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バッハの旋律を夜に聴くより横須賀歌麻呂さんの膣痙攣のネタを朝に思い出す


幼少期に見ていた世にも奇妙な物語の『迷路』という軽くトラウマになった作品と1番好きな映画『ターミネーター2』には、大尊敬している横須賀歌麻呂さんが詰まっている気がする。

『迷路』のざっくりとしたあらすじは、
閉鎖されたテーマパークに存在する巨大迷路の取材のために男女三人が訪れる。
三人は、迷わないように入り口から糸を引きながら中心部に進んで行くが、気付くとその糸は千切れコンパスも効かなくなり、上から様子を覗くとその『迷路』自体が成長していることにも気付く。
さらには、その求めていた金塊がミノタウロスの頭の形をしていてこれを頭から被りミノタウロスと化したこのテーマパークに取り残されていた時間が止まったヤバい男が剣を手にし主人公達を殺しにきたり、それで不安になった仲間達も殺し合いを始めたり、ロールプレイングゲームのようなワクワクする展開かと思いきや、喘息の日に体育見学した次の体調大丈夫なときに限っての「好きな人同士で二人組を作ってください」くらいトラウマものだった。
そして、最初に出会った物語のキーワードを言ってくれそうな老人が、この迷路を造った博士だった。
物語終盤、命からがらミノタウルスから地図を奪い生き延びていた主人公がまたその老人と出会う。
「金塊の欲望に負けず、ミノタウロスに挑んだ君ならこの迷路から出る資格がある」と言う老人。
「地図はあるがどう進めばいいか分からない」と言う主人公。
老人は、手に持っていた水の入った瓶を地図に垂らす。すると不思議な事に入り口を指し示す道だけが黒く染まり始める。
「この道を辿れば入り口に辿り着く事が出来る」と言う老人。
「では一緒に出ましょう」と誘う主人公に、老人はこの迷路を観察するのが楽しいと、誘いを断る。
仕方なく主人公は1人入り口に向けて進んでいくと、そこには最初の糸が伸びているのだった。何故かこの最後の老人と主人公のやりとりが横須賀さんのことを思うと脳内に出現する。

そして、ターミネーター2は、下ネタがないだけの横須賀歌麻呂さんだ。
シュワちゃん、ジョン、サラコナー、T1000その他殺される人々など、全部横須賀さんが演じていたコントの住人に見えてくる。
全てが横須賀さんで紡がれて、溶鉱炉のシーンでさらにボロ泣きできる自信がある。

私は、その偉大なる大先輩へ2018.2019.2020.2021.2022と5年連続5度のクリスマスを捧げている。
お会いしてから蜜を求める蜂のように毎年クリスマスイブの単独ライブに通い続けて、4年目の「エロコント発表会」でお手伝いにも入らせて頂き、最終的に一軒目酒場で朝まで男の○吹きの話などをサシでさせて頂けたとき、見て見ぬふりをしていた思春期からいつまでも消えないじめじめとした暗い「性」に対しての色んな悩みがまるっきり吹き飛んで、むしろそれも含めて好きになって、その好きになるということはあらゆる物事に対して肯定することになって、それはもうこの世界が好きだということに気付いて、生き方が人生の向き合い方が変わっていった。セミナーだったのかもしれない。

はじめてお会いしたのは『苦肉祭』という米粒写経の居島一平さんが主催する最強ハードコアピンネタライブで客席から観ていたときだ。
ヤ◯マンとヤ◯マンの一人二役漫才をされていた。

上品でハイセンスな下ネタ一筋の芸風に痺れただけじゃない。理論立てた説明より本能的というか天文学的な宇宙の法則かもしれない脳汁が溢れて細胞が活性化して心が震えた。
私の希薄で細波な身体と感情にこんな血と汗の匂いと心の衝動が現れたことに動悸が止まらなかった。この濃厚な記憶を拙い私のアウトプットの力だが右腕が腱鞘炎になるまで手記に収めたい。

沢山ある中で最高にカッコ良かった記憶が、単独ライブ終わり打ち上げの会場に向かうまでの、単独ライブ終わりとは思えない荷物の少なさだった。
ジャージの衣装が入ったハンドバッグを一つだけ担ぎながら、「おれ最強のやり方を見つけたと思ったらこれ落語だったんだよなぁ〜」と1人で何役もこなすコントのスタイルをフランクに語って頂いたとき、心が痺れてその場から動けなくなり背中を見失い打ち上げ難民になるところだった。

「包み隠さずはっきりと下ネタを言うところが凄い
んだ!」
「いや違う!下ネタを超えたところの文学的な発想や演技力いやコント師として横須賀さんは凄いんだ!」

親友のロングホーン尾崎と横須賀さんの魅力に対しての見解で喧嘩になったことがあった。

大抵なんでも退く私としては珍しく熱の入った言い合いだったから自分でも怖くて、数少ない友達を失いたくない理性とのせめぎ合いに必死だった。

そして、こんなこと当の横須賀歌麻呂さんが望むことではないなと思い、2人ともしゅんとしたのを覚えている。

「チンありきのポコだろ!」

クイーンのAnother One Bites the Dustが頭の中に流れながら、サングラスを外した横須賀歌麻呂さんのつぶらな瞳が全て包み込む。

部屋に貼ってある『東京アディオス』と『YARIMAN HUNTER』のポスターを見て、今年も充分過ぎるクリスマス🎄でございます。


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