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大舞台での敗北を糧に終盤力を身に着けた上野女流名人

囲碁の魅力は何といっても棋譜の内容だ。
対局をさらに楽しんでもらうため
上野愛咲美女流名人の棋風を紹介します。


藤沢里菜女流本因坊に敗北

上野愛咲美女流棋聖は序盤をAIで研究。
『ハンマー』と呼ばれるように中盤は力強く攻めて
勝ち星を重ねていきました。

その反面、ヨセにはあまり今日興味がなかった様子。

『終盤まで互角だったら勝てないのでここで仕掛けました』
などとコメントすることも。

リップサービスかな?とあまり深く考えていませんでしたが、
今考えると本音だったみたいです。


藤沢に負けて終盤力を強化

藤沢里菜女流本因坊(2024年4月17日現在の呼称)に敗れて
タイトルを次々と失ってしまいました。

終盤の入り口ではやや優勢でも
藤沢里菜女流本因坊の巧みなヨセに逆転されてしまいます。

『里菜先生に負けていなかったら自分のヨセが弱い
ということに気づきませんでした』

とコメントした上野女流名人はヨセ強化に取り組む。

終盤から打って練習する『ヨセマッチ』を開発。
様々な棋士と終盤だけ繰り返し練習することで終盤力を磨いていく。

我々凡人だと『自分の弱点を克服しよう』と考えたら
苦行のような練習を思い浮かべる。

しかし上野愛咲美女流名人は
様々な棋士を巻き込み、楽しく練習することで実力をアップした。


ヨセ力を向上させても実戦で使いこなすのは難しい。
中盤で仕掛けるか、長期戦を目指すかの判断を
身に着けるのは時間がかかるからだ。

上野女流棋聖の碁を見ているとまだまだ発展途上中に見える。
持ち前の序盤中盤力に最近手に入れた終盤力をうまくマッチして
さらなる飛躍を期待したい。

激しい戦いは面白いですねと言ったらたしなめられた

ある対局の解説を頼んだら大乱戦になった。
僕は『こういう殴り合いの碁は楽しいですね』と言った。

数秒考えた後、
『ヨセ勝負も楽しいですよ』
と上野愛咲美女流名人にたしなめられちゃいました。

いきなり指摘されたのでかなり戸惑いました。

でも『激しい乱戦楽しい』って
アマチュアならよく言うじゃないですか。
でも上野女流名人の前では禁句にした方がよさそうです。


僕は囲碁関係者で対局相手に会う可能性もある。
だからどちらを応援しているかを表明できない。
しかしこの文章を読めばどちらを応援しているか明らかだろう。

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