいユニットを注文する必要が生じる。ブラックボックスはまた、スチールボールとジョイントスクリューで取り付けられ、ペダルにボルトで固定されている安価なダイキャスト製ナットプレートにネジ止めされているため、故障にうってつけの箇所を提供してしまっている。
私が気に入らないもう一つの点は、ダイキャストアルミニウムのスイングアームとペダルである。

Thrustmasterよ、あなたはWarthogスティックのベース部分のZamak製ダイキャストメタルインサートで十分失敗を経験したはずである。誰かがあなたのラダーペダルのために570ドルを払おうとしているならば、高級ベアリングと鍛造スチール製スイングアームとペダルでそれに応えるべきだ。私はThrustmasterが、AppleがiPhoneを製造販売するモデルを採用しているのではと考えている。TPRの製造にはおそらく150~180ドル程度がかかっているだろうが、売値はその3倍である。奇妙なことに、これまでのところ私はTPRを180時間使用したが、どこも壊れてはいない。しかしリンケージアセンブリにわずかな弛みが生じており、ペダルの長期寿命に関しては引き続き懸念している。
箱出し状態のTPRではダンパーを取り付けることはできない。追加したい場合は、ダンパーの下部を保持するためにより長いボルトとブラケットを調達し、バックフロアプレートの中央にブラケットをドリル、エポキシまたは溶接で取り付ける必要がある。
私にとってTPRは最も評価するのが難しいペダルだった。私はThrustmasterのWarthogスティックの大ファンではなかった(スロットルは問題ない)ので、このレビューに偏見が入り込まないようにしたかった。結局のところ、MSFS2020またはX-Plane11の民間機用にはTPRをお勧めする。
DCSのA-10で使用したり、ヘリパイロットようにセンタリングスプリングを取り外しダンパーを追加して使用することもできる。ヴァルチャー、バイパー、スピットファイアやソッピースキャメルでは使用しない。私は見た目でポイント減点することはないが、TPRが合金製の腕を生やし、擬人化されたゴミ箱のように見えるということは特筆すべきだろう。


Virpil ACE Collectionとの比較

(ペダル自体は411ドル。北米までの送料込みで507ドル)
Virpilは3つの異なるレベルのACEペダルを提供しており、Collectionモデルが最も効果である。高品質のベアリングと電子機器を備えた3軸フルメタルの競合他社が存在するため、激しい競争が繰り広げられる。使用されているセンサーは真の15bit解像度をもつ最高のもののひとつであり、主にスチールでアセンブリされている。Collectionモデルではヒールインとヒールオンザフロア両方のフットプレートが付属する。使用されているベアリングはRXV2と同等である個所もあれば、そうでない箇所もある。ゴム製の吸盤をベースにオプションで取り付けることができるが、これはスライドに対してはあまり助けにならない。

私のACEにおける主に嫌いな点は、長いスイングアームと、ペダルがそのスイングアームにとりつけられていることで、ごくわずかではあるが特筆すべきねじれをもたらしてしまっているという点である。
また、ヨー軸はRXV2とほぼ同様であるが、フットプレートに関してはそうではない。これは非常に小さい違いではあるものの、DCSのスピットファイアのような航空機では顕著である。スピットファイアは正確にブレーキを入力しない限り、簡単にそっぽ向いてしまう。ACEはダンパーを取り付けることもできない。数人のスーパーモッダーがダンパーを取り付けるまで長くはかからないと確信しているが、おそらくそれは苦労が伴うだろう。Collectionペダルは醜くはないが、少なくとも私的には魅力的な外見ではない。
ACE Collectionのメダルは、ほかのハイエンドペダルセットと比較すると、デザインを少し調整するだけで、間違いなくもっとも改善を得られると思う。基礎がしっかりしているものの、最後の調整がうまくいっていないと感じる。VirpilとRomanがこれらペダルの第二弾をリリースした場合、少なくともRXV2と同等になれる可能性があると思う。


VKB T-Rudder Mk. IVとの比較

(通常220ドル)

Mk.4は、全金属製、見事に機械加工されたカム、全てのペダルセット中(それらは磁気抵抗ユニットである)最高のセンサーを備えている。ヨーイング入力はピアノのペダルのように押し下げることで行う。これによりヨーを入力している間スライドしない唯一のハイエンドペダルの選択肢である(水平ではなく下に押しているため)。

