−黄檗色− 生き別れスーパーボール
子供の頃、ぼくのお気に入りのスーパーボールがあった。
暗闇でもんやり光る蛍光イエローで、小さくてよく弾む。
ある日、そのスーパーボールを、家の階段で跳ねさせる遊びを兄とやっていた。
最初の3、4段目までは1段ずつ跳ねながら降りていくけれど、だんだん大きく弾む。
ぼくが2階から落として、兄は1階でキャッチ。
しばらくしたら交代して、兄が落としてぼくがキャッチ。
非常にシンプルな遊びだが、2人で夢中で遊んでいた。
事件は突然起きた。
うちは年季の入った家で、階段の側面に