−竜胆色− 本州の最果て 龍飛
まだ小学生になるかならないかくらいの頃、家の近くの小さな道をひとりで歩いていた時、
「この道をずーっとたどっていけば、青森まで行けるんだろうな」
とふと考えたことを、今でもなぜか鮮明に覚えている。
その、ずーっと続く道をたどっていった、本州の最果て。津軽半島の最北端、龍飛に行ったことがある。
津軽半島の真ん中あたりにある金木町で生まれた太宰治は、小説『津軽』の中でこう書いている。
本当に恐れ多いが、太宰は、ぼくが思っていることを逐一的確な言葉で表現してくれる。
(cf. 「神に問う。無抵抗は罪なりや?」)
幼き日のぼくと同じように、太宰もまた、道をずっとずっと辿っていった先のことを考えたことがあるんだなぁ、と、ぼくは本州の袋小路で感慨に浸っていた。
思えばぼくのnoteには、「道」にまつわる話が何度か出てくる。
・かつて道だったところ
・国号6号線
・ぼくは道案内屋さん
自分が住む街と、知らない街とを繋いでくれる、
ずっと続いているようで、でもどこかに終わりがある、
そんな「道」が、ぼくは知らず知らずのうちに好きだったのかもしれない。
【竜胆色】りんどういろ
竜胆の花のような薄い青紫。
"龍(竜)"飛なので。
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