石を数えるぷよ碁・純碁と空き地を数える囲碁、ぜんぜん違うようにみえるけど・・実はほとんど同じゲーム
ぷよ碁・純碁と日本ルールの囲碁
戦いの途中で取り上げた石は無視して、最後に生き残った石を数えるぷよ碁・純碁と、取り上げた石をアゲハマとして大切に碁笥のフタにとっておいて、最後それで相手の陣地を埋めて、それぞれの空き地を数える日本ルールの囲碁。
一見、ぜーんぜん違うことをしているゲームにみえますよね?
それが実はほとんど同じゲームであることを(まずは囲碁をご存知の方に)わかっていただこうというのがこの記事の目的です。
日本ルールの囲碁の終局図
7路盤で日本ルールでの終局図をご覧いただきましょう。
黒は☓のところで白1子をとっていてアゲハマ1。
図1
日本ルールでは陣地をこのように数えます。
図2
左下の白石を取っているところや上辺で黒石が死んでるところはそれぞれ便宜的に2目ずつ(1目の地と相手の死石のマイナス1目)と数えると、
図3
白地 1+13=14目
黒地 2+10+1=13目 白1目勝ち
純碁(ぷよ碁)の終局図
純碁の終局図というのは日本ルールの終局図からさらに打ち進めたものになります。初心者同士だと日本ルールの終局図を経由しないこともありますが純碁が上達してくれば(=勝ち方がわかってくれば)日本ルールの終局図を経由することになるんです。
実はここは結構なポイントで、ルールの字面だけ比べると全く別ゲームに見えるけど、ちゃんとした打ち方がわかってくれば同じゲームに収束するという仕掛けになってます。
図4
黒石 22
白石 23 白1目勝ち
結果が同じになったとはいえ、図2と図4が同じという理屈がピンときてない人もおられるかと思います。
中国ルールの考え方
そこでご覧いただきたいのが次の図です。中国ルールというのが空き地の数+自分の石の数を比べるということはご存知でしょうか。それはつまりこういうことなのです。
図5
空き地+自分の石の数というのは、碁盤を黒と白で奪い合った、その領域の広さ比べをしているということなんです。
これと純碁の終局の図4を比べてみると、純碁というのは領域の広さを石を敷き詰めることで数えやすくしてやろう、ということなのがおわかりいただけるかと思います。
純碁≒中国ルール
(純碁では眼を2つ残す必要があってギッシリとは敷き詰められないからイコールではない)
ということですね。
アゲハマを埋めて空き地を数えることの意味は?
では日本ルールにおいて、アゲハマを大切にとっておいて終局後に相手の陣地に埋めて空き地を数えるというのはいったいどういうことなのでしょう?
図5をしっかりながめてみてください。
領域の広さ = 自分の石の数 + 空き地
であることがわかりますよね? ここでもし自分と相手の石の数が同じだったら?
そうしたら空き地の数だけを比べれば領域の広さ比べができることになります。
囲碁というゲームは基本的に黒白1手ずつ打つので黒から打ち始めて白で打ち終わるならば、そこまでに使った石の数は黒白同数です。
使った石の数=生き残っている石の数+取られた石(相手のアゲハマ)
アゲハマを相手の陣地に埋め戻すのは・・・盤上の黒と白の石の数を揃えるためだったのです💡
ぷよ碁・純碁と日本ルールをつなぐミッシングリンク(失われた環)
再掲載しますが、この図、囲碁とは黒と白との領域の奪い合いのゲームという認識があればぷよ碁・純碁ルールと日本ルールが本質的に同じものであることがわかるのでした。
日本ルールの、囲った内側の広さ比べという考えがしみついていると、ぷよ碁・純碁がまるで別のゲームのようにみえてしまう、ということかと思います。
細かな違いは生じるが
黒から打ち始めて白でうち終われば使った石の数は同じですが、黒で打ち終わるなら黒石が1つ多いことになります。
もちろん置碁でも黒石と白石の数は同じにはなりません。
このことについて微調整をするようなルールは海外にいろいろあります。
ただ、碁というのが盤の領域を奪い合うゲームと認識するならば、日本ルールも中国ルールも純碁もぷよ碁も、終局手続きとカウント方法が違うだけで全く同じことを争っているゲームだというのがおわかりいただけるのではないでしょうか。
日本ルールがある意味、洗練されすぎていて(領域より空き地のほうが圧倒的に数えやすい、単純作業であるダメ詰めを無意味化)、純碁とのつながりがみえにくくなってしまっているということはありそうですね。
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