IISIA(株式会社原田武夫国際戦略情報研究所)

未来を予測するシンクタンク。 定量・定性分析から今後起こることを予測し調査分析レポート…

IISIA(株式会社原田武夫国際戦略情報研究所)

未来を予測するシンクタンク。 定量・定性分析から今後起こることを予測し調査分析レポートとしてご提供しています。 こちらでは幣研究所のリサーチャーによるコラムをお届けします。 https://haradatakeo.com/

最近の記事

未来の「潮目」を予測分析する(IISIA研究員レポート Vol.33)

弊研究所が提供している会員制サーヴィスの一つである「Mr.潮目」は向こう100日間の「株価」やその他の銘柄(ドル円、金、原油など)の動きや転換点を予測分析するものだ。 過去250日間の価格の変動データからその銘柄が持つリズムを数量化・可視化するツールを用いて未来分析している。(弊研究所のアライアンス・パートナーである(株)フィナンシャルテクノロジー&リサーチが開発) 過去1か月の事例で見てみるならば、2月第1週目(2/2付)に「Mr.潮目」は「日経平均株価が2月中旬、より

    • 海に眠るニッケルは我が国の救世主となるのか?

      中国勢の青山集団(Tsingshan)が自動車メーカーに安価でクリーンなニッケルを供給するという計画を公表した(参考)。 (図表:ニッケル) (出典:Wikipedia) ニッケルは電気自動車(EV)に使われるリチウム電池の原料であり、EV車の普及に向けニッケルの需要が高まっている。これに伴いニッケル鉱山の周辺では廃棄物の流出といった環境悪化が懸念されている。 こうした状況を受け米系“越境する自動車事業主体”の雄であるテスラ社は昨年(2020年)、環境への影響を抑え、

      • エボラ出血熱”再燃”とワクチン開発の闇(IISIA研究員レポート Vol.32) ブログ

        ギニア勢においてエボラ出血熱が発生している。 これまでに少なくとも18人が発症、9人が死亡しているという。 エボラ出血熱と言えば去る2013年から2016年の間にリベリアやシエラレオネをはじめとして西アフリカで1万人以上の死者を出した流行は記憶に新しい。 実は今次エボラ出血熱の感染拡大が5年前までの流行の際に感染した人から広まっているのではないかと言われている(参考)。ギニア勢で流行しているエボラウイルス株が2013年~2016年に流行した際のものとほぼ同じであることが

        • 世界規模で過熱する「アボカド市場」の光と陰

          国際マーケットにおける価値の高さからアボカドは「グリーン・ゴールド(緑色の金)」とも呼ばれている。 世界のアボカド市場規模は昨年(2020年)パンデミックの影響によって140億ドルにとどまったものの今年(2021年)は190億ドルまで回復し、来る2027年には195億ドルに達すると予測されている。 (図表:アボカド) (出典:Wikipedia) 国連食糧農業機関(FAO)は2029年までにアボカドの生産量が2009年の2.5倍以上になると予想している。この成長ぶりの

        未来の「潮目」を予測分析する(IISIA研究員レポート Vol.33)

          CBD(カンナビヂオール)が「市民権」を得る日 (IISIA研究員レポート Vol.31)

          フランス勢において「大麻」(cannabis)入りワインが登場し、ちょっとした物議を醸している。 ボルドー在住で28歳の起業家ラファエル・ドゥ・パブロ(Raphaël De Pablo)が作った「Burdi W」というワインである。「大麻」由来のリラックス効果のある「CBD(カンナビヂオール)」が250mg含まれている(参考)。 ただし同国の法律では麻の繊維と種子の栽培と販売のみが認められており、植物の葉や花の採取は禁止されている。そのため現時点では完成品は「ワイン」とし

          CBD(カンナビヂオール)が「市民権」を得る日 (IISIA研究員レポート Vol.31)