Mk.4のラダーアクションは、ダンパーを備えていないRXV2と負けず劣らず同等である。ヨーの動きはほんの少し「弾力を感じる」ものですが、これは最も高度なレベルのフライトシムプレイヤーでも気づかない程度のものである。Mk.4の場合、編隊飛行やドローグバスケットに必要な小さい入力に問題はない。これは神経の損傷、足の痛み、筋肉のけいれんに苦しんでいる場合に持つべきペダルでもある。長時間の飛行に際しては、押し下げることで作動するため、RXV2よりも負担は少なくなる。生体力学的には、机の上にコントローラーを置いて、脚が直立した状態で飛行する場合、間違いなく最高のペダルである。
唯一の弱点は、独立ブレーキ用のペダルプレートがないことである。付属のソフトウェア(T-Link)を使用して、スイッチまたはボタンで動作する仮想ブレーキペダルを設定する必要があるが、これを設定するのはまた厄介なものであり、VKBDevCfgファイルを探し回りたくない人のために単純化する必要があると感じる。
将来的にVKBがフル3軸を備えたペダルセットを作ってくれることを楽しみにしている。これらとRXV2は、Elite:DangerousまたはRise of Flightでマスターレベルの対戦相手と戦う必要があり、デュアルスティックを使用しない場合に使用できる唯一の選択肢である。


MFG Crosswind Version 2との比較

(ペダル自体は332ドル。北米までの送料込みで410ドル)
RXV2を使用する前は、Crosswindペダルをほぼ3年間使用した。その間ずっとCrosswindは防爆ともいえる耐久性を示してくれた。ペダルの幅、トーイン、角度の調整に関してはRXV2より優れているといえる。特に素晴らしいのはペダルプレートの角度を調整する六角ボルトである。調整が簡単で、RXV2のフットプレートの後ろに配置された3つの穴よりも優れたシステムである。ペダルの後ろ側にあるスライディングウォールマウントもとても気に入っている。

Crosswindsはリリース以来、常にBf-109スタイルのヒールインタイプのフットプレートを採用しているが、コンバットスタイルのペダルを製造しているものも存在する。

https://forums.eagle.ru/showthread.php?t=277125

少なくとも一部の人間に欠点として認識されている点は、CWがフェノール樹脂の高圧ラミネートでできているため、剛性が低いと考えられている点である。RXV2とCW数か月比較テストする機械があればCWが撓ってしまうことはないものの、RXV2のほうが単純に剛性が高いということに気が付くだろう。2017年頃までの以前のバージョン1において、Milanはエポキシ樹脂接着剤を使用しており、これが時々壊れていたものの、バージョン2で修正された。CWはセンサーもハイエンドペダルの中では最も低い解像度ではあるが、人間がその限界に近づくことはできないため、問題にならない。よってこれを理由にしてMilanをノックアウトするつもりはない。

CWのニックネームは「ザ・スイートスポット」である。RXV2の95%のものが、200ドル安く手に入る。調整が簡単で幅も変更できるといったSlawsにはない機能もある。Milanは非常にすぐれたラダーペダルを作り上げたと言える。私が望む唯一のことは、彼がフルスチール仕様のバージョンをリリースすることである。
Crosswindsはすべての条件を考慮した際、ジェネラルアビエーションで使用する2番目にお気に入りのラダーペダルであった。激しい戦いにおいてもRXV2とMk.4に負けず劣らずであり、タキシングと着陸のためのスムーズなペダルプレートも備えている。Crosswind Version 2は優れたラダーペダルであり、すでにこれを所有していればRXV2にアップグレードする理由はほとんどないといえる。


「プロフェッショナル」レベルのラダーペダルに関して

一部の裕福な愛好家たちは、購入可能なラダーペダルについて調べ上げ、パイロットを訓練するためにフライトスクールで使用されるような「プロ」レベルのペダルが必要という結論に達した。例えば600ドルのRed Bird RD1や、

4200ドルのPFC Rudder Pedals Proである。

これらの高価格帯ペダルの主なセールスポイントは、リアリズムの向上がサポートされているということである。硬いばねとスチールによる構造は、いくつかのフライトシムプレイヤーにそれが優れた製品であると信じこませている。PPL, IFR, CPLまたはATPに取り組んでいる他のフライトシムプレイヤーや、これらの製品が実際の航空機をよりよくシミュレートしていると感じている。
私自身、実世界の飛行訓練でこれらのラダーペダルを自分で使用した(そして今も使用する機会がある)ので、これらは一般的なフライトシミュレーターに必要なラダー入力デバイスではないと言い切れる。これらプロレベルのラダーペダルは、基本的な飛行レッスンに申し込む一般の人々と130kgのビーフィーターに対応するように作られている。ホームシムピットで737を正確にモデリングしている場合には問題がないといえるが、ある夜はソッピース・キャメルを、次の日の夜にはF-14トムキャットを飛ばしたいといった場合、これらは選ぶべきペダルではないことは間違いない。
RXV2、CW、ACEまたはTPRは簡単に調整して、これらのより「リアル」なペダルセットと同様の力で使用することができる。ホームフライトシミュレーション向けのラダーペダルは、「プロフェッショナル」市場向けの製品よりも快適かつ調整可能で、修理が簡単(交換部品の調達がはるかに簡単)である。結局のところ、RXV2またはCWを使用すれば、フライトスクール向けの製品を使用するよりもはるかに優れた体験を得ることができる。


