アンチ・ヒーリングの女

今日の「できない女」は(いつの間にかシリーズ化)
癒されることができない女です。私のことです。
ははは。私、どれだけ世間に噛みつけば気が済むのかなー。
ほんと、自分が飽きない(笑)

「癒し」 

今でこそ普通に見かける表現ですが、私が子供の頃(20年くらい前…間違えた、30年くらい前!)は、ここまで気軽に使われていませんでした。

癒しという言葉の「デフレ」はおそらく私が大学生くらいの時(2000年代)。


「癒し空間」
「癒しの〇〇」
「癒される~♪」

急に広告やキャッチコピーにこの文字が踊りだした。
最初に見た時から、はっきりした違和感、というか拒否感を感じた。

そんな簡単に「癒され」てたまるか!!!

それよりちょっと前から「ヒーリング」とか「環境音楽」
とかも流行ってた。
だいたい、自然の音(海とか雨とか風とか)に、さわやかな音を当てたものだ。
私は「ヒーリングミュージック」と銘打った音楽を聞くと
イライラして腹が立ってくる。
全然癒されない。
それよりJAM Projectとか聞いてた方がいい。

そこから何年かして、私が20代の頃、今度は
「ほっこり」という言葉が流行りだした。
「癒し」の亜種であるとすぐわかった。

「ほっこり感」
「ほっこりした〇〇」
「ほっこりする~♪」

ほっこり、というのは元来、
ふかしたサツマイモとか、炊いた栗とか、
そういうものの食感を言うんだと思う。
というか、そういう使い方しかされてませんでした。

それが今や、サツマイモより、
心温まるストーリー的なものを表している時の方が多いなんて。

「ほっこり」なんてしたくない!!!!!!!

いや、もちろん、私だって
温泉やマッサージとか行ってリラックスしたり、
寒い日に温かい鍋を友達と食べて楽しんだり、
猫カフェに行って優しい猫サンたちに遊んでいただいたり
そういうのは大好きですよ。
疲れたらくつろぎたいし、他人が他人に親切にする話とかも好きです。

でもそれに
「癒し」とか
「ほっこり」って言葉を使いたくないんです。

そんな簡単な、広まっている言葉で、私を表現しないでほしい。

というか
そもそも
なんでそんなにみんな「癒され」たいわけ?
「ほっこり」したいわけ?

そもそもなんで世の中の人はそんなに癒されたいのか?
そんなに疲れてるのか? 
まず疲れる原因をもとから断った方がいいでしょ!


・・・今、疲れることをしている人が多すぎないでしょうか?

働く人が疲れてる原因の一番はたぶん「お仕事」だと思います。
(2位は家庭 ※注:根拠なし)

でも、みなさん、なんとなく聞いたことありませんか?
ホワイトカラーも
製造業も
日本は「労働生産性が低い」んです。
(主要7か国中だと最低レベルらしい)。

▼「公益財団法人日本生産性本部」(そんな本部あるんだ…)のHPより▼
OECDデータに基づく2017年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、47.5ドル(4,733円/購買力平価(PPP)換算)。米国(72.0ドル/7,169円)の3分の2程度の水準に相当し、順位はOECD加盟36カ国中20位だった。(https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/
※働けない人が、そうでない人と比べて生産性が云々とか、そういう話ではありません。あくまで、労働者同士で比較して、という話です。








がんばっているのにですよ!

あなたの周りに、「頑張ってない人」はそうそういないですよね?
少なくとも多くの職場では
自分に与えられた仕事を忠実にやる人の数>>>>さぼってる人の数
だと思います。

つまり、働いている人は、頑張り方を間違っているんです!!
国家レベルで(怖)。

まあもちろん生産性は1つの指標に過ぎませんが…
でも、どうせ働くなら、価値が高い方が良くないですか?
決められた時間に最大限成果を上げて
あとは人生楽しみたいって思ってもいいんですよ。
別にいいんです。
一握りの人だけがそうできるってわけじゃないんです。
どう生きたっていいんです。

働く人も働く人で疲れているけど、
ママさんも疲れてませんか?(働くママも専業主婦もね)。

まず、女性の家事負担が偏ってるってところ。
そんで多くの女性の家事負担で一番きついのが、
「毎日のごはんの買い物と料理」じゃないのかなと思うんですけど、
(違ってたらすいません・汗 結婚したことないので推測…)
料理(手料理)作らないと主婦失格って
誰が決めたんですかね?