          拡大するキャビア市場に我が国が躍り出る日

          中国でキャビアの生産量シェアが急増している旨報道されている。 中国では2003年ごろからチョウザメの養殖が開始され、現在では世界のチョウザメ養殖場の半分以上、キャビア生産量の30パーセント以上を同国が占めている(参考)。 (図表:キャビア) (出典:Wikipedia) キャビアはカスピ海に面したロシアが主な産地として知られ、フォアグラ、トリュフとともに世界三大珍味に数えられてきた。 しかしソ連崩壊後のロシアではキャビアの親であるチョウザメの管理体制が崩壊して闇市場での

          拡大するキャビア市場に我が国が躍り出る日

          知られざるマイクロ波の世界―殺人光線か次世代エネルギーか?(IISIA研究員レポート Vol.30)

          米国勢の中央情報局(CIA)が昨年(2020年)末にマイクロ波攻撃の疑いに対処するためのタスクフォースを開始した旨“喧伝”されている(参考)。 (図表:マイクロ波を利用した多重無線通信設備) (出典:Wikipedia) マイクロ波を人体に対して照射すると不安や恐怖といった精神的症状やめまい、強い倦怠感、吐き気、不眠といった身体的症状をもたらすことができる。 マイクロ波は容易に建築物などを透過するためアンテナなどを用いて広範囲を照射することができ、さらに照射された個人

          知られざるマイクロ波の世界―殺人光線か次世代エネルギーか?(IISIA研究員レポート Vol.30)

          紫のダイヤを追え ~アフター・コロナのダイヤモンド市場~

          ピレネー山脈をまたいだ2つの国による1年に及ぶ追跡だった。 スペインとフランスの警察当局が希少な「紫」のダイヤモンドを盗んだ宝石泥棒と詐欺師の一団を逮捕した(参考)。 捜査は昨年(2020年)1月に始まった。スペイン・バルセロナで約1800万ドルの価値があると推定されるダイヤモンドが強奪されたのだ。そして(同年)8月にはフランスのカンヌで約540万ドル相当のダイヤモンドの盗難事件が起こる。 そして遂に今年(2021年)2月18日(マドリード時間)スペイン北東部カタルーニ

          紫のダイヤを追え ~アフター・コロナのダイヤモンド市場~

          宇宙からの電波を奪え!電波望遠鏡で引き裂かれる世界 (IISIA研究員レポート Vol.29)

          来る夏(2021年夏)から南半球で世界最大級の電波望遠鏡の建設が開始される。 SKA(Square Kilometre Array)プロジェクトである。「平方キロメートル配列」を意味する国際的な政府間の取り組みだ。単一の望遠鏡ではなく「配列(アレイ)」と呼ばれる望遠鏡の集合体であり、複数の大陸に分散して設置される。 まずは南アフリカ勢とオーストラリア勢、その後は他のアフリカ諸国勢にも拡張される予定だ(参考)。 (図表:SKA完成予想図) (出典:Wikipedia)

          宇宙からの電波を奪え!電波望遠鏡で引き裂かれる世界 (IISIA研究員レポート Vol.29)

          パンデミックで開花? カーシェアと「サクラノミクス」

          3月に入り待ち遠しくなるのが桜だろう。 我が国の国花であり、平安時代以降「花」と言えば「桜」を意味するまでに人々に愛される花である。 古来人々は桜の開花を待ち焦がれ、花を楽しみ、そして散るのを惜しんだ。 「花は桜木、人は武士」 これは桜の散り際の美しさを表した言葉である。 しかし桜の美しさはやはりそれが咲き誇る様子にあるのではないか。 本居宣長は「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」という句を残した。 この句は戦時中、国の為に散った多くの若者を悼む歌として記

          パンデミックで開花? カーシェアと「サクラノミクス」

          炭酸飲料がコロナで消える日―ドライアイス争奪戦が始まった―

          我が国の厚生労働省が先月(1月)15日、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種及び供給体制について明らかにした(参考)。 我が国政府は年内に7200万人分のワクチン供給を受けることで米ファイザー社と契約したが、同社のワクチンはマイナス75度前後での保管が必要となる。政府はワクチン保冷用のドライアイスを一括調達し医療機関に供給するとしている。 ここで問題となるのがドライアイスである。 上記の温度でのワクチンの輸送にあたってはドライアイスの需要急増が予測される。 すでにワクチ