Slaw がラダーペダルに行った正しいこと

1. とらえどころのない「感触」が優れている。RXV2は軸方向から外れた変形を示さず、さらにバターのようになめらかである。空母に着艦したり、燃料プローブをきれいに並べたりするのにラダーの正確な入力が必要な場合の切り札です。RXV2またはMk.4はRise of FlightとElite:Dangerousにおいてデュアルスティック構成の代わりとして使用できる唯一のラダーペダルです。
2. ゆるみやきしみは皆無で、異音もない。ペダルを前後にすばやくスライドすると、リンケージが戻り止めに触れて停止する音だけが聞こえる。
3. RXV2はほぼ完全に高品質のスチールで構成されている。もしあなたが身長2.3m体重200kgの巨漢でもSlawは対応できる。
4. ベアリングは高品質で、両面シールされており、多くはグレード10の鋼球を備えている。すべてのベアリングも適切に潤滑されており、ニューラルネットワークの意識転送が現実のものとならない限り、ベアリング1つがダメになる前にあなたが寿命を迎える可能性がある。
5. ベースにはあらかじめ取付穴があけられている。
6. 2つの異なるカムが含まれている。
7. ペダルプレートの動作のため、2つの異なる強度のばねが含まれている。
8. 所有者は、カスタムスプリングを追加して、ラダーとフットプレートを望むだけ重くまたは軽くすることができる。
9. 応答曲線を調整するために標準的な、またはカスタム仕様のダンパーを追加できる機能がある。
10. ペダルのキャリブレーションに使用するソフトウェアは直感的かつユーザーフレンドリーである。
11. ペダルプレートと各種リンクのレーザーカットされた外観は、RXV2をペダル界のランボルギーニたらしめている。スタイルは10点満点中10点満点。
12. Wiaczeslaw Oziabloは電子メールに素早く対応し、取引は簡単に行うことができる。一人の男(と数人の助手)が基本的にこのレベルの作品を作成しているということ自体がそれを物語っている。Wiaczeslawに拍手。


やり直しまたは検討が必要と感じること

1. ベースプレートは鋼製だが、小さすぎてスライドしてしまう。ベースをより幅広にしてゴムパッドや吸盤を取り付けることで、恒久的にマウントしなくない人も恩恵を受けることができるだろう。
2. ペダルの幅を広げたり狭めたりする機能がない。
3. ペダルの高さを上げたり下げたりする機能がない。
4. この価格帯なら、調整可能なディティントが欲しいと感じる。これによりユーザーはそれぞれの好みにあわせてメインヨー軸の動作量を調整することができるようになる。
5. 非常に軽いものから非常に重いものまで、3つまたは4つの異なるメインヨースプリングが含まれているとさらに良い。これに10ドル15ドル程度の追加料金を払ってもよい。
6. 左のペダルプレート軸にわずかな引っ掛かり感を感じた。軸を分解して潤滑するとこの感覚は消えたが、600ドルのラダーペダルには必要ないはずだ。
7. メイン(ヨー)スプリング調整用の六角ボルトの替わりに、小さなリブ付きのノブを採用してほしい。これで調整の度に工具を用意する必要がなくなる。
8. MFG Crosswindsが備えているような、ベース背面に向かってスライド可能なマウントを追加してほしい。これによりペダルを後ろの壁に対して配置するのが簡単になり、多くのフライトシムプレイヤーがわざわざマウントする必要がなくなる。
9. ペダルプレートの4バーリンケージ構造は少し雑然とした見た目である。将来的にその領域をもっとすっきりさせるべきかもしれない。
10. FOX Float X2のような、ほかのタイプのダンパーを取り付けることができるようカスタムダンパーリンクの構築を検討した方がよいかもしれない。
11. 明るい赤のようなカスタムカラーをまた用意した方がよい。カラーカスタムができればWOにとってボーナスになるだろう。
12. 交換が必要になった時のため、使用されているベアリングのタイプを含む簡単な図がWebサイトに掲示されているとよりよい。
13. どこかの時点でペダルに簡単な説明のついたパンフレットをつけることを提案する。
14. 最終的に、Webサイトが発展した暁には、交換部品とセンサーを販売してほしい。


