支える力(16)ー繰り返し

支える人に求められる資質

No1の心を読めることが一番大切です。 理想的なNo1とNo2の関係は信頼関係がしっかりしていることでありますが、特にNo2はNo1の心が読めなければ的確、適切なアドバイスは出来ません。一方No1も自分の心を知ってもらえるだけのことをしなければいけないでしょう。さらに重要なことはNo2を信頼しNo2はそれを認識できることです。日本人は阿吽の呼吸だとか忖度が好きですが信頼関係を持ってのコミュニケーションが不可欠です。これは双方の努力が必要です。又No2は同僚や部下の心を読む姿勢をいつも持ち続けることでNo1との関係を堅固のものに出来るはずです。No1がNo2は同僚や部下の心をNo2が掴んでいることが分かればその信頼も更にたかまるでしょう。


革命を成しえ、NO1に上り詰めた人が長期に亘りその後を治めるのは出来ないか難しいのが歴史の示すところです。誰も意見を言えなくなるからですが、こういう時にこそNo2が力を発揮できるし期待もされるのです。

決断を人に任せればその人に支配される。No1で決断を任せる人はいません。判断を仰ぐことはあるだろう。自己決断し自己責任を取るのがNo1ですがNo2も一心同体になっていかなければいけません。

心の傷がリーダーを育てるとか失敗から学ぶと言いますがNo1の人がそれを周りに言うことは少ないですからNo2がそれをかぎ取ってやることが必要です。

No1は明確な意志を持たなければいけません。その意志がNo2に力を発揮できるスタートになるのですから。

人間は自分がエゴである事には気付かないことが多いですが、No1の人はそれがリーダーシップを発揮していると思いがちで勘違いしているケースも度々あります。

No1は他人の利益と自己の利益を一致させることができるのがベストです。すべてにそれが出来るかは別としてもNo2から見ていつも乖離してると思うようになったら身を引いたらいいでしょう。

No1は組織に勢いを付けられるのが望まれますがそれはNo2でも出来ることです。
オーナー会社でありがちですが二代目や三代目で変化・変革をしない、できないとか人と積極的に会うことをしないため人からの意見を聞けない、情報を収集できないか限られる、物事に消極的でネガティッブな見方をする、輪を広げられない人を見ますが、No2がそれをカバーしていくことが出来れば問題の半分は解消できます。先代の番頭的な立場の人がいればその人を活用するのもいいでしょう。責任感が強いことと自分のこととして行動する人でないと単なる評論家、批評家になり失敗するでしょう。


No1に欠かせないのがChangeとChallengeですがそれを後押ししてあげることがNo2に求められることです。ChangeとChallengeをするには過去にこだわらない事とたとえ成功したことでも過去を正しいと思わない事です。
No2はいいことだと思ったら積極的に行動を起こすことです。それは難しいとか、No1が許してくれないと言わずに、それならその人をどうしたら変えられるのか考え、いいことはどんどん進言すべきです。
ただ思いついたらでなく文章にして1日おいてからにすることも大事です。

若い人たち、青春の真ん中にいるときは仲間の一体感に支えられているので勢いで行動を起こしてしまうことが往々にしてありうる。20代で起業しているNo1は気を付けるべきです。
年齢を経てきた時は本当の仲間が必要になる。年齢を重ねると人間は打算や自己の利益を優先しがちです。   

これからのNo2は情報力がキーワードになるでしょう。情報の共有、公開、管理、漏洩防止、入手ですがNo1が判断、決断を正確に迅速にするためにあらゆる分野であらゆる角度から情報をNo1に提供することが不可欠になっていきます。                                        

人生で誰もが好きなこと、得意なことをしているのが幸せをもたらすのですからNo2の資質がNo1の資質よりあると思ったらNo2の道を選択するのが正解なはずです。

人間は自分たちが一番優秀だと思っているがそれは人間を中心に考えるからで犬や熊の嗅覚、渡り鳥の帰巣能力など動物それぞれが持つ能力は人間を越えていることを見るにNo1も絶対的なモノではないわけですからNo2はそれを補佐して事がいかに重要かが分かってもらえるようにしなければいけません。

No2は人間関係をうまく構築出来なければいけません。No1は時として人間関係の構築より力で押し切る事をしがちです。それをカバーするのが支えるということです。モチベーションを他人にあげられる力をNo1が出来ていない時にするのが指せる力です。
集中と没頭は違うわけで没頭すると周りが見えなくなるがNo1はもちろん物事を遂行する時に集中しているが没頭し過ぎていると見えた時にNo2はそれに気付かせてあげることがNo1の的確な判断に繋げることが出来るわけです。
No1はプロデューサーの立場にあるわけですからNo2はNo1にその意識を持たせる役割を果たすことです。頼朝と義経で書いたようにライバルの立場にならない事です。

No1は一人勝ちを望むことが多いです。一人勝ちが最終的にいい結果をもたらさない事は誰もが知っています。その一番が晩節を貶す結果になる事が殆どだという事です。ワンマンになってはいけません。

No2に野心はないが良心があると組織全体をスムースに動かす方向に進めることが出来ます。

これからのNo2はどうなっていくのでしょうか。まずリーダーとかNo1の位置づけが今までと大きく変わっていくと思います。今までは人格者とか強烈なリーダーシップとかが大きな要素を占めていましたが、これからはお金を持っているとか稼いでいる人がNo1になっていくでしょうし、既にその傾向は出てきています。世界の8人の富裕層の資産と35億の貧困層の資産が同じ時代になるとお金が人の地位を決めていく方向に進んでいくでしょう。そんな時代になって欲しくはありません。ただお金を稼ぐには情報量が多いことが不可欠でそれを分析し判断、決断し実行していかなければならないわけですからNo1とNo2の信頼関係が確立していなければ現代に求められているスピードについていくことはできないでしょう。

自分の能力を知りそれ以上の事をしようとするのはNo2がすべきことではありません。背伸びをすれば無理が来てNo1の信頼を失うでしょう。No1はNo2の能力を見極めているからその人の力を借りたいわけです。No1にいいところを見せたいと思うと必ず焦りや見誤ることが出てきます。無理はしても無茶はするなと言いますが背伸びの範囲もその基準自覚すれば失敗はしません。No2はその点でも冷静な気持ちを持って判断をしていれば、さらにNo1の信頼を勝ち取ることが出来るわけです。

やり過ぎもいけません。No1のテリトリーに入ってはNo1の反感を買う事になりかねません。

仕事を面白いと思って出来るNo2を持つNo1は自分も前向きに進むことが出来ます。

No1もNo2もどんなに関係が上手くいっていても引き際は大切です。名器と言われるバイオリンでもどんな楽器でも名器と言われる時期があるそうです。
また木も充電が必要とされる年があるそうです。No2で生きるのにいいのは充電の時間を持とうと思えばそれが出来ることです。

企業が生産性を向上させるためには経営トップと従業員の信頼関係がなければ達成することはできません。No1とNo2の一枚岩を従業員全員に感じてもらえれば結果を出せる可能性は高くなります。


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