【ミステリ小説】Purgatory?~不可視の殺人~ 第二章 事件(4)
エレベーターが3階に着くと、一行は降りた。ここは先ほど視察で訪れている。研究室が多くある研究フロアだ。
一行が少し歩くと、フロアの光がふわっと消え、真っ暗になった。電源が切れるのは2回目だ。一同ざわっとする。
「えっ、なになに…!」
美代子が左右上下を見渡す。
「おそらく、非常用電源がまた消えたのでしょう。やはりあそこでエレベーターを降りておいて良かった」
九十九が周囲を見ながら答える。その時、フロアが少しだけ明るくなった。深雪が天井を見ると、小さな電灯が廊下に沿って