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自然をモチーフにした横浜染め。心晴れやかに、健やかに暮らしていく力を与えてくれる、AMONGのテキスタイル

—作り手

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本当に欲しいものはなんだろう?
そこからAMONGのコンセプトができました。
私たちが本当に欲しいものは、どんな時も心晴れやかに、健やかに暮らしていく力だと思います。
どんどん世の中は変化して、これまでの当たり前はあっという間に当たり前ではなくなっていく。
選択肢がたくさんあるのはとっても素敵だけど、だからからこそ、どうしよう?と迷うことも増えていると思います。

“横浜染め”のストール・スカーフやバッグなどのものづくりをしているAMONG(アマング)さん。横浜染めとは、その名前の通り、横浜でつくられたテキスタイルのことです。

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横浜はハンカチやスカーフの産地として120年の歴史があり、その技術は世界的に高い評価を得ています。1859年に横浜港が開港すると、多くの外国商館が集まりました。京都からは西陣織の職人が、江戸からは浮世絵師が横浜に集結し、海外の知識を吸収しつつ発展したのが、横浜染めです。

現在、工場の数は減少しましたが、今もなお、横浜は誰もが知る一流ブランド品のスカーフやハンカチの産地です。

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AMONG(アマング)とは、英語の前置詞で「(複数のものの)間」という意味で、ものともの、人と人の間などで新しいつながりを作っていけたらという思いを込めています。

AMONGさんの作品には、3つの特徴があります。

①自然モチーフの大胆なテキスタイル
②ユニークなネーミングに心が晴れるメッセージ
③日本の職人の技でものづくり

AMONGさんのテキスタイルは、デザイナーの金子さんと中村さんの体験や発見を元に、作られます。

日々の暮らしの中で感じたこと・考えたことを2人の会話のキャッチボールを通じて、デザインに落とし込んでいきます。自然や植物が主なモチーフになっており、大柄でおおらかな色柄が特徴。
そうしてできたデザインは世界に2つとない、思いのこもったオリジナルのテキスタイルとなります。

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また、全てのAMONGのテキスタイルにはユニークな名前とメッセージがついています。

売っているのはスカーフやストール、バッグなどの「物」ですが、お客様が、どんな時も心晴れやかに、健やかに進んでいけるヒントを身近に感じていただけるよう、ユニークなテキスタイル名とメッセージを記した「言葉カード」を商品と一緒にお渡ししています。 

そして、冒頭で紹介したように、AMONGのテキスタイルは横浜で染められています。

手捺染(てなっせん)という独特の製法で生地を染めていきます。工場では職人達が捺染前の白布を貼り、一色ごとに捺染型をのせ版画を擦るように隙間なく色糊を擦っていきます。その後、蒸すことで染め上がります。

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こちらが、横浜にある手捺染工場の様子。1反分の生地を張り、型を使って職人が手で染めていきます。

手捺染製法では細かい工程を経ることで、布地の質感を損なわず、繊細で奥行きのある色柄を鮮やかに表現することができます。全ての工程に高い技術が必要とされます。

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AMONGさんの代表作品はストールとスカーフ。それぞれ、コットンとシルクレーヨン素材があり、正方形のスカーフと長方形の大判ストールを展開しています。
その他にも、ショルダーやトートのバッグに加え、エプロン、ペンケース、ハンカチ、かぼちゃパンツなどの雑貨や、財布、カードケースなどの革小物も制作しています。

—ものがたり

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ブランドを立ち上げたきっかけは、金子さんが中村さんに声をかけたことでした。

同じレストランで勤務していた金子と中村が、ほぼ同時期に退職し、数ヶ月後の2014年春に再会した際、金子が「一緒に何かをしよう」と声をかけたのがキッカケです。どんな事業を立ち上げるか2人で模索し、たどり着いたのが「テキスタイルをデザインし商品化する」ということでした。中村の地元・横浜が染めの産地だったことから、染色工場を探し、生地作りをスタートしました。

同年8月には2人が出会ったレストランでファーストコレクション展示会を開催。以降、オンラインショップと並行し、新宿伊勢丹・銀座松屋をはじめとして、全国の百貨店などで期間限定POPUPショップに出店しています。

AMONGさんの作品は、どのように生まれ、出来上がっていくのでしょうか。

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まずは、デザイナーの金子さんと中村さんが、原画を絵の具などで描く作業から始まります。それをデータ化し、横浜にある捺染工場で染色。製法は【手捺染製法】といい、熟練の技を有した職人が全て手作業で、型を使って染め上げます。

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その後、横須賀にある縫製工場で職人が縫製し完成します。

バッグや雑貨も同様に、帆布生地を使い、ストールやスカーフと同様の捺染工程を経て、日本各地の縫製工場で職人が縫製しています。

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革小物は牛革を使用。金子さんと中村さんが直接、革に柄を描いた後、革職人が裁断・縫製をして完成します。

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手描きのタッチそのものを使うからこそ、お二人の制作の躍動感や楽しい空気感が、出来上がった作品からも生き生きと伝わってくるようです。

—想い

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ブランドコンセプトは、“心晴れやかに暮らすヒントを届けること”

伝統ある手法や職人の技術に斬新なアイディアを加え、日々の暮らしに役立つ大胆でカラフルなアイテムを提案。「心が晴れやかに、健やかに進んでいけるヒントが身近にあったらいいな」との思いから、メッセージを込めて、ものづくりをしているそうです。

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こちらのデザインは、AMONGさんの代表的なデザインでもある「桃栗三年柿八年」柄。その名の通り、桃・栗・柿をモチーフにして描かれています。

過去にデザイナー2人がいろいろ行き詰まった時、ある方に「時間を味方につけて進んでいこう」、「スピードや効率を求められがちな世の中だけれど、じっくり時間をかけることも大切、時間をかけないと分からないこともある。白黒つけるだけが正解じゃなくて、グレーな状態を小脇に抱えたまま前に進んでいく」ことを教えてもらい、その時の気づきと安心から生まれた柄です。

このように、それぞれのデザインには、おふたりのストーリーや想いといった、メッセージが込められているのです。

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よし!と、ぱあっと心が軽くなる道、明るい気持ちになる方向を選んで進んでいきたい。
誰かのひと言でこだわっていた考えが抜け心が軽くなったり、美しい海を眺めてふつふつ元気が湧いてきたりすることがあると思います。
おおらかで伸びやかな草木の形や、長い年月を経て出来上がる地層に大自然の不思議を感じて、今に感謝することもあると思います。

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私たちのそんな体験や発見がものづくりの原点。
心が晴れやかに、健やかに進んでいけるヒントが身近にあったらいいな、との想いから、メッセージを込めてデザインしています。
使ってくださるみなさまと共感したり、励ましあったり、笑いあったりしながら、今日も明日も愉快に過ごしていけたら嬉しいです。

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自然の雄大さやおおらかさを、そのまま身に纏っているようなパワーが得られる、AMONGさんの作品。その明るく爽やかなデザインは、ファッションのワンポイントにもぴったりです。
それぞれのデザインのストーリーも、iichiの作品ページで読むことができます。ぜひ一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

—作り手情報




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