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身に付けて初めて完成する、研ぎ澄まされたシンプル。モノと人の美しい関係性を構築する、Atsukeのアートピース

—作り手

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個性的なかたち、印象的な質感のアクセサリーを発表しているAtsuke(アツケ) 。Hazuki Watanabeさんがシルバー925をメインに、耳飾りやバングル、首元を引き立てる装身具を制作しているブランドです。

ブランド名の由来は、新潟県の方言である「あつける(預ける)」から。この言葉には、ご自身のお祖母さまとの思い出が関わっているそうです。

祖母が大切なものを私にあつけてくれたように、誰かにこの作品を託 したいという願いが込められています。

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Hazuki Watanabeさんは元々、ジュエリーではなく器ものを作っていたそうです。その経験から、ジュエリーも一般的な方法であるキャスト(鋳造)ではなく、板物から一つ一つ切り出しています。

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その後、ハンマーを使って凹凸を作り出したり、ロウと呼ばれる合金を接着剤として、金属同士を接合し、成形します。

作り出される形はそのような制作方法から着想されており、特有の形をしています。

他では見られないAtukeの個性は、独自の制作方法から生まれているようです。

—ものがたり

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ブランド開設以前は東京を活動拠点としていましたが、コロナ禍をきっかけに活動拠点を地元である新潟県に移すことを決断されたそうです。

生まれ育った地域と改めて向き合ううちに、この場所で腰を据えて活動していきたいという思いが生まれ、Atsukeを始めることになりました。

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さらに、大きな器やオブジェクトなどサイズの大きな作品を手がけていた時代に、あることを感じるようになりました。

ただ眺めるだけではなく日常的に向き合い、関わり合うことの出来る作品が作りたいと思うようになりました。

そこから、「手にする人自身に寄り添うパーソナルなアート作品を作る」という方向性が固まっていきました。

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置いてある姿よりもつけた時の方がぐっとくるような、付けて初めて完成するようなジュエリーを目指しています。

ブランドコンセプトは「 "Art piece for yourself" 身につけることで完成する、あなた自身のアートピース」。Atukeの世界観は、ジュエリーと着ける人、どちらが欠けても完成しないのです。

—想い

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Atsukeのシルバージュエリー制作へのこだわりは、前述した板物からの切り出し、ハンマーによる打ち出し、ロウによる接合による“特有の形”だけではありません。

仕上げの表情にも拘っており、梨地仕上げや鏡面仕上げ、金属を溶かしたテクスチャなど、多様な表情のものを制作しています。

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梨地(なしぢ)仕上げとは、金属の表面に微細な凹凸を付け、果物の梨のようにざらざらとした表面に仕上げること。鏡面仕上げとは、鏡のようにピカピカに仕上げることです。

素材の持つ表情の豊かさや強さに強く惹かれ、作品に落とし込みたいと思った部分をトリミングしてブラッシュアップしているような感覚でいつも制作しています。

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Atsukeの作品は、どれもシンプルでありながら個性的で、素材の強さが感じられるようなものばかりです。

根底にあるのは、伝統的な工芸の技術や、素材を魅力的に思う心です。全ての着想は制作の中で得られ、それらをモードに昇華しています。素材そのものが持つディティールを大切に、長く愛せるようなつくりものを目指しています。

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素材自体の魅力を生かした作品は全て一点もの。そんな個性あるジュエリーと自分が一つになった姿は、どんな風に映るのでしょうか。Atsuke のジュエリーの“完成形”、ぜひご自身でつくり出してみて下さい。

—作り手情報



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