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井伊の嫡流でありながら、江戸時代を通じ諸所を転々とした挙句越後与板二万石に落ち着いたものの、時には彦根藩の先兵扱いを受けた与板井伊藩。その臣として幕末井伊直安治世、諸奉行に任じた向山新之右衛門着用の具足が発見されました。二万石の家における五十石は藩中の上士であり、その珍しい形式(腹巻式具足)と相俟って与板井伊家家臣幕末期使用の基準が窺い知れる貴重な発見となりました。 特に兜の飾りである「前立物」が彦根藩のような長い金の天衝(てんつき)ではなく、小型の銀の半月(三日月)