          炭酸飲料がコロナで消える日―ドライアイス争奪戦が始まった―

          熱狂の仮想通貨-イーサリアムの死角-(IISIA研究員レポート Vol.28)

          暗号通貨(仮想通貨)ビットコイン(BTC:Bitcoin)に続きイーサリアム(ETH:Ethereum)の価格が高騰している。 今月(2021年2月)2日に初めて1500ドル(約15万8000円)を突破してから2週間余りで2000ドル(約21万1670円)を突破した(18日朝)。 (図表:イーサリアム) (出典:GMOコイン) イーサリアムは去る2013年にウォータールー大学の学生であったヴィタリック・ブテリンにより構想され、2014年にプログラミング言語C++で実装

          熱狂の仮想通貨-イーサリアムの死角-(IISIA研究員レポート Vol.28)

          コロナ特需?「精密栄養学」の個人データベース市場 (IISIA研究員レポート Vol.27)

          来る2023年に「栄養学」の転機となるかもしれない大規模研究が開始されるのだという。 米国立衛生研究所(NIH)が1億5,600万ドルを費やし5年間で1万人の米国人を対象に食べ物がどのように消化されているのかを調査する。 これまで「曖昧(fuzzy)」だと言われてきた「栄養学」をより精度の高い「精密栄養学」(Precision Nutrition)へと押し上げることが狙いである(参考)。 「万人に良い」という食べ物も食べ方も実は存在しない。お菓子よりもバナナで血糖値が急

          コロナ特需?「精密栄養学」の個人データベース市場 (IISIA研究員レポート Vol.27)

          タバコと麻薬、そしてCOVID-19 ―パンデミック下の秘やかな攻防戦―(IISIA研究員レポート Vol.26)

          昨年(2020年)以来の新型コロナウイルスによるパンデミックの中で全世界的な消費の現象が起こっている。そんな中で米国勢において消費が増加していると報じられたのが「可燃性タバコ」である。 米国勢においては新型コロナウイルスの感染拡大に伴い断続的に都市封鎖(ロック・ダウン)が敷かれる中、数十年続いていた可燃性タバコの売上高の減少が昨年(2020年)急激に減速したという(参考)。 米国勢におけるタバコの歴史は長い(参考)。 400年以上前の17世紀初頭にイギリス領のバージニア

          タバコと麻薬、そしてCOVID-19 ―パンデミック下の秘やかな攻防戦―(IISIA研究員レポート Vol.26)

          ブルーベリーはパンデミックに対抗する切り札になるのか?

          「ブルーベリーがコロナウイルスを無害化する」という研究結果が発表された。宮崎大学医学部の森下和広教授らのチームによる研究で県産ブルーベリーの茎と葉から抽出した成分に新型コロナウイルスを無害化する抗ウイルス作用があることを確認したというものだ。「実」ではなく「茎」と「葉」に効果があったことが画期的である(参考)。 世界のブルーベリー市場は来る2024年までに45億米ドルに達すると予測されている。 脳の機能を保護する効果(参考)やDNAのダメージを減らす(参考)など、近年その

          ブルーベリーはパンデミックに対抗する切り札になるのか?

          花の「冷蔵庫」―止まらないフラワー・ロスを救え!

          あと2週間ほどでやってくるバレンタイン。 昨年(2020年)で10年目を迎えた取り組みとして、農林水産省が後押しする「フラワー・バレンタイン」があるのをご存知だろうか。 (図表:クラッチブーケ) (出典:Wikipedia) 切り花の月別支出額は卒業式、クリスマス並びに盆や彼岸といった「イヴェント」のある月に比べ、1月~2月の冬季、6月~7月の夏季には支出が落ち込む傾向にある。 (図表:一世帯あたりの切り花の月別支出状況(平成21年)) (出典:総務省「家計調査年

          花の「冷蔵庫」―止まらないフラワー・ロスを救え!