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−濃色− 絶景の中の日常【いろどり旅行記#04長野県】

JR篠ノ井線の姨捨駅からの景色は、「日本三大車窓」のひとつに数えられるらしい。
「姨捨駅」と検索すれば、絶景画像がたくさんヒットするはずだ。

ぼくも事前に絶景画像たちを見た上で、現実の絶景を見に行ったのだけど、現実は画像とはレベルが段違いだった。

景色を手前から奥へと蛇行しながら貫く千曲川。
その千曲川沿いに広がる田んぼと、千曲市・長野市街地。

姨捨駅からの景色

人々の生活が、そこに広がっていた。
川とともに生きてきた日本人の暮らしが。

ミニチュアのような景色だけれど、その隅々に人々の暮らしの息遣いが感じられて、ぼくは人生で初めて、景色を見て鳥肌が立った。

おそらくぼくの人生の中で交わることはないであろう何十万の人たちの暮らしが、
そして彼らにとっての「地元」が、
「日本三大車窓」と呼ばれる景色の中に詰まっているのだ。

「絶景」「映え」と言ってしまえばそれまでだけれど、
それは、遠くて温かい日常の集合体なのだ。

自然の中で脈々と営まれる人間の暮らしに思いを馳せることで、
景色を見る解像度が格段に上がった体験でした。


【濃色】こきいろ
紫根染を何度も繰り返した色。
長野→信濃→濃。



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