2021.4.29 第3回緊急事態宣言中に考えてみた①(長文)

▼仕事だった。たまに寒の戻りのように冷たい日がある。電車はさすがに空いていた。ここのところ、大阪は連日1000人前後の新規感染者が出ていたが、ついに今日は東京も1000人を超える見込みらしい。

変異株が猛威を振るっているということなのだろうか。感染力が増していて若年層もかかりやすく、しかも重症化もしやすい、という・・・。

▼さて、今回で緊急事態宣言も3回目。

1回目は厳しかった。一斉休校というのもあった。みんな怖かったのでおっかなびっくり従った。

2回目は弱かった。最後の方は「宣言が出てるんだか出てないんだかわかんないね」みたいな感覚になった。

さて、今回は。

▼今回の緊急事態宣言による、生活への影響


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各社対応。

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▼上記画像は 「LINE NEWS」 より
https://news.line.me/issue/coronavirustips/8092941cdb18
▼グローバルダイニングは飲食業で、都の時短命令に反旗を翻し、裁判所で係争中である。

(これに、各自治体独自の工夫が加わっているらしい。)

(どれだけ感染防止対策してようが)1000㎡以上の大きな施設は休みなさい(人の流れを止めるためで、その施設が感染の原因になるかは二の次)という感じがする。

1000㎡って言われても消費者からはわかりづらいです。

↓ 私がよく行く場所はにはこんな感じだ ↓

・大きな映画館は休業
 →小さな映画館は営業 
・百貨店は休業。小売りは自主判断
 →やってるところとやってないところがあり
・酒類提供の自粛(←new!)
 →大チェーンでは鳥貴族(我らがトリキ・涙)などが休業
  あとは「酒を提供しないで開ける」お店と、
  もう無視して酒も出して営業する店あり・・・
・都の美術館
 →休業

わがまち・調布の図書館は、建物は休館だが、ネットで本を予約すると数日後に近くの図書館で受け取れるシステムができている。司書さんたちは毎日静かに出勤して仕事をしてくれている。ありがとう。

都内の演芸場(末広亭とか)は、最初は営業継続を宣言した。私の心の中では拍手喝采(噂じゃ太平洋戦争中も閉じたことがなかったらしい)だった。しかし、都に狙い打ちされ、一転、休業することになった。目立つところから叩かれたのか、見せしめか・・・くっそーーーーー。

確かに、ネタやる方も来る方もシニアが多いので、むべなるかなとも思う。が、科学的知見で決めてるわけではないし、法的根拠もない(お願いベース)。なお、「休業協力金はいらねえよ(意訳)」と啖呵を切ったそうだ。か、かっこいい・・・。でもその協力金が1日2万円って一体。どういう計算なのかな・・・。まさか面積とかじゃないよね・・・。

▼言っても聞かないぜ、それが大人だぜ

当局は、去年と同じくらい人の流れを抑制したいのがヒシヒシと伝わってくるが、みんなどんどん言うことを聞かなくなってきている。

今回の宣言が出てもGWの電車の予約は減らなかった、というニュースも見た(もちろんコロナ前よりはずっと低い水準だが)。行く人は行く、ということだろう。私は行かないけど、そういう人たちを止めることもできない。

東京新聞 2021年4月28日 21時54分 (共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/101084


▼言い方がダメ、もっと取引先に言うみたいに言って(©サマーウォーズ)

私は思うのだが、政府や都は「言えば、国民(都民)は黙って従う」とでも思ってるんだろうか? 

何かの組織や集団で1度でも働いたことがあればすぐわかると思うのだが、情報を伝えて100人が100人ともそれを1回で完全に理解し遂行する、なんてことはあり得ない。

そりゃ、CIAとか北朝鮮なら、上の命令ですべての人間の統率がとれるのかもしれない。でもフツーの平和な国の大人たちをナメてもらっちゃ困る。 

12月に人事課が「年末調整提出してください」って10回くらい言っても「忘れましたー」という人は必ずいる。

何かのお願いを聞いてほしければ、聞いてもらえるように伝えないといけない。

私は、これが「お願いする側」の原則だと思う。

プレゼンだって営業だってお笑いだってそうでしょう。「言ったんだから聞いてなさい、聞いてない方が悪い」 そっちの方が偉そうだよ・・・。それに最終的に、聞いてない人がいて困るのは、言う方だから。

だからこの1年、政府や都には本当にやってほしいのか??」と思ってきた。ほんとに思ってる。その言い方で聞く気、やる気になると思ってるの?? 

いや、言い方っていうか、伝え方。別にめちゃくちゃへりくだってほしいわけじゃない。ちゃんと筋の通った説明してほしいだけだし、私たちに痛みを強いるならそれなりの行動をしてほしいだけです。

こういうことで100人全員が納得することにならないのはわかるし、納得してなくてもやらなきゃいけないことはたくさんある。そんなことはわかっている。

でも、言葉の選び方、情報の出し方、姿勢、話し方。全て、伝え方が下手すぎるせいで、めちゃくちゃ損をしてる。

政治家と官僚は全員、演劇をやりましょう(笑)

自分の思ってること・言ったことなんて、他人にはぜんぜん伝わらないよ。びっくりするから。

伝わらないんだ、ということを自覚してからしか、伝える技術は高くならない。

だからヨーロッパやアメリカの政治家の国民へのメッセージを見てると、そういうところは、ちゃんとわかってるんだなと思う。(ただ、それでも、多分守らない人は日本より多いし、死者も多いと思うけど…)

