東大首席→財務省官僚→弁護士という超エリート・山口真由さんの努力論がすばらしい!
東京時代、「モーニングクロス」で2度ほどご一緒した山口真由さん。今はハーバードに留学中なんですね。
書籍「天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」を拝読しました。
・Amazon.co.jp : 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある : 山口 真由 : 本
いや、これ面白いんです。勉強しまくった人のリアルな意見で大変興味深いです。
幻聴が聞こえるレベルで努力した
まずはただ者ではないプロフィールを。
筑波大学付属高校を卒業して、東京大学に入学。
在学中3年生時に司法試験合格。4年生時に国家公務員第1種試験合格。2006年に東京大学法学部を首席で卒業後、財務省に入省。現在は大手弁護士事務所にて企業法務に従事している。
東大首席→官僚→弁護士!最強のエリート美女
「まさに天才」という感じですが、山口さんは努力の人。
いきなり笑ってしまったのは、「勉強しすぎで幻聴が聞こえた」という話w
そりゃ東大首席卒業もできますわな……。以下、書中より。
私はものすごく努力家と言われます。
司法試験の口述試験の前の2週間の間、睡眠時間は3時間、食事の時間はそれぞれ20分、お風呂の時間も20分と決めて、母と1日に10分電話で話をすることだけを息抜きにして、残りの19時間30分をすべて勉強に注ぎ込んだという話をすると、多くの人が驚きの目をします。
そのときに、眠気と闘うために冷水を張った洗面器に足を付けて勉強を続けていたら、「蛍の光、窓の雪」という2フレーズばかりを歌う声が聞こえました。
夜中になってもずっと歌い続けているので、幻聴だと気付いたのですが、この話をすると、「狂気の淵を覗いたね」とさらに驚かれます。
ぼくも大学受験時代、ストイックに勉強していましたが、19時間30分を勉強に注ぎ込むというのはクレイジーすぎて付いていけませんw
これ、人間の限界ラインですよね。やりつづけると本当に過労で死んでしまう水準では……。
努力とは反復・継続である
そんな努力の人、山口真由さんの努力論は実にリアルで面白いんです。
まず、「努力すること」とは何かについてです。
私にとってあることのために努力することは、その何かを「反復・継続」することを指します。
これは要するにアスリートのトレーニングと同じです。たとえば、陸上競技の選手は、基本的には1日何回か走って、それを毎日続けると思います。
私が努力したのは、主に勉強だったので、試験の前には教科書を何回も読んで、それを毎日続けました。
だから、まず、なんのために「努力するか」、つまり、何を反復・継続するかを見つけ出すことが大事です。
もう全力で頷きまくり。そう、努力とは何かを反復・継続することなんです。
ブログの世界も同じで、いかに書きつづけるか、これが大切なんです。
山口さんは別のページで以下のようにも語っています。こちらもたいへん共感!
努力を続けるには、自分に課したルールを守り続けることが大切です。
そして、守り続けることによって、そのルールは自分のなかで、どんどん固い決まりになります。
結果的に破ることができなくなります。逆にいえば、一度破ってしまったルールは、なし崩しで守れなくなるのです。
得意分野を伸ばせ
はい、ここ、目ん玉かっぽじって読んでください。
努力することを「苦行」だと捉える人は、とりわけ苦手な分野において、努力することに価値を見いだしがちです。
ですが、自分が苦手な分野で闘うというのは、それに伴う苦痛が非常に大きいわりに、効果はあまり高くありません。
その結果、決して長くは続きません。
苦手なものは人並みかそれ以下でも仕方ない。
その分、得意分野でカバーするのが、ひとつの鍵です。
苦手なことにみずから進んで歩み寄る必要はありません。
まず、何かひとつ、本気で努力を始めるなら、絶対に自分の得意分野にするべきです。
私も、本気で努力するのは自分の得意分野のみにおいて、と決めています。
さらに本書では、得意なこと/苦手なことを、「読む」「聞く」「書く」「話す」の4つの分類で論じています。これも面白い!
