支える力をつける(10)No2 の支え

ここからは脈絡のない文章になりますが支える人について思っていることを書きますので今までと重複している所もあります。

No2を最初から目指す人は少ないかもしれませんがNo2ならなれるチャンスは大きいです。
世の中でNo1になれる人は限りがありますが、No2は自分がNo2だと思っていればいいのでこれほど精神的に楽なことはないです。No1はすべての責任を取らなければいけないわけですがNo2は何かあっても矢面に立って最終責任を取ることは少ないでしょう。
No1はそれだけいい気持ちになれると同時に没落も簡単にしてしまいます。
No2は誰にでもなれるチャンスはありその要素も誰もが持っていいます。しかしNo1はリーダーとしての資質がなければなることもできないし、維持もできません。

有能なNo1に仕えるNo2と無能なNo1に仕えるNo2では仕え方が違います。
有能なNo1にも自分が先頭に立ち自分で範を示しリードする人と、自分を殺して部下に権限を委譲しながらリードしていく二つのタイプがあります。どちらのタイプのNo1でもNo2は自分の能力を十分に出していけば組織は成長し安泰です。ところが能力のないNo1だとNo2の言うことは聞かず自分がすべてということになり周りからの評判も悪く、当然評価も低くなります。No2としてはこれをいかにカバーしていくかもNo2の力の発揮どころとなるわけです。

経営でもなんでも攻めの面での意思決定はさほど難しいものではないと思えます。No1にとって一番大切なことはどこで見切りをつけるかです。No2は適切な情報を提供しNo1にその決断を出来るよう後押しできるかです。No1にとって屈辱的な事態を迎えるかもしれませんが、No2はその悪評をすべて自分がかぶるようにしたらいいでしょう。No2がコケテも組織が壊滅することはないですから。

No1になるよりNo2で仕事をする方が能力を発揮できるタイプと、仕方なくNo2でいる人でも違う面があります。欲が深い人や目立ちたがり屋な人はNo2に向きません。No2は純粋な人間がいいです。
No2 にとって用心深さは今までの経験を踏まえての事なのでいいですが、疑い深いのは証拠なくしてあるいは自分で確認していないわけなのでNo2には向いていません。


No2は労多くして功少なしでも満足できるタイプでないと務まりません。No2は出来ない理由を探すのではなく出来ると言う発想から始めるべきです。No2と2流、No1は1流ということはありません。No2にとってNo1の信頼を得るには自分の考えや情報を正しく伝えることです。どんなに有益な情報とかアイデアでも正しく伝わらなければ何の役にも経たないわけですから。又No1の考えを引き出してそれをサポートしていくのも信頼を得られる方法です。そのためにも先を読む力が必要不可欠です。

No1が更に出世したり、活躍することを素直に喜ぶ気持ちがNo2にはあるはずです。そこに功名心がないことは大切です。No1が結果を出してくれればいいのです。下剋上の時代ではNo2 がNo1の寝首を搔くようなことも多くあったでしょうが、No1はNo2の、No2はNo1の資質を見抜く力を持たないと2人の関係は続かないでしょう。

自分たちの力を冷静に分析し戦略を立てていくことが戦いや競争ではNo2にとっては不可欠な要素です。

例として良くありませんが戦争で前線に出て華々しく戦果を挙げることを望む人と、後方部隊で前線を支える仕事、城を守る仕事をすることで納得できる気持ちがないとNo2にはなれません。

M&Aでも買収(Deal Maker)という派手なパフォーマンスが好きな人、DD(Due Diligence)などで陰で支えるのが得意な人、あるいはPMI(Post Merger Integrstion)でも旗を振るのが好きな人と地道に内部を固めるのが得意な人などNo1とNo2の役割は違ってくるでしょう。

No1が感情的,感傷的になっている時でもNo2は常に冷静に感情を抑えるが求められます。人生でもそうですし会社経営でもそうですが、時に渦中の人間は何かを見ることの出来ない力や意志に支配されることがあります。そんな時ほどNo2はNo1に見えないものが何なのか教えてあげることがいかに大切か知っておかなければいけないでしょう。

No1と言えどもいつもすべての事に自信を持っているわけでなく不安を感じていることは間々あります。この不安を除いてあげる立場がNo2なわけです。時には秘密を一人で抱え込むことも不安になるわけで、そんな秘密を打ち明けられる誰かが欲しいのが人間です。No2はその秘密を安心して聞いてあげなければいけません。聞いてあげる事でNo1の不安を取り除いてあげられます。不安を軽減することでNo1は悩み、苦しみ、悲しみに耐える事ができて普段の力を発揮出来るようになるでしょう。No1は悩みや迷いを答えを考えることに意味があるわけですから考える気持ちのゆとりを持たせることです。

逆説的な言い方かもしれませんが常識的なことをしても大を成し遂げることはできないことも多々あるでしょう。周りからそれへの反発は大きいが無理を承知でNo2は遂行することも時には大切です。



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