「ウィッチャー1~3」プレイ記録

とりあえず最初から

ウィッチャー3は名作として名前はよく聞いていたのですが、ストーリーが1から繋がっているとのことだったのでなかなか手が出ませんでした。しかし突然友人からSteamギフトで全シリーズで送られてきて重い腰を上げる事に。

結果的に前作から引き継いだキャラクターが当然と言わんばかりに知り合いとして再登場するのでやっておいてよかったとは思いますが、まあ古いゲームなので拠点ワープが使えない、やり直せない分岐がある、戦闘がタルいなどでそこそこ難儀しました。そして世界観が暗い、怪物がキモい、戦争が絶えず死体がそのへんに転がってるという鬱屈とした世界観。しかし時間が経つにつれこのごった煮ダークファンタジーにズブズブと魅了されていくのです。

それはそれとして抱く

ウィッチャーは設定として子供が作れないのですが、それにしてもとにかく女を抱きます。娼婦も魔女も妖怪もお構いなしです。ただメインヒロインは別に用意されており、1は献身的な人間シャニとやや高飛車だが愛情深い魔女トリス、どちらかを選ぶことになります。

2は男ヒロイン

嘘です。でもほぼどちらに懐くかだと思う。ロッシュ(人間)もイオルヴェス(エルフ)も大変魅力的で正義に燃える良い男です。ロッシュに至っては敵対しても助けてくれるし。3で肩身が狭いのがとても心苦しい。
ちなみに女性ヒロインはほぼトリス一択となります。だった気がするごめん覚えてない。サブクエも全部やったのに…。

なんやかんやで3へ

半人間のウィッチャーという存在としていくつもの派閥争いに巻き込まれ、戦いを制し、遺恨や情愛を引きずったまま3へと繋がっていくのですが、ここにきてストーリーがいきなり深みを増すというか、モブとのサブクエを含めて人間模様が複雑ながらしっかりと描かれていてかなり面白かったです。というか1からやったせいでどうやっても評価がプラスにしかならない。拠点ワープ使えるし。馬いるし。

そして登場する本妻、イェネファー。

元々1の時点でゲラルドは過去の記憶がごっそり抜け落ちているんですが、その中には彼女の存在も含まれます。ゲラルドの本命であり、精神的にも肉体的にも最強の魔女、イェネファー。
いやね、名前だけは1と2にも登場してたんですよ。ただプレイヤーとしては最早トリスとの関係でほぼ固定されていて、ここが揺らぐとは思わないじゃないですか。ただトリス側としてはイェネファーの記憶を失っていると知りながらゲラルトを介抱しつつ恋仲になる、という泥棒猫状態なのでかなり肩身の狭い立場です。対してイェネファーは鳴り物入りで登場し亭主ゲラルド(初対面の私)に雑用をぶん投げてくる。そして礼もなくさも当然顔。良くも悪くも豪傑です。あの頃(1)のトリスの比ではない…。

一方トリスは魔女狩りから仲間を逃がすため、下水道でコソコソ汚い仕事を頑張ったりしていて、でもこちらに対しては無理して手伝わなくていいから…と態度は控えめ(クエストとしても飛ばせる)。もうこの辺でちょっと私はトリス寄りになってしまうというか、かなり気持ちがグラつくんですけど、でも本妻はあっちだし、ゲラルトくんのタイプはきっとイェネファーだから…と最後の最後でトリスとサヨナラします。この別れで、永遠にトリスルートからは外れます。

ここでなぜかNPCのオッサンがバチクソに説教垂れてくるんですよ。

『彼女の気持ちが分からないのか!?』つって。うっせえよ!分かってるよ!でもイェネファーメインクエにもめっちゃ食い込んできてるんだよ!あんな怖い女と揉めたくないよ!と気の弱い亭主ムーブをかましつつセーブデータを分けておいて、とりあえず先に進みます。

すべてがうまくいくイェネファールート

それからはもう順風満帆で、イェネファーと少し昔を思い出しながら(私にとっては初耳)デートのようなクエを進んだり、ユニコーンの上でセックスしたりとなんか変なプレイを楽しんだあと、最後にイェネファーから「私を愛してる?」と問われます。明らかにここでYESを選べばイェネファーエンド直行ルート。

そこで私は我に返りそこまでの数時間に及ぶ進行データをすべて消し、トリスとの最後の逢瀬(おっさんに怒られる直前の分岐)に戻りました。そしてトリスに告白したのです。おずおずとゲラルトに応えるトリス。灯台の上で少し会話したあと、どこか遠くで一緒に暮らしたいね、なんて言って。魔女として追われる身でもある彼女はそこを立ち去ります。

そんな感じで結局私はイェネファールートを直前で引き返し、トリスルートへ進んだわけです。結局あのイェネファーの質問には答えられないと気づいたあの瞬間(とき)にすべてを悟り……

苦痛しかないトリスルート

その後のメインクエはそりゃもうめちゃくちゃ気まずいです。そもそもウィッチャー3、メインシナリオがほぼ「娘(的な存在)であるシリの救済」のため、妻であり強力な魔女イェネファーの協力を何度も仰がねばなりません。もちろん彼女は協力的だし、嫉妬も嫌味も全く言わず手伝ってくれるのですが、だからこそ苦しい。
イェネファーの気丈な振る舞いに見え隠れする寂しい笑顔…。ねえ…なんでこんな所まで丁寧に描くんですか…。

ラスボスに向けてこれから決戦、という作戦会議のために古い仲間で集まるわけですが、当然のように二人の話題になる。その度別れたと説明するゲラルト。え、あんなに仲良かったのに?ああ…そうなんだ…みたいな…。もうすごい空気…。……助けて…。

で、そのまま最終決戦を終えエンディングを迎えるわけですがこのあたりまで来るともうイェネファーもトリスも出てこないんです。ただただ道中別れた奥さんと気まずい二人三脚を何時間もやらされたという。何だよー!

本来選ぶべきは本妻イェネファー

元々原作小説ではそんな感じだったと思います。いやね、そりゃほぼ不死身の半分怪物みたいな(その上誰とでも寝る)男にはこのくらい肝の座った魔女がお似合いだと思いますよ。でもプレイヤーとしては彼女は選べなかった。というかむしろシャニと付き合いたかった。そんなもやもやと軽い罪悪感とトラウマを抱えながらDLCまで無事クリアしつつ(シャニちゃんルートは選べなかったけどエッチだけしました。最高すぎて泣いた。)ミニゲームのカードまでコンプしました。ほんとボリューミーでした…。

完走した感想

少しホラーだったり、ヴァイオレンスだったりもしつつ、魔法世界と戦争を織り交ぜた堅実なダークファンタジーという要素は通して守っていて素晴らしかったです。アクション面についてはもはや1からやり込んだせいで最後の3ではほぼ不満はありませんでした。

ただここまで練られた相関図と世界観ならゲラルトとしてではなく別の存在でも堪能したかったなあと思ったりもしました。そういう意味ではプレイヤーと操作キャラを限りなくイコールに近づけてくれていたSkyrimの方が自分には合っていたかもしれないです。

それでもゲラルトという強靭な男に憑依して魔女や怪物に振り回されるウィッチャーのプレイはとても痛快で、ときに人情に絆され、ときに選択に立ち止まり、別の角度から物事を観察したりと、色々と試せてとても楽しかったです。でも今からプレイする人はあらすじさっと見て3から始めたほうが精神衛生上は良い。