日本のNFT市場はバブルなのか?
イケハヤです。
Bento Sanのおかげで、急速に日本のNFTコレクションの取引が増えています。
こちらが4日前のデータ。全体の出来高は、10ETH以下でした。
今日のデータがこれ。
なんと、1位のKawaii Skullだけで318ETHです。全体の出来高は、400ETH、つまり数日前の40倍になっています。
何が起きたのかというと、
・LAGのリリースが大成功した
・RTFKT創業者のBentoさんが日本のコレクションを推した
上記の2つの要因が重なって、急速に取引規模が大きくなった流れです。
で、今回は「これはバブルなのか?」ということを考えたいと思います。
結論:バブルではない。
先に結論を書くと、もちろんこれはバブルとはいえません。
正確に記述すれば「売れるポテンシャルがあったコレクションが、ようやく売れ始めた」だけの話なのです。
RTFKTの弁当さんのツイートをどうぞ。日本のコレクションはイケてるぜ!と絶賛してくれてます。
本来価値があったものが評価されて売れ始めただけなので、これはまったくバブルとは言えません。
インディーズバンドが有名人に見つかってメジャーデビューした、みたいな話に似てますね。それを「あのアーティストはバブルだ!」とは言わないでしょう。
また、なにより、日本の市場規模は依然として、めちゃくちゃに小さいのです。
先ほど、国内コレクションの24時間取引高は「400ETH」と書きました。
では、海外コレクションはどうでしょう。
上記は、OpenSeaの24時間のランキングです。
1位のAzukiだけで、3500ETHの出来高です。単独で、日本市場の10倍です……。
OpenSea全体では、1日あたり100〜200億円程度の取引が発生しています。
日本は400ETHなので、約1.5億円です。
1日あたり150億円の出来高があるとすると、日本のコレクションは、そのうち1%程度を占めている程度にすぎません。
さて、「日本のNFTはバブル」なのでしょうか?
なぜ日本のコレクションは存在感がない?
これだけ盛り上がっているように見えても、日本のNFTコレクションは、OpenSeaの取引全体の1%程度を満たしているにすぎません。
「コンテンツ大国」の日本勢の存在感……なぜ、ここまで薄いのでしょう?
答えはシンプルで、「大量に発行するジェネラティブ系コレクションが少なすぎるから」です。
日本のNFTは、概ね「1点もの」が中心に流通してきました。
というのも、日本では当初バイヤーの数が非常に少なく、5000点のNFTを発行したとしても、売れ残るのが明白だったからです。
その結果として「1点もの中心の市場」が形成されたわけですが、実のところ、こうしたNFTは海外では存在感が大きくありません。
OpenSeaで人気の海外コレクションは、おしなべて「ジェネラティブ」形式です。
1万点、あるいは2万点もの作品が大量にリストされ、日々売買されています。
海外市場には、予算のあるNFTコレクター、あるいはNFTトレーダーが数多く存在します。
OpenSeaの1月の出来高は5000億円以上ですが、この数字は、参加者が大量のジェネラティブを売買した結果として生まれています。
ですが、日本ではそもそも、ジェネラティブ形式のコレクションがほぼ存在していません。
ここ最近のプロジェクトで、イーサリアム上で展開しているのは「LAG」しかない状況です。
海外のNFT取引市場では、「ジェネラティブが基本」です。
しかし、日本発のジェネラティブは、ほとんど数がありません。
今は「海外投資家が、日本のNFTコレクションを買おうと思っても、そもそも商品の品ぞろえがない」ような状況になっているわけです。
第2フェーズ:国産ジェネラティブが増加する
とはいえこれは時間の問題で、3月あたりから、急速に国内発のジェネラティブコレクションが増えていくと思われます。
理由はシンプルで、「ジェネラティブを売れるだけの、市場の準備が整った」からです。
この1〜2ヶ月で、国内のバイヤーも十分に数が増えてきて、しかも、海外市場とのパスも整ってきました。
国産ジェネラティブは、今のところ「LAG」と「Pixel Heroes X」くらいしか目立ったものがありませんが、この状況はすぐに変わるでしょう。
大量に生まれるジェネラティブのなかには、海外市場に通用するコレクションも登場するはずです。ワクワクです。
もしもバブルが来るとしたら、ようやくそのタイミングからなんだとも思います。
Ninja DAOでも、「CryptoNinja Partners(CNP)」というジェネラティブコレクションのリリースを計画中です。
進捗はDAO内ですべて見える状況になっているので、ジェネラティブを作ってみたい方はぜひご参考にしてみてください。
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