最終評決

私が学部生だったころ、ホンダ・アコードを所有していたが、私の最高の友達の一人はその3.5倍の価格がする、裕福な父のBMWを持っていた。私のアコードには約2.9立法メートルの内部空間、エアコン、レザー製の内装があり、彼のBMWもほぼ同じだった。ほんの小さな快適装備の違いを除き、私は彼のBMWと私のアコードの間に主要な機能の違いを見つけることはできなった。彼は常にBMWの「感触」と「ハンドリング」が非常に優れていると述べており、私も彼の車を数回運転し、確かにより優れていると感じた。しかしそれは5%とか10%の違いであり、決して350%よいわけではなかった。
同様の経験から、誰かが製品の「感触」について話し始めると、私は信じられないほど疑心的になる。すべてのラダーペダルメーカーは精密センサーと驚くほどの「感触」を売り込むのが好きだが、結局のところ、ラダーペダルのどれかが本当にそのような体験をもたらすのだろうか?
その答えは「イエス」である。Slaw RX Viper Version2は、市場に出回っているラダーペダルの中で最高の体験と「感触」をもたらすものである。ダンパーを付加していないバージョンではスコア9.3であり、ダンパーをつければ9.5のスコアである。Crosswinds, ACE, TPR, T-Rudderよりも優れており、その違いは大きくはないが、特筆するに十分といえる。

ジョイスティックのように、例えばThrustmaster Warthogスティックと優れたVKB Gunfighter MCG Proとの差とは異なり、ハイエンドペダルの差異はより小さいものである。バトルロイアルに登場したペダルはいずれも、パフォーマンスに劣っていたりであるとか、平均的な方法で機能しないとかいったことはなかった。すべて優れており、どんなフライトシムプレイヤーもそれらのうちのいずれかを所有して満足しているはずである。CH Proペダルを使用したことがあり、その後Thrustmaster TPRに移行した場合、嬉しい驚きを感じるに違いない。しかし、私と同じようにRXV2またはCrosswindsを使用して飛行していたものがTPRを試してみれば、それが競争においてどのスペクトルにあるかを確認することができる。

MFG Crosswindsは非常に、非常に惜しい戦いをした。私は10点満点中9.2点と評価する(ダンパーを取り付ければ9.4)。RXV2を入手できなった場合、2番目の選択肢となりえる。RXV2よりも安価であり、RXV2にない調整機能を備えている。RXV2に勝てなかった唯一の理由は、長期にわたる厳しい戦いにおける感触がSlawほどよくなったからである。また全体として、RXV2はCWよりも造りがよい。
VKB T-Rudder Mk.IVも素晴らしい戦いを見せてくれた。10点満点中9.1点である。足を滑らせてヨーモーションを入力したくない場合、T-Rudderはよい選択肢である。怠惰な使用方法でも正確な入力を与えることができる。
Virpil ACE Collectionはしっかりと作られており、非常になめらかではあるが、ダンパーを使用することができず、またねじれを感じる瞬間があった。10点満点中9.0点。
Thrustmaster TPRは問題なく動作するが、私はシザースプリングメカニズムやダイキャスト構造のファンではない。私は長期的な耐久性に関して少し心配しており、10点満点中8.7点を与える(ダンパーをつければ8.9点)。
結局のところ、なめらかさ、忠実さ、正確さそしてゆるみがないことという点に帰着した。Slawが提供するに匹敵するものを祖なるフライトシミュレーター用ラダーペダルはほかに存在しない。RXV2はアメリカまでの送料込みで607ドルかかるが、その造りは1000ドルかかっているようにさえ感じる。RXV2はCOVID-19パンデミックに際して価格が下がった唯一のハイエンドラダーペダルである。RXV2が精密ベアリングを持ち、前後にスライドする光景は魔法にかけられたように素敵である。自動車の世界では、ブカッティ、ランボルギーニ、フェラーリ、パガーニ、マクラーレンなど、伝説的な名前がある。フライトシムペダルで同じことをしたいなら...名前は一つだけ、Slawしかない。RX Viper V2は現在のところ、市場で最高のフライトシミュレーションラダーペダルである。


比較のため、Slaw RX Viper Version 2は10点満点中9.3点。MFG Crosswindsは10点満点中9.2点。VKB T-Rudder Mk.IVは9.1点。Virpil Ace Collectionは9.0点。より安価なSaitek / Logitec G Pro フライトコンバットペダルは8.3点、CH Proペダルは8.1点、Logitech G940ペダルは8.0点、Thrustmaster TFRPは7.8で、Saitek Proフライトコンバットペダルは5.8点(ちゃんと動けば)になる。


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