▼オトナの対応

これも忘れてはいけないと思うのだが、そもそも、私たちは今も全て「自粛」で対応しているということだ。

政府(都)が何か言ってきて、「感染を防ぐためなら仕方ない」「本当は従いたくないけど、世間の目があるから従っておこう」などと、一人一人がそれぞれ考えて、たまたま従っているに過ぎない。

いい悪いではなくて、すべて「自粛」で対応して(してあげて)いることを覚えていてもいいと思う。

政府が、変なマスクに何百億つぎこもうが、役人が会食して(案の定)感染しようが、ワクチン確保で後れをとろうが、こっちは特に大きな文句も言わずだまって従って(あげて)いるのである。

ほんと、国が違ったら暴動が起きてもいいレベルだと思う・・・。


▼ケツ持てますか

ちょっと話がそれるが、このウイルスのニュースが出てきた初期の頃から、「経済が止まれば、コロナでよりもっと人が死ぬ」ということが、まことしやかに囁かれ続けてきた。

それが、夏のGOTO(もはや懐かしい)だし、五輪だし、中途半端な緊急事態宣言となし崩し解除だった。

全て「経済側」の意見や反撃が「怖い」からだと私には思えた。

国は、ずっと私たちにダブルスタンダードな(感染防止も、経済も)メッセージを発し、マスコミもそれを拡散してきたと思う。

私だって、資本主義社会だから、「経済」と「人命」がぶつかること自体は仕方ないのかもしれないとは思う。(本当はそれ自体どうかと思うが)

でも、その2つの「優先順位」ははっきりあるはずである。

国民がいなくなれば、国民が「働こう」という気がなくなれば、国の経済なんてものは成り立たない。

国民あっての国であり、国あっての国民ではない。

何かを取ったら、何かを失う。

育児と仕事、みたいに両立できる(ように整える)こともあるが、両立ができないこともある。

私は現首相は、タイミングで首相になっただけであり、本来なら首相になるような人ではなかったと思っている。でもこうやって何の因果か首相になったんだったら、1期で終わって政界引退する覚悟で、バランスとか調整とか言わず、信じることをやればいいと思う。

五輪だって「いやー無理っしょ」と思ってるなら「こんな状況でやりません」と言えばいいだけだ。

「やらないかもしれない」と思いながらも「でも、やるってことになってるから」と政策を作っている官僚とか職員とか、そしてどんどん内定していくアスリートたち。早く言ってあげないと、彼らの傷がどんどん深くなる。

こんなこと言ってるけど、もちろん私だって、五輪内定の池江璃花子選手に「五輪はないです」とは言えない。

言えないよ・・・。 

でも、私がもし首相だったら、私の責任で言わないといけないんだと思う。「もっと早く言えばよかった、ごめんなさい」である。

もちろん、五輪がなくなることで経済的に苦しくなる人も出てくるかもしれない。それもごめんなさい(+適切な補償)である。

みんな未練があるから、後のことを考えるから、言えないだけ。

「いつも心に退職届」だ。

どっちにもいい顔はできない。だってもともとが矛盾していることなのだから。

私は一国の宰相なら、人命と人民の安心感を最優先にすべきだと思うが、「経済を絶対に優先する」という考えなら、そういうメッセージをちゃんと打ち出して、理解を得るように努力すればよい。

結局は覚悟、肚がくくれるかの問題である。


▼帝王のお言葉を胸に

本当に楽しい気分になどなりようもない。

まだ去年の方が、私は楽観的で、諦めもよかった。

この1年、どんどん自分がすさんで、投げやりになっていってるのを感じる。飲酒量も体重も増えるばかりだ(コロナのせいかはわからんが)。

コロナ前も後も変わらず店に行って飲み歩いてる人も知っている。マスクつけない人も増えている。遠くに旅行に行った人の話も聞いた。

「別に私一人くらい」「1回くらい」とも思う。毎日思う。

貴重な春の休みに、映画見に行きたかった。居酒屋に行きたかった。友達に会いたかった。

でも、朝のラジオで、ラジオの帝王こと伊集院光が、ニュースのコーナーのたびに、こんなことを言うのだ。

ルールの設定がうまくいっていないと思うこと、ルールを守らない人がいることと、「じゃあ俺も」と自分もルールを守らないかどうかは、別の話です。

いろいろあって、こうやってる人もいるし、ああやってる人もいる。でも、それは他人だ。じゃあ自分はどうするの? どうしたい? ということなんだろう。

私はコロナ禍でラジオに目覚め、伊集院の朝のラジオと深夜ラジオを両方聞いているが、伊集院へのリスペクトはいや増すばかりだ。

ラジオを聴く前は、伊集院光って体が大きいし「うんちく・クイズ王」のイメージがあって、頭良くて知識自慢で自信家なのかな、とぼんやり思っていた。

実際は、非常に謙虚!で、自分の専門でないことは、ものすごく言葉を選びながら一生懸命自分なりに話し、そして、朝も深夜も、自分の発言したことから逃げない。それはラジオを聴いていれば分かる。誰も傷つけないように、ものすごく慎重に言葉を選んでいるが、言いたいことをちゃんと言う。それでも傷つく人がいる。間違うことがある。その時に自分の言葉にケツ持つ(=責任をとる)覚悟がある。


って、これは政治家(上に立つ人)にまず一番に持っていてほしいスキルなのだが・・・現実には、政権でも会社でも「人を傷つける能力の高い人が出世する」みたいである。


これからも書き(描き)続けます。見守ってくださいm(__)m