支える力をつける(7)No2として
No2は仕えると言う立場にはありますがNo1から指名されることもあればNo1を自分で選ぶという選択肢もあります。特に素晴らしいリーダーを見つけその人に長期にわたってNo2の立場で仕えるのであれば選ばれるのではなく選ぶ立場になるのも自分を生かすことが出来るようになります。
何故No2を目指すのも正解なのでしょうか。
No2は常に世間や社会情勢に目を向けNo1に伝えていかなければいけません。特に今世間の人が何を求め何に喜びを感じているかを伝えることは大切です。成功している多くのケースを見ると人をポジティッブな気持ちに持って行く経営や指導が多くの人を幸せにしてくれます。そんな社会を築くのに支える力を持った人が必要です。
前書きで述べたようにすべての人とは言いませんが、やはりNo1 ,トップの座に座ってみたいと思うのが多くの人の気持ちでしょう。それでもNo2も悪くないですよと思うにはそれなりの理由があるわけです。優れた支える人になるにはNo2のポジションを得ることで自分なりに理想を実現しやすくなることがあると考えるからです。もちろんNo1になれば自分の理想を実現出来る事はたくさんあるかもしれません。でもNo2のポジションを掴んだ方がそれを得やすいこともありますよと言いたいわけです。
支えることからNo1に付いていけば支える立場の人も野望を実現できるかもしれません。自分には欠けている野心がなくてもNo2はNo1の下で自分の理想像を実現する楽しみを持てます。
支える人に求められる資質
人間だれしも感情はあるわけです。その感情の起伏をどうコントールするかを見た時、No1の立場にいると感情を一定に保つことは難しいものがあります。No1と言う立場はいつも孤独であると言われています。私はNo1になったことはないので分かりませんが多分そうなのでしょう。No1は常に自分を意識しているので少し客観的立場に立てないためそれだけ感情移入も大きくなりがちです。その点No2は言葉は悪いですが無責任にモノを見易い立場にいるので感情移入が少なくてすみます。感情の起伏が激しくていい結果をもたらすことはほとんどありません。これは皆さんも経験をお持ちでしょう。No1が感情で物事を判断し決断しそうな時にNo2がブレーキをかけることが出来れば失敗を避ける可能性は大きくなるわけです。
他の人や社会に自分を合わせようとするのか、他の人や社会を自分に合わさせようとするかを見た時、支える人は前者であるべきでしょうしその言動が合理的であると見られないといけません。
上司、同僚、仲間、部下と誰かを支えている人はいつかNo2のポジションを得易いのではないでしょうか。人間やはりポジション、タイトルは欲しいものです。
No2のすべての人がNo1の座を狙っているわけではありません。ただ自分がNo1の立場だったらどういう判断をするかと言うのはいつも心掛けておくべきです。No1の人がこいつはいつか俺の私の立場を脅かすと感じたら信頼する心は失われるでしょう。No2の立場で野心を持つことは最悪です。野心と言う言葉は多くの人の賛同を得たうえで挑戦して物事を成就させるのとは違うでしょう。野心は自己中心的に行動し他の人がどうなろうとも自分の求める結果が出ればいい、自分が欲しいものが手に入ればいいというイメージがあります。野心に人はついていかないでしょう。野心の強い人No2を持つことはあまり勧められませんが、野心家が好きなNo1もいるでしょうから断言は出来ません。
知恵を出す
一番に強調したいのは「知恵」です。知恵を出すことがNo1の信頼を勝ち取る最大最強の武器です。この知恵を付けるためにNo2は常に努力をすべきです。知恵を持つことはもちろんNo2だけに求められるものではなくすべての人に必要なことです。知恵者という言葉を聞くと賢者、人格者のイメージにも繋がりますよね。昨今ではカウンセラーとかメンターと言われる人に知恵は不可欠です。
知恵もあるだけでは何の役にも立たないわけですから、それを生かすには後で述べところの情報力、分析力などをもってNo1に提供しなければNo1は決断し実行することが出来ず何も起こすことはできません。
No2の立場は補佐役という言い方が適切だと思いますが、似たような立場にある参謀とは異なると言えるでしょう。補佐役も参謀も同じ支える人に変わりはないと思いますが参謀がNo2であることもあるかもしれませんが、参謀はどちらかというと技術面から支えていくイメージが強いのではないでしょうか。
補佐役は司令官(No1)が決めたことを運用するにあたりより円滑に実行できるように考え、行動するのが大きな役目でしょう。
一方参謀は方向性や知恵や判断材料をトップに提供することが大きな役割でありピンチのにおいを嗅ぎつけ、チャンスの到来を知らせることが求められます。
もちろんNo2が参謀的才能を持っていることでNo2の能力に対しさらに高い評価になる事は間違いありません。
大きな知恵を出して成功したのでは黒田官兵衛の本能寺の変を知った後の秀吉への知恵です。具体的な知恵ではないかもしれませんが天下を取れるチャンスが巡ってきたことを秀吉に知らしています。この一言で歴史が変わったわけですから知恵を出す大きな意味を感じます。これから中国大返しに続くわけです。他にも知恵を出して日本の歴史を変えた、という点では山本五十六の真珠湾攻撃です1年から1年半くらいだけなら暴れてみせることは出来ますと短期決戦を前提に出た知恵です。日本にとっても世界にとっても悲劇の始まりではありますが有能な支える人には知恵が備わっていることは確かです。山本五十六一人の知恵ではないと思いますが支える人として上申しています。
友達をたくさん作る
