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思いを伝える

作品を作る時
何を伝えようとしているのか、何が伝わって欲しいのか
お客様は
どんな気持ちで私の作品を手にしてくださったのか
どんなことをイメージしてくださったのか

趣味ではなくビジネスであるときに
まず考えなければならない基本のこと。らしい
頭ではわかっているし当たり前のことと思っている
けれど
私はそのことにどれだけ真正面に向き合って
作品を作ったり生徒さんに向き合っていたのだろうか?

先日旅先で立ち寄ったカフェ
遅めの昼食に入ったそのお店は
哲学の道の疏水沿いに佇む蔵を改装したカフェ
開店して程ないのか、表に小ぶりの胡蝶蘭の鉢が2鉢置かれていた
重い扉を内側から開けてくれた店主は柔らかい表情の女性だった

お昼でも3時でもない時間には他にお客様はいなかった
通された2階からは哲学の道を散策する人が見下ろせ
土壁に包まれたその部屋はひんやりと心地よかった
階下からは卵をとく菜箸の軽やかな音が響く

程なく持って来られたたまごサンドに思わず息を呑んだ
厚めに焼かれた卵が入ったサンドイッチ
特に変わったものではないはずなのに

娘と一切れずつを分けていただく
お互い満足げな笑顔で

ちょうど食べ終わった頃、もう一品のオムライスがやってきた
店主が階下に降りた頃
娘が「お店の人のお人柄そのもの…」と言葉を発した
同じことを思っていたんだ

お料理を見て作った人を感じたことは初めてだった
美味しいもの、美しい料理、これまでもたくさんいただいた事があるけれど
こんな経験は初めてのこと
そして娘も同じように感じていたことに驚いた

その女性オーナーは
「私、卵が大好きなんです」と
少しはにかんだ、柔らかい笑顔で話してくれた

自分軸を見直すために春からセミナーに参加している
まだ文字に書ける確たるものが見つけられていないけれど
もし参加していなかったら
この日のサンドイッチとオムライスは
「とっても美味しかった」で終わっていたのだろうと思う





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