ビジネスにおいて求められるのは、「アウトプットする力」です。
そして、精度の高いアウトプットをするためには、必ず「インプットする力」を組み合わせる必要があります。
「インプットする力」としては「読む」ことと「聞く」ことがあげられ、「アウトプットする力」としては、「書く」ことと「話す」ことがあげられます。
つまり、自分の得意分野を見極めるために、誰もが小さい頃から日常生活のなかで行っているこれらの4つの行動について、自分の能力を評価すればいいだけなのです。
もし、自分での評価が難しければ、自分のまわりの人と比べるのがよいでしょう。
私を例にすると、私の場合は圧倒的に「読む」ことに特化した人間であるといえます。
ここは5段階でいえば「5」です。その次に得意なことは「聞く」ことで、「4」だと思います。
次は「書く」ことで「3」くらいとしておきましょう。もっとも苦手なのは「話す」ことでこれは「1」です。
すると、私はやや内向的な方向に寄った、インプット型人間であることがわかります。
ですから、私が努力すべきことは、やはりインプット作業を主としたものとなります。
この考え方は初めて触れましたが、とてもわかりやすくていいですね。
ぼくは「書く」が「5」で、「読む」が「4」、「話す」が「3」、「聞く」は「1」くらいだと思います。
書くのだけは、時間を忘れて没頭することができます。インタビューで誰かの話を聞くのは好きなのですが、興味を持てない人の話はまったく聞けないので「1」。
定量的なハードルにする
こちらもズババーッと刺さります。ああ、いい本だなぁ。
そして、肝心なのは、ハードルを定性的なものではなく、定量的なものにすることです。
「3時間で、集中してこのテキストを精読する」
こういった目標を立ててはいけません。
この目標の駄目なところは「集中」「精読」というワードです。
これは評価が入るので、ここの加減を自分の主観で途中で変えることができてしまいます。きつくなってきたら、自然とハードルを下げてしまうのが人間というものです。
こういった目標を立ててしまう人は、本来であれば、2時間でそのテキストを読めると思っているのに、そういう目標を立てることが苦しいので、3時間と時間をかさ増しして、怠けている可能性があります。
こういった習慣の人が努力を続けるのは難しいのです。
ブログの場合だと「毎日1本更新する」とか「15分以内に書き上げる」とかがおすすめの定量ゴールです。
これを毎日毎日こなしていくと、自分の成長を如実に実感することができるはずです。
そうした「成長の実感」を楽しむことができるようになると、努力はますます継続しやすくなります。
身体の使い方
最後に紹介したいのは、身体的な話。これも大変共感します。
私はデスクに座っていて、一番集中しているときには、片膝を立てる癖があります。もちろん、行儀のいいことではないし、やめたほうがいいことも重々わかっています。
しかし、これは、私が一番楽で、一番効率よく、一番集中できる姿勢のようです。
だから、忙しさが頂点に達して、どうしても自分に追い込みをかける必要があるときには、まわりに人がいないのを見はかって、片膝を立てることを自分に許しています。
子どもが勉強をしているときに、「姿勢が悪い!」と怒るご両親もいらっしゃるかもしれません。
しかし、姿勢を正すことに気をとられて、勉強に集中ができなくなったり、ただでさえストレスの多い勉強に負担が増えて勉強から遠ざかったりするのは、逆にもったいないことだと思います。
人間は、ストイックにできてはいません。努力をすることはストレスにもなりますから、それ以外のところでは、しっかり努力をした自分をねぎらい、ご褒美をあげなければなりません。
ぼくなんかひどいですよ、熱中してくると姿勢が崩壊するわ、夏は半裸になるわで、エゴン・シーレの作品のような風貌でパソコンを叩いていますから。
人間というのは身体に囚われているんです。
脳みそをフル稼動させたければ、身体をコントロールすることを手放すべきです。山口さんは関連して、具体的なアドバイスも提示してくださってます。
場所を変えるのではなく、酷使した器官を変えてみるのも手です。
疲れているといっても、身体全体が疲れている人はそういません。パソコンを見続けている人はきっと目が疲れているのだろうし、何かを書き続けている人は、きっと手が疲れています。
話を聞き続けた人は耳が疲れているだろうし、話し続けていた人は口やのどが疲れています。このような酷使された器官を部分的に休ませてあげればいいのです。
たとえば、何かを書き続けていた人は、次は聞くことや読むことなどに取り組んでみましょう。
まさに仰るとおりで、ぼくはブログ執筆に疲れると読書に移るんですが、そのときの姿勢はこんな感じ。
こんな体制で速読しております。こちらもエゴン・シーレ。
「努力が苦手」な人におすすめ
世の中には、けっこう「努力が苦手な人」がいると思うんですよ。没頭することができなかったり、継続することができなかったり。そういう人がこの本を読むと、一歩前に進む方法を掴めると思います。
一方で、努力家を自称するぼくのような人間にも、この本は共感とヒントに溢れています。
なんせ19時間30分の勉強を続けた方ですから、見ている世界が深いです。死線を越えそうになった方の言葉は、常に参考になるものです。
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