お客様を深く理解しているからこそ、よりスムーズな運用のためのサポートや提案ができる。伊藤忠インタラクティブのWebサイト運営の視点。
多くの医薬品を世に届け、ブランドサイトも多数保有する医薬品メーカー・エスエス製薬株式会社様(以下、エスエス製薬様)。伊藤忠インタラクティブ株式会社(以下、IIC)では、10年に渡り業務委託を受け、コーポレートサイトを中心にサイト運営を行っています。
人の健康に関わる製薬会社のサイトだからこそ、間違った情報を掲載してしまったり、不具合を発生させてしまったり、といった事態には一層注意しなければなりません。また、長く運用を続けていくには「いかに効率よく継続していけるか」も課題になります。これらを踏まえて、デジタルコマース事業部のメンバーに、どのように運用に取り組み、どのような点を大切にしているのか、お話を聞きました。
サイト運営の外部委託を検討されている方は、ぜひご一読ください。
◎interviewee ----------------------------------------------------------------------
・デジタルコマース事業部 ビジネスソリューショングループ
猪鼻沙織
・デジタルコマース事業部 テクニカルエンジニアリンググループ
横山智恵
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■インフラ運用から製品の説明書更新、コンテンツ制作まで幅広く対応
――エスエス製薬様のサイト運営において、IICはどのような役割を担っていますか?
猪鼻:サイトの構築・更新・コンテンツ制作など、コーポレートサイトの運営に関わる、多岐に渡る業務を担当しています。
具体的な業務内容としてまず挙げられるのは、下地の構築です。ウェブサイトが稼働する環境の構築・運用・保守といったインフラ運用や、ニュースリリース・更新情報などを登録するためのCMSの開発・運用・保守などを行います。
こういった下地を構築した上で、新CMの発表や新製品の発売、各製品のブランドサイトの更新などに合わせて、キービジュアルの変更やお知らせの更新といった作業を行い、もし製品の取扱説明書に変更が発生すればPDFファイルの差し替え作業も行います。なお、製品のブランドごとに設けられたブランドサイトに関しては、代理店から納品いただいたファイルをアップロードする作業をしています。
ほかには、サイト内のコンテンツの一つであるクイズの更新や、プレゼントとして用意しているカレンダーのデザイン提案・制作など、コンテンツ制作も担当しています。
なお、新しくコンテンツを作る際は、お客様からご相談をいただき、都度対応しています。例えば、昨今の感染症が流行り出した頃、エスエス製薬様の製品の使用について話題になった際には、説明のためのQ&Aを急遽アップしました。また直近では、春節の時期に中国の方が来日されることを見越して中国語や英語のサイトをリリースするなど、柔軟に対応しています。
――サイトを運営していく際の、IICとお客様とのやりとりについて教えてください。
横山:お客様に行っていただくのは基本的に、私たちに指示をしていただくことと、完成したサイトをご確認いただくことが主です。例えば、コーポレートサイトの更新依頼をいただいた場合は、まず私たちに更新内容をご指示いただきます。そのご指示をもとに私たちがサイトを更新し、公開前にテスト環境にアップ。そのテスト環境でのご確認を、お客様側で2回行っていただきます。いただいた情報を確実にアップするというところが肝になるので、この本番公開前のテスト環境でのチェック時には必ず2段階で確認を行います。
このように公開前のチェックは綿密に行っていただくものの、基本的な作業はIICで行っていますし、修正指示などのやりとり自体も基本的にタスク管理ツールで完結しますので、ご負担感は軽減できているのではないかと思います。
■正しくスケジュール通りにアップするためのチェック体制や調整
――エスエス製薬様のサイト運用をしていく上で気を付けている点、大事にしている点を教えてください。
猪鼻:私の場合は新しいシステムや機能の開発についてご相談いただくことが多いため、「継続的に運用を回していける、現実的な設計になっているか」という点を重視しています。ご依頼いただいた機能は、技術的に作ること自体はできると思いますが、その後もずっと運用する必要があるため、後々お客様の手間が増えないよう、複雑すぎない設計にしなければなりません。お客様側で準備していただくものを整理したり、運用を楽に回せるかどうかを話したりしながら、どうするのが一番良いのか、あるいはそもそも「やるか・やらないか」などをお客様とじっくり相談するようにしています。
