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−紅赤− 椎名林檎さんになりたいけどなりたくない

「椎名林檎さんになりたい」
そう思ったことがある方、性別を問わずたくさんいらっしゃると思う。

ぼくも御多分に洩れず、時々猛烈に椎名林檎さんになりたくなる。

圧倒的なパフォーマンスと秀逸な歌詞、孤高の天才かと見せかけて実はお茶目だったり。とにかくかっこいい。
林檎さんの目線で世界を見てみたい。

生まれ変わってまた人間になるとしたら林檎さんがいいなと思って、でもいや待てよ、林檎さんとしての自分がポツンとあるだけじゃ林檎さんたり得ないから、亀田師匠や東京事変の皆さんとして生まれ変わってくれる人を見つけなきゃ……なんて、取らぬ狸の皮算用をしてみたり。


でももし、取れるはずのない狸が取れるとして、仮に椎名林檎さんになれるとして、それはそれでちょっと寂しいかもなとも思う。

「椎名林檎さんになりたい」という不変の憧れを抱いていられること、それ自体が幸せなんだと思うのです。

憧れは、自分の芯を保ってくれる、心の拠り所みたいなものだと思うのです。


強い憧れを持って生きてきたことが慣性となり、
ぽつんと落ち込んで自分がわからなくなってしまった時も、
知らず知らずのうちに、林檎さんのように生きるという方向にたゆたってこれた気がする。


憧れを叶えようと頑張って追いかけるという楽しみもきっとある。

でも、憧れを憧れのまま、拠り所にして生きていくのも、また吉なはず。


そんなわけで、ぼくの心の拠り所になってくれている林檎さん、ありがとうございます。
あなたがiconとして存在してくれていることが、尊いです。



【紅赤】べにあか
鮮やかな赤。
りんごといえば、あか。あかといえば、りんご。



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