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2016/9/19北海道新聞朝刊にコメントが掲載されました

 本日、9月19日(月・祝)の北海道新聞朝刊第13面(教育)に「論理的思考力どう伸ばす 」という見出しで、その記事の中に私のコメントを掲載していただきました。

※著作権があるので、全体をひいて紹介します。

 従来の大学入試センター試験から、2020年度より実施予定の『大学入学希望者学力評価テスト』の国語の試験問題に思考力や表現についての記述式問題が出題されるということで、私には、子どもの言葉の問題について、特に子どもの心理的背景、スマホと人間関係との関連などの取材を受けました。 

 私に関係する箇所としては、

 道内の小中学校でスクールカウンセラーなども務める北翔大の飯田昭人准教授(42)は、スマートフォンの無料通信アプリの「ライン」などで友人らとコミュニケーションを取る機会が増えたことを挙げる。「スマホには書こうとする文章を予測して変換する機能があるため、考えて言葉を使う経験は少なくなる。その結果、何げなく発した言葉で相手を傷つけたり、逆に自分が傷つくことになりがち」と話す。

 と記事にしてくださいました。

 私の前に登場される小学校の国語の先生は、「日常生活で使わなければ言葉は定着しない」ということを、私の後に登場されている国語の指導法に詳しい大学の先生は「普段から言葉を使い、考える訓練を積んでほしい」ということを言っており、私に求められる役割は、子どもの論理的思考力がなかなか定着しない心理的背景について述べることだと、新聞記事を読んで理解しました。

 メールやラインでは、いわゆる「文字」しか送られません(スタンプや絵文字も送ることはできますが)。そこに込められた気持ちなどの心情は、そのメッセージの読み手の心情にとても影響されます。

 例えば、「飯田さん、昨日は元気いっぱいで、みんなにいろいろ語っていたね」という文章ですが、おそらく日常の私の状態であれば、私の明るい一面や人と話すことが好きな私の一面を記載したものだと理解できます。

 しかし、機嫌が悪く怒っているときこの文章を読むと、「何だ?元気いっぱいって、うるさいってことなのか?みんなにいろいろ語っていたって、おしゃべりだって言いたいのか?」とさらに怒りが誘発され、この送り手にその怒りをぶつけてしまうかもしれません。また、悲しい気持ちの時にこの文章を読むと、「昨日はうるさくしすぎたかな・・・。私ばっかりしゃべってしまって、うるさい人間だと思われたのではないか、心配だ・・・。」となるかもしれません。

 つまり、会って話をしたり、電話で声のやり取りをするよりも、今の子どもたちや私たちもよく用いるツールであるSNSなどのやりとりは、相手の表情や声のトーンなど、相手を知る手がかりが少ないことから、自分の表現したことが相手に誤って伝わったり、相手の伝えたいことをその通り理解できないこともあるということを記者さんにお伝えしました。

 私は、SNSの素晴らしさも理解しているつもりです。ですから、ラインやメールなどのコミュニケーション手段も大切にしながら、会って対話を重ね、相手の言い分を理解しようと努力することや、こちらの考えを伝えようと努力することが、日常生活において行われるべきであると考えます。それが語彙力として身に付き、論理的思考力も形成されていくのではないかと考えます。

 このたびも、このような貴重な機会をいただけました北海道新聞に大変感謝しております。

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