義父母っすか?? 
夫っすか?
男なんてたいがい「隙あらばカップラーメン食いたい」生き物なんだから、
週イチはカップラーメンでいいんです。安いし。
栄養が心配な方。週イチで食ってもすぐには死にません。
心配なら生命保険掛けときましょう。

また、男が口が肥えている場合、自分も料理できるはずなので、
やらせてあげればいいんです。決めた金額以内で。
お金かけたら美味しいものが作れるのは当たり前。
お金が決まっている中で作るから主婦はすごいんです。
なお、自分で料理しないくせに味に文句つけるやつは、
男だろうが、子供だろうが(←私もそうだった)、寒空に放り出して可。

もちろん、手料理が好きな人、作りたい人は、手料理を作ればいい。
でも料理が嫌いな(私や私の母親みたいな)人が
無理して作ると、家庭内不和の元です。
栄養がとれても心が歪む。
治すのに時間もかかります。
そんなんだったら、米(無洗米がラク!)だけ炊いて
あとお惣菜とかでもいいんです!
食卓は楽しいのが一番!
手抜きして楽しいならOK、と声を大にして言いたい。

学生も疲れてますね。
習い事とか受験とかは多少仕方ないにしても…
別に学校だけが全世界じゃないのに、
そう思わせるようなシステムになっている。
【学校で合わせられないやつが、社会に出てもやっていけるはずがない】
みたいに思わされてる。
そんなことありません。
その学校があなたに合ってないだけです。
だって
【この会社のやり方に合わないやつは、どんな仕事もできん】
とは言われないもん。それ事実じゃないし。
社長がそう言って来たらそれはブラック企業です。洗脳です。

全然関係ないけど
こないだやってた「相棒」(テレビ朝日系列)で、
現地の駐在さんが、
杉下右京の相棒役(反町)のことを指して
「集団行動がとれないなんて警察官失格だ!」
って叫ぶシーンがあったんですが
あれは良かったですねえ。
まさに集団行動がとれないから特命係なんだよなあ。
往年のファンの心をくすぐる名セリフ。
そんなはみだし者の右京さんだって警察官やってるし、
私だって料理嫌いだけど生きてるんだから、
みんな大丈夫だよ!!


つまり、
日本のほとんど人は
無駄な働き方をして疲れて
しなくてもいいことをして疲れて
ちょっとした
癒しとか
ほっこりとかで
(癒しとかほっこりは、だいたい「安価」とセットだ)
自分をだましながら生きている、
ということになる。

おかしいでしょ?

「それがサラリーマンというものさ」はまだしも・・・
(それが矜持でもあったりしますからね)

「それが日本という国さ」とは言いたくないぞ私は。

癒しって言葉が好きじゃないんだよなあ。
私は「(自分を)取り戻す」というのが一番しっくりくるかなあ。

そういう意味では
「癒し/ほっこり」はソフトで、母性的だけど
私はある意味ハードショック(父性的)が効くこともあるなと思っている。

なにか辛いことがあったときに
「よしよし」ってされるより、
適切な強さでゲキを飛ばされた方が
効く場合もあるんじゃないですかってこと。
(もちろん、うつとかにはダメです。その人の特性や状況の見極めが必要)

ま、日本には正しい父性が足りないんだよな。結局のところ。
↑これマッチョイムズじゃないですからねー(笑)
その話はまたおいおい。


というわけで今日のまとめ!!(強引)

癒しとかほっこりに飛びついちゃう人は
今一度「なんで私はそんなに疲れているのか」
を見つめ直そう。

そして本当に疲れてるときは
「高品質なぜいたくな方法」で本当に癒されましょう。
タピオカとかで癒せる疲れは疲れじゃないです…。

そしてこんな時代ですから
本当のぜいたくは、直接・人に・何かしてもらうことだと思う。
(今も昔もそうだけど)

だから
家族や交際相手との他愛のないおしゃべりで癒された~、とか
同僚とごはん行ってグチ言いまくったらスッキリした~、とか
それは本当にぜいたくな、いい「癒し」だと思います(^^)

ご清聴、ありがとうございました。

これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m