横山:普段の運用の上では、いただいた原稿をきっちり正しくアップすることと、スケジュール管理が大事な点です。
原稿のアップでは、デザイン崩れの有無や文言の誤りがないかをPCビュー・スマホビュー両方でチェックします。文言については製薬会社ということもあり、先方にご確認いただく工程も必ず設けるようにしています。ブランドサイト用の原稿では、代理店からデータをいただいた際、合わせて支給されるリストと突き合わせてデータに抜けがないか一つひとつチェックしています。
スケジュール管理については、コーポレートサイトもブランドサイトも1枚のエクセルシートにスケジュールをまとめてお客様と共有しています。複数のサイトで更新が発生するなど進行が立て込んできた際には、優先順位などを確認しつつ、必要に応じてスケジュール調整しながら進めています。
猪鼻:複数のコンテンツの更新が重なっている場合、一部の進行に遅延などが起こると混乱しがちなので、スケジュール管理は大切ですよね。スケジュールについては、薬効に関するコンテンツはお客様のほうで薬事承認が必要なので、早めにチェックに回すといった細かな調整も心掛けています。
■継続して更新を任せていただくからこそ、飽きさせないコンテンツ作りに尽力する
――クイズやカレンダーなどの楽しめるコンテンツも定期的に更新していますが、これらについて工夫している点はありますか?
猪鼻:まず、デザイン提案などを担当しているカレンダーについてご紹介します。これは、サイト内で2ヵ月に1回更新しているオリジナルカレンダーで、データをダウンロードして壁紙としてお楽しみいただけるというコンテンツです。そのビジュアルにエスエス製薬様の公式キャラクター「ピョンちゃん」を毎回登場させており、「いかに見せ方を変えて、飽きないデザインにするか」を工夫しています。
キャラクターのレギュレーションがありますので、その中でいかに今まで御提案していないデザインを作成するかがポイントです。社会的にも感染症ムードが終息しそうな雰囲気が少しずつ出てきているので、2023年は旅行をイメージしたデザインも採用しています。
横山:回答するとプレゼントがもらえるクイズコンテンツ「ピョンちゃん耳よりクイズ」のバナー制作も、意識している点はカレンダーと同様です。季節ものの内容ですと、雪や花粉など毎年同じようなデザインになりがちなので、飽きが来ないよう変化をつける工夫が必要です。過去の担当者の制作物に負けないように頑張らないと!と思っています。
■安心して任せられる確かな対応力で、複雑化した運営を一本化
――IICにサイト運営を任せた際に得られるメリットは何でしょうか?
猪鼻:複数のサイトや代理店の管理を一括で対応し、お客様のご負担を大きく軽減できる点です。エスエス製薬様のケースですと、ブランドサイトが10個あり、それぞれ担当している代理店も異なります。多くの代理店とやりとりしていると情報をまとめるのもひと苦労なので、そこを一括対応できるという点で特にお役に立てると思います。
横山:そうですね。サイトや代理店が増えるほどスケジュール管理も混乱しがちなのですが、一つひとつ整理して、確実に対応していくのが私たちの仕事です。安心してお任せください。
猪鼻:なお、エスエス製薬様とのお取り組みに関しては、「10年に渡るお付き合いがあり、これまでの変遷を詳しく把握している」という点が、様々な場面でお役に立てていると思っています。
例えば、先方の担当者様が変わった際には「前はこうやっていましたよ」などと、これまでのお取り組み内容をお伝えしつつ、サポートさせていただいています。また、サイトのリニューアルを行った際には、長年の運用経験から現行サイトのコンテンツ一覧やそこから流用できるデータなどを把握できているので、新たにご準備いただく素材の数が減り、お客様の手間を軽減できました。
エスエス製薬様とそういったお付き合いをさせていただけていることや、そこから得た貴重なノウハウは、ほかの企業様から新たにIICにウェブサイト運用をご依頼いただく際にも強みになると思っています。「こんなコンテンツに挑戦したい」「複雑化した運用を改善したい」など、サイト運営にお困りの企業様は、まずはお気軽にご相談ください。