月に行ったらやせる???
宇宙に行くと,体が軽くなるとか,無重力になるとか,詳しくは説明できないけど,なんとなく理解しているようなことがときどきあります。重力とか,引力とか,重さとかがそのあたりに含まれるのではないかと思います。今回は,質量と重さ(重力の大きさ)の違いについての授業です。
最初の問いかけは,「近い将来,『月に行ったらやせる!』という怪しげな商売が出てきたとします。そのとき,自分のともだちや彼女が参加したいと言い出したとき,どうやって説明しますか?」というものでした。
まずこの問いかけのあと,すぐに「いまの知識で説明するならどう説明するか」を考えてもらいました。
その後,小学校で習っていた「重さ」は実は「質量」であって,どこで測定しても変化しないこと,「重さ」とは重力の大きさであって,測定する場所によって違うことなどを説明しました。そのほかの周辺知識(雑談)として,引力と重力の違い,重力は同じ地球上であっても場所によって異なることなどを説明しました。
月に行くと重力の大きさが6分の1になることは教科書にも書いてあります。地球上では質量100gの物体に1(N)(正確には0.98N)の重力がはたらきますが,月にいくと6分の1(N)になります。
これは学校では確かめようのないことなので,動画教材の力を借りることにしました。地球とは違うことが起こるので,そのことを探しながら見て欲しいと伝えました。
最初にハンマーと羽根が同時に落下することに注目が集まりますが,これは月に空気がないことからおこる現象であって,重力の大きさとは関係ありません。地球上でも,真空容器の中で同じことをやれば,質量に関係なく同時に落下します。
何回か繰り返して見せていると,落ちるスピードが遅い?というような声がポツポツと出始めます。じゃあこの動画のタイミングと同時に物を落としてみよう,ということで消しゴムなどの落ちても壊れない物体を落としてみます。
最後に,もう一度「近い将来,『月に行ったらやせる!』という怪しげな商売が出てきたとします。そのとき,自分のともだちや彼女が参加したいと言い出したとき,どうやって説明しますか?」という問いかけをして,同様にロイロノートで提出してもらいます。
問題集の穴埋めで用語を覚えるのではなく,自分が説明したいことの中で用語や定義を使うのは大切なことです。また,授業前後での自分自身の成長も見て取れます。
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