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住宅購入費の上限額を計算する~事例を交えて

30歳代女性 シングル
地方都市在住
年収500万円

4000万円の新築マンション購入を考えている。
40年ローン(完済は80歳手前)
月支払6万円台
ボーナス払いなし
変動金利
頭金なし。

本人の言い分は、
子供が二人いて、奥さんが専業主婦の場合を考えると、経済的負担は変わらないのではないか?
独り身であるから、住むところくらいは贅沢をしたい。

こんな相談があったとします。
私はおススメしない。
もう少し借入金額を下げた方が良いとアドバイスします。

理由①
頭金は2割から3割を準備するべき
新築は買った瞬間に2~3割値下がりすると言われている。
購入価格に宣伝広告費が含まれているからだ。
もし、購入後すぐに売りに出すことになった場合は、広告宣伝費分が赤字になる。

理由②
ローン返済期間が長すぎる
60歳遅くても65歳までにローンは終了しておくのがベスト。
理由は、収入が確保できる定年退職までにローンを終わらせておかないと、老後の生活に不安。
人生100年時代と言われ始めた。
老後に2000万円から3000万円程度生活費が不足すると言われている。
貯蓄どころか、借金があるようでは長い老後は乗り得られない。

理由③
年間ローン支払額は、年収の3割まで
実際は、月収(手取り)ー月支出額から少し余裕をもって返済額を考えていくのが良いでしょう。
目安としては収入の2割~3割程度で考えるのが現実的。
借りられる上限額で借りる額を考えるのではなく、自分が余裕をもって返済できる額を上限額として考えることです。

上記3つの理由から、購入できる住宅費を割り出すことができます。
(例)
年収500万円(可処分所得350万円≒手取り)
年齢35歳で借入、65歳完済
金利1%
(計算)
年間支払額105万円(350万円×0.3)
1,050,000×25.8077=27,098,085円≒2700万円(借入総額)
25.8077は、年金原価係数と言って、年数と金利から借り入れ総額がわかる魔法の係数です。
ネットで調べると計算できます。
2700万円×0.3=810万円(頭金3割)
住宅購入資金=頭金+借入総額
3510万円=810万円+2700万円
とります。
ただし、頭金を810万円貯めておかないといけません。

年間105万円返済して、退職する65歳までにローンを払い終えることです。
3500万円程度の物件がMAXと考えましょう。

更に、変動金利の場合は、注意が必要です。
金利上昇のリスクがあるからです。
金利上昇すると、月々の支払い負担額は上昇します。
生活に負担とならないように、変動金利を選んだ場合は、借入金額さらに下げて、月々の返済額の負担を下げておくと無難でしょう。

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