見出し画像

あたたかな火を眺めながら、ほくほくな食を味わう。石乃濱田が届ける、みかげ石の美しい石乃炙り鉢


ー作り手

イメージ

北陸の寒暖差が激しい環境でも耐えるみかげ石を石工の目で選び抜き、繊細な手作業でひとつひとつ製作しています。デザイン網は燕三条の金属加工業者さんに特注で製造して頂いています。

今回ご紹介するのは「炙り、旨味が増す石」をコンセプトに、炙り鉢やお皿を制作されている石乃濱田さんです。富山県滑川市で4代続く石屋として、墓石や神社仏閣、建築など大口の機械加工を中心に多くの石材工事を担ってきました。

北陸の厳しい環境に合わせて国内外から厳選した高耐久でツヤ持ちが良い石材です。製造では墓石、神社仏閣、建築などの一般機械加工に加え、仕上げに手加工技術(石割加工・斜め掘り抜き加工・細部の溝切・グラインダーでの削り込み)を施しています。 これらの石材は硬度が高く加工するには高い技術が必要です。

みかげ石は非常に硬いため、高度な加工技術を必要とします。石を削り出すまでは機械によって行うことができますが、中をくり抜いたり網を乗せる、溝を掘るといった細かな作業はすべて職人の手作業で行われています。

画像1

『石乃炙り鉢』はスルメなどの干物、干し芋、お餅といったお好みの食材を、卓上でキャンドルの火を利用してじっくりと炙ることができます。みかげ石から発生する遠赤外線の効果で食材を芯からあたため、ふっくら、ほくほくした食感となり、旨みをより引き立ててくれます。あたためながら香りを味わうのもまた楽しみです。

画像2

使用されているみかげ石は3種類。黒い炙り鉢で使用されている『黒みかげ』はインドなどが主な産地であり、落ち着いた光沢と均一な美しい黒色が魅力の高級石材です。

画像3

やわらかな風合いが食卓に馴染む『黄みかげ』はさび石と呼ばれ、中国などが主な産地です。インドや中国で採掘されるみかげ石は10億年から25億年前にマグマが固まり地表に現れたものだといわれており、とても硬く風化しづらいものです。

画像4

赤茶と黒のコントラストがおしゃれなこちらの炙り鉢は『赤みかげ石』が使用されています。主な産地はブラジルなど赤道近くに集中しており、華やかな見た目と超硬質であることが特徴です。まだら模様によって、汚れが目立ちにくいことも嬉しいポイントのひとつです。

画像5

炙り鉢の他にも、同じくみかげ石を使用したお皿も。熱伝導製が高いため、冷蔵庫でキンキンに冷やせば刺身やお寿司が乾燥しにくくなり、一般的な陶器などのお皿と比較して美味しい状態を長く保つことができます。重厚感のある石のお皿が、普段の食卓に上質なひとときを演出してくれるでしょう。

画像11

なかなか身近に触れることのない石という素材。長年、石工として墓石制作や建築に携わってきた石乃濱田さんが、こうして新たな石の可能性を模索し形になさった経緯について詳しくお話をうかがいました。

ーものがたり

画像9

富山県滑川市で4代続く石屋として社会の要望に適合してこれからも事業を持続させるために、既存商品とは異なる分野への挑戦を商品デザインを通して行いました。弊社は石工として、石の新たな価値を発見していくこと、精度の高い手加工によってでしか生み出せない商品を作り出すことでこれからの石工業界のベンチマークなることを目指しております。

現在の日本における石材産業は縮小傾向にあり、高度な技術を持っていても石の魅力を伝え生活に取り入れてもらう機会も同時に減っています。そんな中、『石の新たな価値を発見したい』『職人の手による、精度の高い加工でしか生み出せないものを』と立ち上がったのが石乃濱田さんでした。

画像7

外部のデザイナーと連携し、商品開発が始まりました。互いにアイデアを出し合う中で、工房がある富山県滑川市の特産品であるホタルイカをはじめとする豊富な食材を炙って楽しみたいという意見が出ます。石ならではの重厚感、保温性、食材を遠赤外線の力であたためることができるなど、炙り鉢はぴったりのアイデアでした。そして何より富山県滑川市だからこそ生まれた、石乃炙り鉢によって食を楽しむことができる新たな食体験の提案となったのです。

画像9

日本橋とやま館でのプレ発表を皮切りに、2018年にはギフト・ショーLIFE×DESIGN「ACTIVE CREATORS」へ出展し、同年に公式オンラインショップをスタート。さらに京都の酒屋「益や酒店」での販売、「ANAインターコンチネンタル別府」での採用が決まりました。石と石工業界の未来を想い、新たな発想での挑戦を始めてから約4年。その熱意と石の可能性が、確かに多くの人に伝わったのです。

ー想い

炙り1

素材感あふれる小型のデザインと、ゆっくりと炙りながらこもれ出る石あかりを楽しむというシーンと機能を重視しました。

『石乃炙り鉢』は、長い時間をかけて生まれたみかげ石の穏やかな美しさと食卓に灯る火を眺めながら、ゆっくりと食材を味わうことができます。目の前で炙られることで豊かな香りがいっぱいに広がり、五感で食を楽しむことができるでしょう。「おうちでゆったりと楽しんでほしい」そんなあたたかな願いが『石乃炙り鉢』には込められています。

画像11

地元のホタルイカ加工業者とも協業し、ホタルイカを干した「漁師のおやつ」とのセットもあり、意匠性の高いパッケージでギフトにも最適です。

富山県の美味しいホタルイカを炙って楽しみたい、という想いから始まった『石乃炙り鉢』。地元の加工業者さんと一緒に、美味しさと豊かな食の時間を届ける商品展開も始まっています。

雪深い富山から生まれた、あたたかな火を灯す『石乃炙り鉢』と食材の旨みを長く楽しめる『石の皿』で、ゆったりと美味しい食事を味わってみてはいかがでしょうか。


ー作り手情報


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?