信頼できる友人、知人が多い人には魅力があります。誰からも好かれ信用されているからです。真の友達が多いことの一番の利点は情報が多くなることです。今の時代はネットで調べればかなりの量の情報を集めることは可能です。ただネットで取れる情報は誰もが取れる情報ですからその価値はそれほど高くはないでしょう。それに比べ友人・知人からの情報は生のものですしその信頼性も高いものです。時にはほぼリアルタイムで受け取る事も出来るでしょう。皆さんも情報を他の人より早くに得られたことで何かで買った経験をお持ちだとおもいます。先に出た豊臣秀吉の本能寺の変を知り中国大返しが出来たのもいい例でしょう。もちろんNo1の人も人間的魅力を持ち友人・知人が沢山いることはあるでしょうがやはり立場上、利害関係が強く出たり自分から積極的に友人を作るのが難しかったりすることもあるのに対し、No2であればある意味八方美人的に人と付き合えることもしやすいでしょう。決断を下さなければいけない立場の人は時に敵を作ってしまう事もあるのは仕方ないことでしょう。
No2はどういう性格であっても何か一つでも資質が備わっていれば優秀なNo2になる事が出来るはずです。性格も色々ありますからそれぞれの立場や状況でNo1を支えていくことが出来ます。温厚、誠実である事に越したことはありませんがNo1が認める、あるいは受け入れられる性格であれば剛腕、やり手、寝業師という印象を周りが感じても問題ありません。もちろん用意周到であるとか慎重であるとか大胆だとかありますがNo1との相性は大事です。何故相性が大事かというのは政治の世界でもビジネスの世界でもまたたとえNPOのような組織でも理性より感情が支配することの方が多いように思えるからです。相性が良いと感情的なすれ違が少なくなるからです。
No1とNo2という関係ではありませんが支える立ち場として勉強になると思うのが
ボクサーとセコンド、ゴルファーとキャディー、歌手とバックコーラス、俳優と監督などがあります。もちろんセコンド、キャディー、バックコーラス、映画・舞台監督はそれぞれ役割は違うかもしれませんが、観客は選手、歌手、俳優を見に来ているわけです。その人たちが最高のパフォーマンスを出せるようにするためにいるのがセコンド、キャディー、バックコーラス、監督たちです。冷静な判断力、状況を見分ける力、選手や歌手や俳優たちのその時の心理状況を分析しアドバイスや指示を出していかなければいけません。私はこれらの分野に関しては全くの素人ですが見ていて感じる事があります。ボクシングという直接的に相手を倒すことが勝敗を決するスポーツではセコンドは試合のかなり前からボクサーの体の状態、心の動き、対戦相手の特徴を知るなどの情報戦が試合中のアドバイスや指示に大きな影響をもたらすでしょう。ゴルフでは契約している帯同キャディーもいるでしょうし、その日だけのキャディーのこともあるでしょうがどちらにしてもメンタルな要素が大きく左右するゴルフではグリーンでのライン、ピンまでの距離、風の状態など多くの技術的なことに信頼を持たせることは当然にしてゴルファーが気持ちよく又安心した気持ちでプレーできるようにしてあげられることが勝利に導いていけるのだと思います。音楽に関してはさらに全くの素人ですがたまにコンサートに行ったりテレビで見ている時にいつも感じるのですがメインの歌手の後ろの方で観客か見えるか見えない所で2人か3人のバックコーラスが歌手の人が最高に思われるように自分たちは歌っている姿はまさに支える力を持っているそのものの生き方に感じます。俳優と監督の関係は前者とは違うかもしれません。俳優は監督を先生と呼んだりしていることもあって、多分監督の意思を演技に反映させているかもしれませんが最終的には観客は監督ではなく俳優の演技を見て感動を覚えるわけですから、やはり監督はNo2の役割になった方がいい作品を完成させることが出来るのではないでしょうか。
起業に失敗してNo1になれなくても失敗から得た経験を生かして有能なNo2にはなれるチャンスは沢山あります。スポーツの世界でもビジネスの世界でも勝者は必ずと言っていいほど自分は失敗や敗戦時には挫折から多くのことを学びそれを生かしてきたと言います。No2になるには失敗も大きな栄養素です。失敗をどのようにやり過ごしてきたかを知っているわけですかNo1が失敗をしないよう助言できるし、あるいは失敗を取り返す術を教えてあげることが出来ます。特にスポーツの世界を見ると高校の強豪校を育て上げたケースは一つや二つではない事をご存知でしょう。ただ失敗が致命的にならないという運のような事も必要かもしれません。ビジネスの世界では一度の失敗でその烙印を押されてしまう事が多くこれは日本の悪しき流れです。日本で起業家が生まれにくい土壌があるのは一度失敗をすると2度目のチャンスが得にくい。日本人は急激な成功に妬みを持つと言われますが事実ですね。
人間、才能があれば成功する確率は間違いなく高くなるでしょう。運がなくても成功できる人はいなくはないでしょう。そうやってNo1の座を掴み取った人がいる一方No2は失敗を含めて多くの経験をすることで才能の欠如や運の弱さをカバーしてNo1に仕えることが出来るものです。
少子化に向かう中でNo2は数の論理でなく質を高める策をNo1に提供できるよう努力することが求められています。そのためには旅をしたり、今まで身を置いてた社会とは違う世界を体験していくことが大切です。自分より立場が上の人、下の人とも意見を交わし、又違うカルチャー、ケミストリーの人と異業種交流会などを通じて知識を深め体験していくことが求められます。
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