NHKのTVer参入に関して

2019年8月23日、NHKがTVerに正式参入することとなりました。
遡ること2018年の夏頃から断続的にNHKがTVer参入をするのではないか、という報道されてきました。

昨日の正式発表を受けて、かねてから「パソコン・スマホユーザーへの強制的な受信契約」を目指すという趣旨の批判が噴出しているように感じます。しかし、このTVer参入はNHKの意思を受けてやっているものではなく、また既存のSVOD事業である「NHKオンデマンド」との整合性を無視しているのもまた事実です。

では、なぜNHKはTVer参入をしなければならなくなったか。

それは、2018年6月の「規制改革推進会議」の答申を受けた結果となります。※規制改革推進会議とは、内閣府の諮問会議です。

内閣府に規制改革推進に関する答申というページがあります。
そこにある「規制改革推進に関する第3次答申~来るべき新時代へ~(平成30年6月4日)(PDF形式:324KB)」という答申の中にすべて書かれています。その中で、様々な観点から放送に関わる制度改革が必要と答申されました。別紙で分かりやすい資料があるので以下抜粋させて頂きます。

資料Pg2参照

この真ん中にある「グローバル展開、コンテンツの有効活用」の一番最後のポチにある「NHKアーカイブの活用」という箇所が、今回のTVer参入となった理由となる箇所です。こちらの箇所の答申書の文言は以下の通りです。

資料Pg51参照
咀嚼すると、従来サービスの「NHKオンデマンド」に限らず、受信料で作られたNHKコンテンツは様々な場所でより多くの視聴者に幅広く広めるべきという答申が出された訳です。この答申を受ける形でNHKの意思としてTVer参入を望んだ訳ではなく、ある種命じられた形でTVer参入をせざるを得ない形となった訳です。

なので、NHKとしては、少なくともTVer参入に関しては「パソコン・スマホユーザーへの強制的な受信契約」を目指している訳ではないと思います。


ただし、来年の春までにはNHKは同時配信アプリをリリースすると推測されていますが、その後どうなるかはまだ分かりません。ただ、現実的にパソコンやスマホの特定などアクセスすらもしていないのにどのようにして料金を徴収するか謎ですので、私は同時配信による「強制的な受信契約」は現実的にあり得ないと思います。

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