−香色− 手作りティラミスをもらった
友人から、手作りティラミスをもらった。
ぼくは今、大学の研究室にいる。この居室では、7、8人がデスクワークをしている。
ぼくは、ここで、ティラミスを食べる。
ティラミスの瓶を開ける。
刹那、幸福の香りが我が鼻腔をつく。この香りは、拡散方程式に従って、やがて部屋中に行き渡り、他の人たちのもとへ届くだろう。ぼくは幸福の伝道師である。
否、人々が享受する幸福は、嗅覚のみに制限されている。
ぼくだけが、それを味わう特権を手にしている。ぼくは飯テロリストかもしれぬ。
特権は、直