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2016/9/24 北海道新聞朝刊(生活)にコメントが掲載されました

 本日、9月24日(土)の北海道新聞朝刊(第14面生活)に「子どもの悩み LINE チャットで」という記事の中でコメントをさせていただきました。

 私に関係する箇所は

「面接につなげる工夫を」

 北翔大学心理カウンセリング学科の飯田昭人准教授(臨床心理学)は「若者にとってLINEやメール、チャットは必須だ。電話よりも垣根が低く、相談しやすい」とみる。

 ただ、文字でのやりとりの場合、相談員が相手に寄り添った言葉を伝えても、相談した側に「冷たい」と誤解されるなど、気持ちがうまく伝わらない恐れがある。こうした行き違いを防ぐには、相談者に対し、文字だけでは誤解が生じる可能性を、事前に理解してもらうべきだという。

 飯田准教授は「相手の心情を理解するには、電話相談の方が適している。子どもの心情を汲み取りながら、LINEやチャットを糸口に、電話相談や面談につなげられる仕組みができれば」と話している。

です。

※著作権があるので、全体をひいて紹介します。

 子どもがかけられる相談電話は、昔からいくつかあります。子どもではなくても「いのちの電話」は、自殺予防に長らく寄与してきた電話相談の老舗のようなものですし、私も最近はほとんど携わることができていませんがチャイルドラインという18歳までの子どもがかけられる相談電話も、子どもの悩みを聞く代表的な相談電話です。

 私自身も、前職の北海道警察本部少年課在籍時は、週に1〜2度、少年相談110番という警察が行っているフリーダイヤルの相談電話を担当していました。

 電話相談は、かけ手からすると、匿名性ということから、比較的容易にかけることができるのもその特徴です。でも、子どもたちの中には、不安が高く、やっとの思いで電話をかけてくれた方もいます。

 また、あまり知られていないかもしれませんが、電話相談はいたずら電話(本当は「いたずら」と断言してはいけないですが、からかいや性的会話を好むものなど)が多いのもその特徴です。やはり匿名性があるからだと思います。

 一般的に、相談者を理解しやすいのは面接>電話>メールだと、私は考えます。前の記事にもアップしましたが、メールやLINE、チャットは文字情報しか相手を理解する情報が表示されず、電話は音声が、面接は音声にプラスして相手の表情や仕草なども読み取れます。

 今回の、LINEでも相談できる、札幌市男女共同参画センターが主催している「ガールズ相談」はとても今の時代を反映したものであると思います。

 今回の記事の、私の中での重要な点は、LINEやチャットなどの、①文字情報のみのやりとりであることと、②ある程度ライブで、すぐ返信する必要があることの2点の特徴をふまえ、相談を受けることは本当に難しいということです。

 文字のみの記載を読んで、その相手が何に悩んでいるのか、そして悩みに対して、何をこちらが伝えるのか、これは実は難しいことだと思います。例えば、中学生や高校生の失恋を例にすると、①失恋をして生きているのがつらく、さしあたってもう少し楽に生活するためにどうしたらよいのかという具体的な助言を求めている場合もあれば、②失恋をしてしまい、自分自身が否定されたような、そしていつまでも一緒にいられると思っていた人といられない喪失感を抱えながら、私はどう生きていくべきなのかという相談は、本来は助言ではなく、今の自分の気持ちを心から分かってほしいという、共感してほしいというのがその根底にある場合もあるでしょう。

 上記②のような場合は、LINEやチャットというツールは、面接よりも難しいと思います。ですが、否定しているわけではありません。LINEやチャットという子どもたちになじみのあるツールを用いながら、具体的なアドバイスや、共感する姿勢を伝えることで十分相談のツールとして成り立つと思います。

 今後の課題として、相談内容への対応に悩む場合は、スーパーバイザーのような相談の受け手が相談できる立場の人が身近にいたほうがよいでしょうし、具体的なアドバイスだけではなく、どういう思いで「ガールズ相談」を利用しているのか共感を示すこと、また、医療の力を借りた方がよい方もいますので、そういうリファー(他機関への紹介)ができるような体制づくりも大切でしょう。

 実は、お知り合いの菅原さんが男女共同参画センターを代表してコメントをされていてびっくりしました。菅原さんは男女といった性別に関係なく、人間が当たり前のように生きていくために障壁になっている事柄に対して真摯に問題提起され、それらの問題に日々取り組んでいらっしゃいます。菅原さんと共演(?)できたことを大変うれしく思います。

 また、私を取材して下さった北海道新聞のKさんは、私の話を真剣に聴いてくださり、これまで取材されてきたことを分かりやすく伝えて下さり、こういった問題に強く関心をお持ちくださっていることに大変嬉しく思いました。Kさんとは高校の同窓生ということも後で分かり、さらに嬉しくなりました。

 まだまだ私自身のコメントは浅いですが、これからも精進していきたいと思います。このような機会をいただき、本当にありがとうございました。



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